Bigbeat 2023.03.15 独占インタビュー中編「うんまいマカナイメシ」

2023年2月にBigbeatでスタートした「Bigbeat DNA Meeting」。その目的や詳細を代表濱口氏にお聞きしました。中編ではBigbeatのDNAを構成する大きな部分「マカナイメシ」を紐解きます。
(聞き手:リトマス奈津子)

関連記事:独占インタビュー!前編「DNA Meetingの秘密」


(マカナイメシステージの一幕 in HAWAII)

マカナイメシの原点

―DNA Meeting でも取り上げられる「マカナイメシ」ですが、どういうものでしょうか?


マカナイメシは、レストランで言えば料理人が自分たちのために作る料理、のことですよね。私たち広告屋のマカナイメシは、自分たちのための企てごと。クライアントさんの案件以外のインターナルなコミュニケーションの取り組みのことを、そう呼んでいます。

例えば入社式や全社的な会議、年賀状づくり、バンド活動もマカナイメシです。DNA Bookには『Bigbeat is the MAKANAIMESHI company』と掲げていますが、それだけ大事なものだと位置づけています。


(バンド活動の様子。現在ギターとボーカルの音楽性の違いでバンド活動休止中)

ーなぜマカナイメシが大事なのでしょう?

マカナイがまずいレストランに行きたくないよね。
料理の世界で例えると、新人はマカナイを通して料理の作り方だけでなくいいサービスのあり方やお客さんにどうしたら喜んでもらえるかを、センパイや師匠に叩き込まれて学んでいくのではないでしょうか。なかなか認めてもらえなくて悔しい思いもするんだけど、こうしたらもっとうまくなる、というのを重ねて一人前になっていく。

私たちのマカナイメシ、例えばイベントなんかも、どうしたら参加した人が「面白い」「よかった」と思ってくれるか、まずは仲間と実践しながら体で覚えていきます。クライアントの案件を企画するときにも大事なところですね。誰にどう感じてもらえたら成功か、どうしたら喜んでもらえるか。それを体得するのがマカナイメシだと思います。

企業のお花見なんか、すべてが詰まっていると思うんですよね。昭和だ時代錯誤だと言われると思いますが!参加者のことを考えて準備して、センパイに怒られながら学ぶ最たるもの。もちろん度が過ぎてしまったり迷惑行為は論外です。

―これまでどんなマカナイメシを?

創業まもない頃から、チームビルディングのために仮装ソフトボール大会をやったり、ライブハウスで入社説明会をしたり。飲み会一つとっても全力でやりました。

ある年、内定者が一人だったときには「同期はいないけど、日本で一番Happyな内定者にしよう」と、本人が好きだというミュージシャンのライブ会場でセンパイ社員が出待ちして、動画でお祝いメッセージを貰ったりしていましたね。

いずれもそのときの若手がマカナイを担当して、センパイに揉まれながらやってきたものです。担当者は通常業務だけでもヒイヒイ言っているのに、社内の企画も本気でダメ出しされるので、苦い思い出となっていることもあるかもしれません。

でも振り返ると、ちゃんと成長しているんですよね。たくましいです。


(マカナイメシから生まれたスキー部 ツアー企画『セトギワプランニング』)


(直近ではコロナ禍を経て数年ぶりにライブ開催!のはずだった『10000日目のおきゃく』

―シャチョーがマカナイメシに着目するきっかけは?

うーん、きっかけというのではないけど、しいて言えば子供のころから自分たちで企画してやるってのが好きでしたね。小学生のときには、体育館に友人を集めて仮面ライダーショーをやったり、中学ではフォークソング部のライブだと言っておきながらロックをやったり。当時はロックを聴くと不良になると言われて中学校で披露するなんて大問題だったわけです。

高校では体育祭の開会式で、鳩を捕まえてきて飛ばしたりしましたね。みんなをあっと言わせたい、という純粋な気持ちで。いま考えるととんでもないことをやりました。※鳩のエピソードは著書『Bigbeat LIVE BOOTLEG: 「らしさ」で未来はグッとよくなる。』に詳しい

原点にあるのは、一緒にやる仲間や、参加してくれた人に喜んでほしいという想い。「面白かったよ」「またやろう」と思ってもらえたら嬉しいですよね。

ここも『七つの習慣』の著者、コヴィさん※の『インサイドアウト』という考えに通じるところを感じます。まずは自分や仲間が楽しいものを創ることで、まわりにいい影響を与える。自分たちが笑顔でやったら、まわりも笑顔になる、ということです。※前編「サンフランシスコで生まれたDNA」参照

―Bigbeatの理念「関わったすべての人がHappyを感じる」という考えにもつながります

そうですね。みんなにHappyを感じてもらう何かを創り出すって、自分も含めて創る側も最高にHappyです。本番はたいてい胃がキリキリするもんですけどね。

 

マカナイメシは文化だ

ーDNA Book では文化として位置づけられています

マカナイメシが好きでずっとやり続けて大事にしてきましたが、これが企業文化だということに気付いてから第3版に加筆しました。


(Bigbeat DNA Book 第3版より)

例えば「なんかこの街好き」「ずっと住みたい」と思える街には、地元のみなさんが大事にしているお祭りがあったりします。それって世代を越えて想いを込めて創られてきたその街の文化だと思うんです。マカナイメシも街のお祭りのようなもので、Bigbeatのらしさであり文化です。

ー高知だとヨサコイですね

そう。高知の文化のひとつがヨサコイです。こういう楽しいお祭りに向けて、準備する側も参加する側もわくわくするとか、また一年頑張ろうと思えたりするんではないでしょうか。

余談ですが、ヨサコイは夏真っ盛りの8月に開催されます。当日は街全体が盛り上がって、夜までおきゃく(宴会)が続き、老若男女が一年で一番輝くそれはそれはアツい祭りです。その結果高知では5月生まれが多いらしい、なんて話もありますね。しらんけど(笑)ちなみに私も5月生まれです(笑)

とにかく、そういう祭りや文化って未来を明るくハッピーに自由に豊かにしていくものだと思うんですよね。オリンピックやサッカーのワールドカップだってそう。世界を巻き込んだマカナイメシとも言えるんじゃないでしょうか。こういう未来を創るマカナイメシの片棒を担ぐのが広告代理店ですが、その広告屋の一人として、昨今話題の不正に関するニュースは大変残念でなりません。

―文化やイベントごともコロナによって変化したのではないでしょうか?

お祭りや学校行事、企業イベントも中止や自粛が続きましたね。それでも社会は回ったし、みんなが知恵をしぼったおかげでオンラインでのコミュニケーションも一気に発展しました。

Bigbeatでも、コロナ禍にオフィスを配信スタジオに改造してオンラインイベント環境を整えました。当社でも社員向けにオンラインヨガを始めて、パートナーさんやクライアントさんも一緒にどうぞ!とオープンに開催したり、自社イベントを主催して配信したりしました。2023年のいま、ライブ(オフライン)は戻ってきているし、引き続きオンライン配信のご依頼も増えています。

そして気付いたのは「オンラインでも楽しいけど、それだけじゃ面白くない!」ってこと。ライブができなかった時期があったからこそいろいろと進化したし、いまはとてもライブの楽しさを感じています。やっぱりLIVEはLIFEだ!って思いますね。

―オンラインとライブ(オフライン)は、みなさんどう使い分けているのでしょうか?

もちろん状況によりというのが前提ですが、知っている人同士が情報共有したいのがメインならオンライン、新しい人と出会いたいとき、熱を高めたいときは生身で会ってというようになってきていますね。

オンラインとライブは感じる場所が違うと感じるんですよね。楽しいこともそうだけど失敗したときの感じがわかりやすいかも。例えば展示会場でのトラブルは足がすくむ感じで心臓がドキドキして体が熱くなる。かたやオンラインでは冷や汗がでる感じとでも言いますか。ライブは走り回ったら何とかなるけどオンラインではそうも行かないから1分間が長い長い。

どっちのほうがいいとか悪いとかでなくて、選択肢が広がったのは面白い。ライブのためにオンライン、デジタルを活かすとますます楽しいと感じます。

 

未来をつくるマカナイメシ

ー3月15日Bigbeatの設立記念日、採用関連のマカナイメシが開催されますね

はい、新卒採用説明会を行います。今年はもうすぐ入社4年目のメンバーが頑張って準備をしてくれました。

採用は、企業にとっての未来。それこそ街のお祭りと一緒ですね。これをやることでいまがより自由で豊かになり、未来が創られていくものだと思います。当社も明るくハッピーでありたいので、全力で臨んでいます。どんな出会いがあるか楽しみです。

ーどんな方と働きたいですか?

令和のいま、世の中の価値観は多様化していますね。働き方も選択肢が広がり働く人が大事にするところも人それぞれです。

大好きなことを仕事にする、お給料がいい、素敵な環境で働ける、どんなポイントでその仕事を好きでもいいと思う。何を好きでもいいけど、できればそれを好きな会社でやって、長く働けるって最高ですよね。

Bigbeatは「この会社の想いや文化が好きだ!」と選んでほしいと思っています。よさこいのある街のように、Bigbeatも私たちが大切にする想いや文化を好きだと言ってくれる仲間と、わくわくといられる場所でありたいと思います。

―おしまいに、これからのマカナイメシについて野望をお聞かせください

これからDNA Meetingでも伝えるところですが、新入り3人とも初めてのマカナイメシをやってみたいと考えています。とにかくやってみなくっちゃ!ってことで。個人的には仲間のこどもたちと一緒に遊べるようなマカナイメシをやりたいですね。

ージイジ体験ですね

そうね。東京のジイジだよ!って。


(紀尾井町に本物の竹を取り寄せた子供たちとの流しそうめん。そこには「なんでも買ってあげるよ」とカネで人気を集めようとする濱口氏の姿があった)

あと、Bigbeat バンコクのあるタイやビジネスをしているベトナムのメンバーと一緒にやるのも近い未来の目標です!

―アジアをまたいだマカナイメシ、楽しみです。

おうおう、スゴイのブチかますから取材に来てよ。目指せ世界の共通言語「マカナイメシ」

―――

「企業広告を創るのとか、もう大好き。だって未来を感じるでしょ」
マカナイメシや広告という仕事について語る濱口氏は、とにかく楽しくてたまらないといった様子。

広告は強い企業文化をつくることができる、広告会社は未来をよりよくするのをお手伝いしている、企業文化はその企業の「らしさ」であり「よりどころ」―だからこそ、Bigbeatの「らしさ」であるマカナイメシをこれからも大切にしていきたいのだ、という濱口氏の熱く暑い想いを感じさせられました。

大好きだからこそ、クチうるさいのも自覚している濱口氏。インタビュー中「もう次世代の仲間に任せてるから」と自分に言い聞かせるように何度も繰り返しました。

2023年3月15日、28回目の創立記念日に新卒採用のマカナイメシが開催されます。濱口氏は、一緒にやりたくてうずうずする気持ちと葛藤しながら、マカナイを担当する若者の奮闘と次世代リーダーたちが指導する姿を頼もしく眺めています。


最終回は、歴代社員が執筆した異例の書籍「裏DNA Book」の背景に迫ります。
参考:80ページのラブレター

(後編に続く)


「らしさ」で未来はグッとよくなる。というテーマで企業文化に着目して開催されたBigbeat初の自社イベントをまとめた濱口氏初の書籍。Amazonにて発売中
 

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