マーケティング 2024.07.29 タイ展示会"Manufacturing Expo 2024"から見る、海外進出の今

Sawadikap(サワディカップ)、ASEAN推進営業部のパインです!

前回の記事ではマレーシアのAsia Waterをご紹介しましたが、
今回はタイで開催された展示会「Manufacturing Expo 2024」のご紹介します!
毎年多数の日系企業が出展する本展示会から見る、日系企業の海外進出の現状とは...。
 

盛り上がるタイ製造業のDX

東南アジア最大級の製造業の展示会「Manufacturing Expo 2024」が6月19日から22日の日程で、タイ・バンコク東郊のイベント施設BITECで開催されました。

30カ国以上から2000ブランドが集結した本展示会は、アジア地域における製造業の最新技術とトレンドを紹介する場として、のべ9万人以上の来場者を記録し、大盛況のうちに幕を閉じました。特に注目を集めたのは、自動化や省力化、効率化をキーワードとしたデジタルトランスフォーメーション(DX)の展示でした。
 
 

タイではデジタル化への取り組みが活発化しており、タイの主要産業である製造業はデジタル化への取り組みが特に熱心な業界です。そのため、日系IT企業も様々なITソリューションを提案しています。

例えば、ある日系スタートアップ企業の現地法人では、膨大な図面をデータベース化し、クラウド検索を可能とする製品を出展しました。

このシステムは、紙ベースやスキャンデータとして保管されている図面情報をAIを用いて形状解析し、データベース化するものです。これにより、図面情報の検索が容易になり、過去の取引を迅速に把握できるようになります。

同社は、2022年4月にベトナムに進出し、同年末にはタイにも現地法人を設立するなど、積極的に海外展開を進めています。今回の展示会では、ASEAN事業担当者がブースを来訪者の方の熱量に驚き、「タイにDXのニーズがあると実感し、来場者の反応が予想以上だった」と話しました。さらに、用意した名刺が初日でなくなるほどの盛況ぶりで、日系企業だけでなく、タイローカル企業の経営者たちも熱心にデモ画面を見ていたことが印象的だったと述べていました。

他にも、集計データ可視化ソフトウェアを提供する日系IT企業では、現地のDXやデジタル化が進んでいることに驚いたと話をしました。「ローカル企業も含めたタイ企業の関心は、もはやデータの管理にとどまらず、どう活用していくかに移っている」と分析し、「そのための提案とその力が我々に求められている」とも語りました。

 

海外へ進出する時代が続く

「Manufacturing Expo 2024」は、タイの製造業界におけるDX化のニーズを強く感じさせるイベントとなりました。
こうしたニーズ・機会を逃さまいと、各国、現地ローカル含めて、IT企業が会場内で積極的に情報を発信していました。

そして、本展示会では昨年に引き続き、Bigbeat Bangkok Co., Ltd.が運営するメディア「ICHI media」のパビリオンも出展しました。


Manufacturing Expo 2024のICHI media パビリオンの様子

「ICHI media」はタイのビジネスパーソンに向けて、日系のITソリューションを紹介するメディアとして2021年からスタート。現在も最新のIT、DX情報や日系IT企業の情報を配信しています。

当時、タイでは国策であらゆる産業のDXを推進し、さらにコロナ禍をきっかけにDXのニーズが急拡大している状況。こうした需要の拡大に対して、日系IT企業が波に乗れていない、チャンスがあることが知られていない機会損失が起きていました。こうしたギャップを埋めるために、ICHI mediaはタイのビジネスパーソンに対して日系IT企業やソリューションを紹介してきました。

しかし、当時はタイ進出を目指している日系IT企業の数は決して多くありませんでした。コロナ禍真っ只中ということもありましたが、海外進出の意向を伺っても「海外進出」のアイデアが頭の片隅にあっても、どこか遠い存在として認識されていたように思います。

では、今後も海外進出は遠い存在のままとなるのでしょうか。私はそうは思いません。

今回の展示会や他の展示会でも、日系IT企業の出展数はこれまでより増えており、海外進出する企業が徐々に増えている印象を受けます。こうした海外進出に取り組む企業で研鑽を積んだメンバーが他の日系スタートアップ企業や地方企業でも活躍することで、「海外進出」というアイデアが一般化していくのはないでしょうか。

現在、オリンピックが開催されていますが、スポーツの分野で日本人選手が海外に挑戦することも、今ではそれほど珍しい話ではなくなったように、ビジネスの世界でも同じような景色が広がっていくと思います。

私自身もそのような未来を見たいですし、そういった社会の中で役に立てる自分でありたいと思っています。
 
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