マーケティング 2021.04.28 視聴者の心が動き、熱量が伝わるオンラインイベントを実現する秘策とは?【B-VOCレポート】

当社のオンラインイベント支援サービス「KODOU」。実際に本サービスを用いて、オンラインイベントを実施されたご担当者の皆様の声を通して、企画から運営までのプロセスやさまざまな体験談を紹介しているウェビナー「B-VOC」

第4回にご登壇いただいたのは、SB C&S ICT事業本部 販売推進・技術本部 販売推進統括部 パートナー販売推進部の羽尾和弘様です。SB C&S様は、数多くのIT商品の製造・流通・販売を通じ、販売パートナーのビジネス拡大を促すソフトバンクグループの企業。しかし2020年はコロナ禍で、パートナー向けに予定していたオフラインのセミナー・イベントが開催できませんでした。オンラインイベントを開催したものの、機能や使い勝手で満足できるツールと出会えず、またオンラインは開催者側の熱量が伝わりにくくて面白みに欠けるという課題もあって、「視聴者がセミナー途中で飽きてしまうのでは」という思いが払拭できなかったそうです。


写真右:SB C&S ICT事業本部 販売推進・技術本部 販売推進統括部 パートナー販売推進部 羽尾和弘様

そんな羽尾様が、2020年11月、KODOUを活用して「仮想化ITインフラ最前線 2020秋」を開催されました。これまでの経験を踏まえ、「視聴者をいかに飽きさせず、次のビジネスにつながるアイディアを、熱量を持って伝えていくか」を考え、イベント設計・集客に当たったそうです。そのポイントを4つご紹介します。

 

秘訣その1:多くのオンラインイベントに参加し、参考にしたいイベントを見つける

コロナ禍において急増したオンラインイベント。オンラインイベントは、自宅やオフィスから簡単に参加できるというメリットがあります。そのため2020年の春が過ぎ、夏になるころには、視聴者も完全に“オンラインイベント慣れ“しているという事態になっていました。

そんな目の肥えた視聴者に対し、単純にオンラインイベントで動画を流す/ライブ配信するというだけでは、平面過ぎて面白みがなく、あっという間に飽きられてしまいます。それにツールによっては、画質が粗かったり、音声が聞き取りにくかったりと、安定してコンテンツを届けられないという課題があります。

こうした課題について、どういう演出なら面白いと思ってもらえるのか、どんなツールを選べばいいか、1人で考えていても解決できません。羽尾様は参考になるオンラインイベントを探すため、自分自身もさまざまなオンラインイベントに参加したそうです。そこで出会ったのが「Bigbeat LIVE 2020」でした。


Bigbeat LIVE 2020 day2 ダイジェスト映像

羽尾様が評価したのは、Bigbeat LIVEというイベント名のとおり、イベントの作り込み方がロックフェスのようだったこと。会場に行く=イベントにアクセスすると、好きなアーティストを選べる感覚で、参加するセッションを選べたことが印象的だったそうです。会場の笑い声や拍手など、盛り上げる演出があったこともポイントで、「こういう楽しいイベントを自社でも実施できたら」と考えました。
 

秘訣その2:プログラムは短く、内容は「ここでしか聞けない」ものを

オンラインイベントで、長尺コンテンツの作り込みは難しいと実感されていた羽尾様。プログラムは、司会進行も含めて全体が1時間に収まるように設計しました。短くすることで、途中離脱者を削減する狙いです。そのため講演内容も、90分を3つに分割し、「30分×3コンテンツ」という構成を採用。端的にメッセージを伝えることで、視聴者の集中力を途切れさせることなく、必要な内容がきちんと伝わるように工夫したそうです。

さらに視聴者を飽きさせないように、SB C&S様が独自で行った「企業IT投資におけるコロナの影響度調査」を講演に織り込みました。こうして、このセミナーでしか得られないデータを交えつつ、コロナ禍においてビジネス拡大に役立つヒントを提供するように心がけたとのことです。

 

秘訣その3:ターゲットを踏まえ、あえてメディアを使わずに集客

今回のイベントは、ターゲットがパートナー企業ということもあり、イベントの集客・告知ではあえてメディアを使いませんでした。告知に使ったチャネルは4つです。



このうち、最も効果があったのは、(1)と(2)だったそうです。理由として、イベントのテーマが「HCI(Hyper-Converged Infrastructure)による仮想化ITインフラ」と明確であり、この分野を扱うパートナー企業をターゲットにしたものだったこと。SB C&S様は、そもそもが「販売パートナーと共に企業課題を解決するITディストリビューター」であるため、営業担当者がパートナー企業や顧客企業に寄り添い、適切な情報提供や丁寧な説明をするという企業風土があります。今回は、このイベントテーマに興味・関心が高いと思われる担当者の方に直接ご案内したことが、良い結果につながったと考えられます。

また、メルマガではイベント開催ギリギリまで告知を続けました。オンラインイベントなので、残席という概念がないので、当日の駆け込み申し込みでも受け付けられるキャパがあるからです。この点について羽尾様は、イベント直前でも気にせずに告知メールをバンバン打っていたといいます。早期に申し込んだ方が、当日欠席することも珍しくないとのことで、ギリギリまで告知するのがポイントです。

秘訣その4:講演者やスタッフと場を盛り上げる

講演動画は、ビッグビートの社内スタジオで制作されました。講演者の方にスタジオに来ていただき、専門スタッフが撮影に当たることで、いい意味での緊張感が生まれたそうです。そして自宅で音声ボリュームを気にしながら講演するよりも、思い切りプレゼンできるため、講演者の熱量も上がりました。

とはいえ、緊張状態下にある講演を撮影するのですから、講演者のケアも必要です。羽尾様も「発表後のフィードバックは大切です」と話します。実際に講演者の方からは、話している最中にも「これで大丈夫ですか」と何度も確認が入りました。資料に目を通しながら話すと、視線は下向きになりがちですし、声の大きさ・声質によって視聴者の聞き取り具合も変わってくるので、適切にフィードバックを入れることで、より視聴者を惹きつける講演動画が制作できます。

羽尾様は、スタッフ一丸となって「イベントを成功させるんだ」という意気込みを共有したことも、良い成果につながったと振り返っています。またスタジオ撮影だったので、背景が統一され、画面の奥行きが出たことも、飽きさせない画面作りにつながりました。



飽きさせないオンラインイベントを実現するには、ほかのオンラインイベントのいいところや優れたツールを取り入れつつ、コンテンツ内容での独自性と視聴時間・プログラム設計にこだわり、講演者を盛り上げる工夫を実行することが大切なようです。SB C&S様は今後の挑戦として、チャット機能を利用して講演と並行しながら補足や注釈を適宜入れ、視聴者の理解や関心をさらに深める充実した内容にしていきたいとのこと。今後のセミナー・イベントの開催がますます楽しみです。
 
オンラインイベント実践者が企画の意図や実施の裏側を余すことなく語り尽くす“B-VOC”。皆様のオンラインイベントの企画の参考として、本記事以外のイベントレポートもぜひご覧ください。

CSカレッジ 丸田様:約1100名を集めた大型イベントの企画・実行におけるポイントとは?

富士通株式会社 小松様/牧野様:視聴者を飽きさせないための「伝えたいこと」「伝え方」のコダワリ

株式会社マネーフォワード 吉田様:「自社だから提供できるコンテンツ」をどう作る?どう考える?

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