ニシタイ 西葛西駅前タイムズ

BigbeatLIVE 2025.06.27 職業人生は決して、単調な一本道ではない!~谷口さんが考える「キャリア」とは?~

2025年8月1日に開催される「Bigbeat LIVE 2025」。
今回ご紹介するのは、2つ目のセッション「コミュニティに関わったら、仕事も人生も動き出した。~遠くへ行きたければみんなで行け、の実践術~」にご登壇いただく谷口 ちささんです。

谷口さんのこれまでのキャリアにおける舵取りはまさに、「仕事」と「人生」の両軸で新たな未来を切り開くことを体現されていらっしゃる実践者です。

谷口さんのnoteのブログを読んでいて、谷口さんにはぜひご自身の言葉で自己紹介をいただきたい!という編集部の思いから、急遽寄稿を依頼をさせていただきました!
すると、なんと1日も経たないうちに、谷口さんらしさ満載の、まさに我々がBigbeat LIVEで来場者に伝えたかったメッセージを代弁していただいた原稿を届けていただきました。

Bigbeat LIVEのテーマにも通じる、谷口さん「らしさ」の詰まった熱いメッセージを、ぜひご覧ください。

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こんにちは、谷口 ちさ と申します。

高知大学では学部に所属しない教員として、キャリア開発や越境学習の分野を担当しています。
これまで会社員やフリーランスとして経験を積み、その間に大学院で博士号を取得しました。
キャリア開発に関わる者として、今年のBigbeat LIVEのスローガン「らしさで未来はグッとよくなる。」を、今まさに自らの行動で体現する日々を送っています。


『人生100年時代』というフレーズは、日本社会にすっかり定着しました。働く人の視点から見れば、これは人々が50年以上働く時代を意味します。

苦手な仕事、嫌な仕事を50年以上も続けられる人は、そうはいないと思います。この長い期間を健やかに過ごすためには、常に自分の価値観に問いかけ、その価値観と地続きの仕事や働き方を自ら探求する能力が必要です。
私はフリーランス時代の経験をきっかけに、そう思うようになりました。

私は39歳で会社員を辞めました。

会社に対する愚痴ばかりの自分、それが間違いでもないように感じる自分、しかしこのままでは良くないとも思う自分。これらの葛藤にさいなまれ、モヤりにモヤった結果でした。
フリーランスとしてどんな仕事をするのか、具体的な計画もなく、不安しかありませんでした。
しかし、今のままでは転職しても再び文句ばかり言っている、同じことを繰り返している自分の姿が目に浮かぶのです。

「何か」を変えなければならないと強く感じました。


1社目最後の仕事、合宿研修(2013年)


2社目、スーツでシンガポール出張…暑い(2014年)


3社目はたくさんの援農体験をさせてもらいました。
グレートジャーニーや「カレーライスを一から作る」の関野吉晴さんと(2016年)


フリーランス初期の頃は、本当に仕事がありませんでした。焦っても仕方ないと思い、会社員としては参加しづらい長期宿泊型のリトリートや断食プログラム等に参加しました。
これにより、自分を見つめ直し、心を整える基盤を築くことができました。


幸いにも、SNSを通じてゆるくつながる知人から、少しずつ仕事をいただけるようになりました。いわゆる『弱い紐帯の強み』です。
しかし当時はまだ仕事を失うことに対する恐れがあったため、依頼された仕事は何でも引き受けていました。


その中で、「気分が乗らない仕事」は思いのほか時間がかかり、進捗が遅いことに気がつきました。
また、自分が知覚する苦労に見合う大きな報酬を得られるわけでもありません。働くとは何か、そして私は何のためにフリーランスになったのか。
自問自答の結果、得意でもない、気分も乗らない仕事に貴重な人生の時間を費やすことはリスクだと気づきました。

そこで私は人生の舵を大きく切り、「好きなことやワクワクすることだけをする覚悟」を決めました。
私が苦手なことを得意とする人は必ずいるので、私が無理をする必要はありません。
その代わりに、自分がコミットした仕事に伴う苦手や困難には、真摯に向き合い、全力で乗り越えることに決めたのです。


メキシコ・テポストランのリトリートで語る私(2023年)


手放すと欲しいものが手に入る、というのは本当でした。

「大学教員をやってみたい」と口にしていたら、大学院のゼミ仲間の紹介で非常勤講師の機会を得ることができました。
初年度はコツを掴めず苦労しましたが、コロナ禍で状況が一変しました。
同じ授業を担当する講師全員で1つのオンライン授業を作り上げる中で、他の先生方の教え方を学ぶことができ、授業の幅が広がり、自分の授業にも自信が持てるようになりました。

その他の仕事も、研究や研究知見に基づくものに特化することに決めました。
依頼の数は多くはありませんが、未経験の分析手法を試すことができたり、専門外のテーマに関わることで知識の幅を広げることができたりと、日常では得難い機会に恵まれました。

自分が興味のある非常勤講師や研究の仕事に集中したことが、結果として現在の仕事に直接的につながっています。

これは、フリーランスになると決めた当初には予想もできなかった未来でした。


フリーランスになったとき、「何をするか」については無計画でしたが、「どんな自分でありたいか」には忠実でいるように意識しました。
だからこそ、「今ここ」の自分に向き合い、選択を重ねることができました。
これがクランボルツ博士の提唱した『計画された偶発性(プランドハプンスタンス)』なのではないかと思います。


では私にとって、大学教員という仕事がゴールなのかと問われれば、わからないと答えます。
生きていく中で何かが違うと感じれば辞めるでしょうし、もっと魅力的な選択肢に出会えばそちらを選ぶでしょう。
私はまだ人生のプロセスの途中なのだから、私の未来は私にも、他の誰にもわかりません。

『キャリア』は仕事の文脈だけでなく、仕事を含む人生全体を指す言葉へと進化しています。

キャリアは決して、単調な一本道ではありません。

私はフリーランス時代の経験から、誰かが整えたレールの上を、誰かが決めたスピードで走る人生から離脱しました。

私のように突然会社を辞めることはお勧めしませんが、自分のワクワクやモヤモヤを見つめ直し、
人生という船の舵を自分自身で握ることができているか、ときどき確認することはお勧めします。


左側の整えられた道ではなく、右側のラフな道を歩く(2019年撮影)

さてみなさんは、誰と一緒に船に乗って、どんな場所を目指したいですか。8月1日が、皆さんのワクワクを刺激する特別な日となることを願っています。

(文・谷口ちささん)

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谷口さんとともに本セッションを盛り上げてくださる
ホストの小島英揮さんの記事はこちらから

▶▶▶ パラレルマーケター小島さんの野望~コミュニティマーケティングとマーケターのキャリアパス、それぞれの「あたりまえ」とは?~

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