マーケティング 2021.03.26 視聴者を飽きさせないための「伝えたいこと」「伝え方」のコダワリ【B-VOCイベントレポート】
当社のオンラインイベント支援サービス「KODOU」。実際に本サービスを用いて、オンラインイベントを実施された担当者の方の声を通して、企画から運営までのプロセスやさまざまな体験談を紹介するウェビナー「B-VOC」。
今回は世界最先端のICT技術と、長年にわたり幅広い業界・業種における上質なソリューション提供で培ったノウハウで、絶大な信頼を誇る富士通株式会社より小松 清美 様 / 牧野 恵子 様にご登壇いただきました。オンラインイベントの実施経験がなかった、お二人が3つの大型オンラインイベントを成功に導くことで感じたオンラインイベントのポイントをご紹介いただきました。
左:富士通株式会社 JAPANビジネスグループ パートナー・プロモーション戦略推進統括部 プロモーション推進部 部長 小松 清美 様
右:富士通株式会社 JAPANビジネスグループ パートナー・プロモーション戦略推進統括部 プロモーション推進部 牧野 恵子 様
2020年3月コロナウィルス流行により、発令された緊急事態宣言で多くの企業のオフライン施策が中止になりました。小松様や牧野様も医療現場向けへの自社製品のユーザー会などの実施中止を決断。そうした状況の中でも、お客様と引き続きコミュニケーションを取るために、「オンラインイベントの実施」を検討していました。
小松氏:
「オンラインイベントを実施したことがなかったので、誰に相談しようかと思っていたのですが、展示会やユーザー会でお付き合いがあり、デジタルマーケティングに関する知見を共有していただいたビッグビートの白熊さん、中野さんに最終的に相談しました。」
今まで実施したことがないオンラインイベントの実施に向けて動き出した中でも、小松氏の根本の思いは今までと変わりませんでした。
小松氏:
「方法は変化しても、参加してもらった人に喜んで欲しい、感動して欲しい。こうした想いは変わることなく、オンラインイベントの実施に対しても臨むことができました。」
こうした想いを原動力に、結果として振り返れば3つの大型オンラインイベントを成功させてきました。
・7月:サービス紹介セミナー(1時間、約1000人が視聴)
3セッションの講演は事前収録のうえ、司会と質疑応答対応のみ当日ライブで配信
・10月:オンライン展示会(3日間、各3時間で実施。約700人が参加)
11のソリューションにつき10分ピッチで解説。すべてライブ配信
・11月:オンラインフォーラム(約5時間、延べ約770人が視聴)
セッションやトークライブほか、12コンテンツを実施。ライブ配信(一部Zoom登壇)を実施
このような大型のオンラインイベントを成功に導くためには、どのような点にこだわればいいのでしょうか。
本ウェビナーでは、「伝えたいことへのコダワリ」「伝え方へのコダワリ」の2つのコダワリを、ポイントとして紹介して頂きました。
会場に来て、場内で自由に参加してもらうことができるリアルイベントとは違い、オンラインイベントでは、いかにコンテンツで参加者=視聴者を引き付けられるかが肝になります。しかし、関係者が多くなると、多岐にわたるリクエストが発生し目的やコンテンツの中身がぶれてしまうこともあります。
小松氏:
「企画の際に、関係各所から様々なオファーがあると思いますが、顧客にちゃんと伝えて成果を得たいのであれば、曖昧な目的を設定しては絶対にダメです。顧客のニーズ、内部の方針、目標に沿った目的がブレてはいけないと思います。」
そして、同じように主催者を悩ますのが、「生配信」「アーカイブ」「擬似ライブ配信(収録した動画を配信日当日に流す手法)」などの配信手法です。多くの参加者に見て欲しいという想いを持ちながら、どの形式がよいか、様々な企業が試行錯誤をしています。そうした中、経験からくる主観に基づくとしながらも、小松氏は「生配信」での実施を推奨しました。
小松氏:
「過去の傾向としては、生配信形式の方が多くの方が見てくれる気がします。実際、配信後のアーカイブ配信を実施しましたが、生配信後の新規登録者はあまり増えませんでした。」
さらに、「講演者の熱量をより伝えられるのは収録より、生配信が適している」と感じたこともあり、生配信を多く選ぶようになったと言います。こうした目的や配信手法など、企画骨子の部分に時間を割くためにも、業務をアウトソースする必要性にも触れながら、「伝えたいことへのコダワリ」の最後に自分自身が企画を楽しむことの重要性を説きました。
小松氏:
「私も営業の部署にいるので、“売り“の観点は必ず持っていますが、それでもこの仕事につく人は参加してもらった人に楽しんでもらいたいという思いは必ず持っていますし、このイベントに来てよかったなと思ってもらえるようなイベント作りを意識しています。」
続いて、伝え方、「演出」へのコダワリについて話されました。
特にイベントを実施していく中で、考え方が変わったのが「ワチャワチャ感」へのコダワリです。当初は、司会進行などを台本通りにスムーズに行うことを意識していたが、出演者がプロの司会でもない中で、無理に綺麗な進行にこだわるよりも、多少ハプニングがあり、その映像を放送する方が“ライブ”感があって良いと言います。
例えば、講演者の操作ミスにより音声が届かない場面があり、ミスを解消するために現場のスタッフが画面に映り込んで講演者のPCを操作する場面がありました。こうしたハプニングも視聴者からは“ライブ“ならではの事象として、好意的な声が届いたことも、小松氏は「ワチャワチャ感」を肯定的に捉えるようになった理由と話しました。こうした「ワチャワチャ感」へのこだわりは、講演者である自社の社員にも伝えられました。
牧野氏:
「登壇するSEにも、小松から『綺麗に話そうとしなくてもいい、伝えようとする姿勢や思いがあれば大丈夫だから』と声をかけていたのは印象的でした。もちろん、自社社員が登壇者である場合は、プレゼンテーションを予め社内で確認し、フィードバックするなど準備を怠ることはありません。」
次に、オンラインイベント特有の意識したポイントとして、小松氏は“チャット”を挙げました。今回、配信で使用したKODOUにはチャット機能があり、そこに匿名で参加者が投稿できる仕組みになっています。このチャットの投稿量が、イベントの盛り上がりの一つのバロメーターとも言えます。実は小松氏、牧野氏は毎回イベントで、チャット欄に投稿されたQ&Aをピックアップするチャット係を設置していました。その意図を以下のように話しました。
小松氏:
「質問が寄せられた時に、コーナーごとに適切な質問を瞬時に選ぶ必要があるのですが、司会の方がその役割を両立させるのは厳しいと考え、チャット係を設置しました。」
さらに、このチャット係はイベント企画者が一度は経験すべきだと話しました。
小松氏:
「質問の選択の順番は盛り上がりを左右する重要なポイントです。顧客に伝えるために重要なポイントなので、自らが経験した方が良いです。一度、経験すれば自分の言葉で、担当者に伝えることができますから」
オンラインイベントを全く経験したことが無いままでも、参加者に楽しんでもらいたいという思いのもと、自らが率先して体験することでいち早く、オンラインイベントを成功に導いた小松氏と牧野氏。最後に、小松氏は「何かあれば自分がやる、これくらいの思いがあれば画面の向こうにも思いも伝わると思います」と締めくくりました。
今回は世界最先端のICT技術と、長年にわたり幅広い業界・業種における上質なソリューション提供で培ったノウハウで、絶大な信頼を誇る富士通株式会社より小松 清美 様 / 牧野 恵子 様にご登壇いただきました。オンラインイベントの実施経験がなかった、お二人が3つの大型オンラインイベントを成功に導くことで感じたオンラインイベントのポイントをご紹介いただきました。
はじめて挑んだオンラインイベント。そして、そこからの進化
左:富士通株式会社 JAPANビジネスグループ パートナー・プロモーション戦略推進統括部 プロモーション推進部 部長 小松 清美 様
右:富士通株式会社 JAPANビジネスグループ パートナー・プロモーション戦略推進統括部 プロモーション推進部 牧野 恵子 様
2020年3月コロナウィルス流行により、発令された緊急事態宣言で多くの企業のオフライン施策が中止になりました。小松様や牧野様も医療現場向けへの自社製品のユーザー会などの実施中止を決断。そうした状況の中でも、お客様と引き続きコミュニケーションを取るために、「オンラインイベントの実施」を検討していました。
小松氏:
「オンラインイベントを実施したことがなかったので、誰に相談しようかと思っていたのですが、展示会やユーザー会でお付き合いがあり、デジタルマーケティングに関する知見を共有していただいたビッグビートの白熊さん、中野さんに最終的に相談しました。」
今まで実施したことがないオンラインイベントの実施に向けて動き出した中でも、小松氏の根本の思いは今までと変わりませんでした。
小松氏:
「方法は変化しても、参加してもらった人に喜んで欲しい、感動して欲しい。こうした想いは変わることなく、オンラインイベントの実施に対しても臨むことができました。」
こうした想いを原動力に、結果として振り返れば3つの大型オンラインイベントを成功させてきました。
・7月:サービス紹介セミナー(1時間、約1000人が視聴)
3セッションの講演は事前収録のうえ、司会と質疑応答対応のみ当日ライブで配信
・10月:オンライン展示会(3日間、各3時間で実施。約700人が参加)
11のソリューションにつき10分ピッチで解説。すべてライブ配信
・11月:オンラインフォーラム(約5時間、延べ約770人が視聴)
セッションやトークライブほか、12コンテンツを実施。ライブ配信(一部Zoom登壇)を実施
このような大型のオンラインイベントを成功に導くためには、どのような点にこだわればいいのでしょうか。
本ウェビナーでは、「伝えたいことへのコダワリ」「伝え方へのコダワリ」の2つのコダワリを、ポイントとして紹介して頂きました。
「伝えたいこと」へのコダワリ
会場に来て、場内で自由に参加してもらうことができるリアルイベントとは違い、オンラインイベントでは、いかにコンテンツで参加者=視聴者を引き付けられるかが肝になります。しかし、関係者が多くなると、多岐にわたるリクエストが発生し目的やコンテンツの中身がぶれてしまうこともあります。
小松氏:
「企画の際に、関係各所から様々なオファーがあると思いますが、顧客にちゃんと伝えて成果を得たいのであれば、曖昧な目的を設定しては絶対にダメです。顧客のニーズ、内部の方針、目標に沿った目的がブレてはいけないと思います。」
そして、同じように主催者を悩ますのが、「生配信」「アーカイブ」「擬似ライブ配信(収録した動画を配信日当日に流す手法)」などの配信手法です。多くの参加者に見て欲しいという想いを持ちながら、どの形式がよいか、様々な企業が試行錯誤をしています。そうした中、経験からくる主観に基づくとしながらも、小松氏は「生配信」での実施を推奨しました。
小松氏:
「過去の傾向としては、生配信形式の方が多くの方が見てくれる気がします。実際、配信後のアーカイブ配信を実施しましたが、生配信後の新規登録者はあまり増えませんでした。」
さらに、「講演者の熱量をより伝えられるのは収録より、生配信が適している」と感じたこともあり、生配信を多く選ぶようになったと言います。こうした目的や配信手法など、企画骨子の部分に時間を割くためにも、業務をアウトソースする必要性にも触れながら、「伝えたいことへのコダワリ」の最後に自分自身が企画を楽しむことの重要性を説きました。
小松氏:
「私も営業の部署にいるので、“売り“の観点は必ず持っていますが、それでもこの仕事につく人は参加してもらった人に楽しんでもらいたいという思いは必ず持っていますし、このイベントに来てよかったなと思ってもらえるようなイベント作りを意識しています。」
「伝え方」へのコダワリ
続いて、伝え方、「演出」へのコダワリについて話されました。
特にイベントを実施していく中で、考え方が変わったのが「ワチャワチャ感」へのコダワリです。当初は、司会進行などを台本通りにスムーズに行うことを意識していたが、出演者がプロの司会でもない中で、無理に綺麗な進行にこだわるよりも、多少ハプニングがあり、その映像を放送する方が“ライブ”感があって良いと言います。
例えば、講演者の操作ミスにより音声が届かない場面があり、ミスを解消するために現場のスタッフが画面に映り込んで講演者のPCを操作する場面がありました。こうしたハプニングも視聴者からは“ライブ“ならではの事象として、好意的な声が届いたことも、小松氏は「ワチャワチャ感」を肯定的に捉えるようになった理由と話しました。こうした「ワチャワチャ感」へのこだわりは、講演者である自社の社員にも伝えられました。
牧野氏:
「登壇するSEにも、小松から『綺麗に話そうとしなくてもいい、伝えようとする姿勢や思いがあれば大丈夫だから』と声をかけていたのは印象的でした。もちろん、自社社員が登壇者である場合は、プレゼンテーションを予め社内で確認し、フィードバックするなど準備を怠ることはありません。」
次に、オンラインイベント特有の意識したポイントとして、小松氏は“チャット”を挙げました。今回、配信で使用したKODOUにはチャット機能があり、そこに匿名で参加者が投稿できる仕組みになっています。このチャットの投稿量が、イベントの盛り上がりの一つのバロメーターとも言えます。実は小松氏、牧野氏は毎回イベントで、チャット欄に投稿されたQ&Aをピックアップするチャット係を設置していました。その意図を以下のように話しました。
小松氏:
「質問が寄せられた時に、コーナーごとに適切な質問を瞬時に選ぶ必要があるのですが、司会の方がその役割を両立させるのは厳しいと考え、チャット係を設置しました。」
さらに、このチャット係はイベント企画者が一度は経験すべきだと話しました。
小松氏:
「質問の選択の順番は盛り上がりを左右する重要なポイントです。顧客に伝えるために重要なポイントなので、自らが経験した方が良いです。一度、経験すれば自分の言葉で、担当者に伝えることができますから」
オンラインイベントを全く経験したことが無いままでも、参加者に楽しんでもらいたいという思いのもと、自らが率先して体験することでいち早く、オンラインイベントを成功に導いた小松氏と牧野氏。最後に、小松氏は「何かあれば自分がやる、これくらいの思いがあれば画面の向こうにも思いも伝わると思います」と締めくくりました。
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