地域 2026.10.29 展示会で生ビール、日曜日は街が止まる。入社3年目が現地で体感した、ドイツの超メリハリ文化
先日、ドイツ・ミュンヘンで開催された展示会のサポートで、1週間のドイツ出張に行ってきました!きっかけは、お客様からの「柳舘さん、ドイツもお願いできる?」の一言。
「はい!できます!!」と、ニョクマム片浦さん※の顔を脳裏に浮かべながら、2つ返事でお答えし、私の初の欧州出張が決まりました。
※ニョクマム片浦さんとは?ASEAN推進営業部の切り込み隊長。詳細はこちらの記事をご参照
あれ、誰もQRスキャンしてない…?ドイツの展示会で感じた「最初の違和感」
まず、設営前日に会場へ入った時の最初の印象は、「日本の展示会とあんまり変わらない……?」でした。
ただ、会期前日の午後にも関わらず完成していないブースがたくさん。大丈夫なのかと不安になりましたが、いざ会期当日を迎えると完璧で素敵なブースが立ち上がっていました。
「やっぱりドイツ人は日本人に似て(?)真面目できちんとしているな、でもこれだと社内に共有できるネタがないかも……?」
——そんな心配は会期が始まると見事に裏切られることになります。
最大の違和感は、誰もQRコードのスキャンや呼び込みをしていないことです。
日本の展示会といえば、コンパニオンさんがノベルティを配り、来場者が首から下げているバッジのQRコードを読み込んで「リード数○件!」を目標にする、というスタイルが当たり前の光景です。もちろん日本でも数だけを追っているわけではありませんが、QRスキャンを一切しない出展はほぼないと思います。
ところが、ドイツではスキャンや呼び込みをしている姿はゼロ。
ノベルティは自由に取れるように置かれていて、ただひたすらにポップコーンを配っているブースもありました。「ノベルティを渡す代わりにリードをもらう」という流れは、まったく見当たりません。
「じゃあ名刺交換でリードを取るのか?」
と思いきや、海外ではビジネスカードがそもそも主流ではなく、持っていない方がほとんどでした。


なんと警備員もポップコーン食べちゃう(笑)
QRコードのスキャンも名刺交換せずにどうやって来場者の情報を得ているのだろう、と不思議でしたが、通訳の方に話を聞いて、ようやく謎が解けました。
日本の展示会は「新規リード獲得の場」になることが多いですが、ドイツでは、展示会を「商談の場」として設計することが多いのだそうです。
<日本とドイツにおける、展示会の目的の違い>
・日本:事前集客を積極的に行い、たくさんの人にブースに来訪してもらう
・ドイツ:本当に来てほしい人に絞って招待し、会場では具体的な話、時には契約の話まで進める
また、主催事務局のサービスにも違いがあります。
出展企業が「来てほしい企業リスト」を事務局に渡すと、事務局がフォローコール(ターゲットに対して来場促進のアプローチ)をしてくれることもあるそうです。通訳の方も、リストにあがった日本企業へのフォローコールを事務局から依頼されたこともあるそうで、出展の目的に寄り添う事務局の姿勢に感嘆しました。
また、会期当日に主催者事務局が来年度の小間を大々的に売り込む様子もなく、力を入れているのは出展企業と来場者のマッチングという印象でした。
その結果、会場は役職層の来場者が多く、ガヤガヤしていないスマートな雰囲気。
そして、そんな「商談前提」の展示会だからこそ、ブースの造りも日本とは大きく違いました。
一番の違いは、商談スペースがとにかく広いことです。パスコード付きの個別ミーティングルームを複数設けている企業が多数見受けられました。
これも日本ではなかなか見ない光景で、とても興味深かったです。


このカーテンの中はすべて商談スペース
ブースの中に生ビールと個室!?ドイツ流「本気の商談スタイル」
そして今回のブース造作で一番驚いたのが……
「ブースの中に、キッチンとバーカウンターがある!!??」
個室をこっそり(本当ににこっそりと……)のぞいてみると、日本ではありえない光景が。
なんと、ミーティングルームの中でお酒を飲みながら商談していたのです!
さらにはキッチンで温めた軽食と、バーカウンターで注がれたビールが運ばれていきました。缶ではありません。サーバーから注がれた泡まで完璧な黄金比の生ビールです!
ブースから出てくるみなさんの表情は、かなり和やか。きっと商談はうまくいったのでしょう(想像です笑)。


衝撃!ブースのなかにビールサーバーが……


まるで日本の居酒屋のバックヤードのようにブース裏に堂々とおかれるビールケース
「商談は真剣に、でも話しやすい空間はカジュアルに」
リードの数ではなく、本当に会いたい人と、じっくり話せる空間をつくることに全力。
そのためのブース設計なんだなと、ビール(私は飲んでません、お仕事中です)と商談終わりの姿を見て、腑に落ちました。
日曜日は街全体が完全ストップ!「超・メリハリ文化」
ドイツに着いて、もう一つ驚いたのが日曜日です。
お店が本当にどこも営業していません。観光地ですらクローズ。スーパーも休み。
ドイツには「日曜日は休む」ことを定めた法律があり、小売店や飲食店は、特例を除いて基本お休みなんだそうです。
(働いたら罰金のような話も……)


日曜日休みのスーパー、平日も20時までの営業(日本ではあまり見ない光景)
展示会の施工会社の方や、レストランで知り合ったドイツ人に話を聞くと、
「土日は家族の時間。残業も基本しないよ。働く時間と家族の時間は、きっぱり分けるんだ」とのこと。
展示会の施工会社や事務局とやり取りしていても、この「メリハリ」を感じる場面がありました。
たとえば、申請が1日遅れたら追加費用。「もうちょっとこうしてほしい」という要望にも、追加費用が発生します。
日本だと「お客様のために!」と対応してくれる場面も多いように思います。
そこはやっぱり日本人として誇らしい、評価される部分だと思う一方で……気になって調べてみると、こんな数字が出てきました。
・2023年にGDPで日本はドイツに抜かれた
・就業1時間あたりの労働生産性は、日本52.3ドルに対してドイツ87.2ドル。約1.7倍の開き※
※出典:労働生産性の国際比較2023 ~日本の時間当たり労働生産性は52.3ドル(5,099円)でOECD加盟38カ国中30位~
公益財団法人 日本生産性本部
https://www.jpc-net.jp/research/detail/006714.html (2026年10月29日閲覧)
もちろん理由はたくさんあって、どちらが良い悪いという話ではありません。ただ、「目的を絞って、時間内で成果を出す」というドイツ流と、「お客様のために、できることはできる限りやる」という日本流の違いは、仕事の進め方にも、働くスタンスにも表れているのかもしれません。
本場のオクトーバーフェストを体験!実は彼らも来てました
展示会を現場を終えて、土曜日がちょうどオクトーバーフェストの初日だったため、ドイツ出張の思い出として、本場のオクトーバーフェストを満喫させていただきました。
飲み物は基本、1リットルのビール一択。
ビールメーカーごとに独自の大型テントを立てており、テントの中で飲めるのは各メーカーのビール1種類のみ。
(それは他社に負けてたまるかと豪華なテントを建てるよなと、どこも気合のはいったビアテントだらけでした!)
そしてビールもやっぱりおいしい。
「飲みきれないかも…」と思っていたのに、恐ろしいことにスイスイ飲んでいました。笑
話を聞くと、地元企業が社員のために席を予約して、午後半休でみんなでビール、なんてことや、お客様との懇親の場として、企業がスペースを確保することもあるそうです。
ただのお祭り騒ぎではなく、ビジネスの場でもあるドイツのオクトーバーフェスト。展示会に続いて、ここでもビジネスにビールが登場。さすがビール大国です。


とんでもない量のビールを両手で運ぶスタッフの方(男性だけでなく、女性も力持ち!)


そして、今回のもう一つのトピック。実は、同期3名も一緒にドイツへ来ていました!
私のドイツ出張に便乗して(!?)「僕たちもドイツに行きたい!」と大滝社長へ直談判した3人。同期4人全員が年間目標を達成できたこともあり、なんとか大滝社長からOKをもぎ取り、無事に同期ドイツ旅が実現しました(こんなことを直談判して認められるなんてすごい会社……)。
同期4人で、食べて、飲んで、そして普段は互いにあまり口にしない、仕事に関する話にも花が咲きました。
「ドイツにエアコンがほとんどないことを初めて知った、ここに日本企業の市場開拓の大きなチャンスが眠っているはず!?」1リットルのビールを片手に、そんな話で大盛り上がり。
入社後の新人研修以来、こんなに長く同期と一緒にいたのは初めてで、当時と比べると仕事について話す内容も変わっていて、ちょっと不思議な感覚でした。
一人出張では気づけなかったこと、体験できなかったことがたくさんあり、同期には本当に感謝です。
ちなみに、無事に喧嘩せず帰ってこられました。(何度か危ないタイミングはありましたが笑)


同期4人でハイチーズ!貴重な写真(笑)
※椅子に立ってお行儀悪く申し訳ございません!現地ミュンヘンのオクトーバーフェストでは、ビールテント内のベンチ(長椅子)の上に立って歌うのが伝統的なスタイルです(テーブルの上に立つのは禁止されています)。


ドイツといえば「BMW」。最新の車から、長いブランドの歴史が詰まったBMWミュージアムにも行ってきました!


FCバイエルン・ミュンヘンのホームスタジオで、7-0の快勝試合も見れました!とんでもない盛り上がり!


サッカー大好き同期憧れの「アリアンツアレーナ」前で記念写真。
テンションが上がりユニフォームなどグッズをたくさん買いましたが、あとから日本円換算をしてびっくり…笑
「商談は真剣に、でも空間はカジュアルに」— ドイツで学んだ目的意識の重要性
国によって、ビジネスの特徴や文化はさまざまです。今回のドイツ出張で、私が一番強く感じたのは、
「何のためにやるのか」という目的を押さえて、そこにエネルギーを使うことの大切さです。
何のために展示会に出るのか、何のために一生懸命働くのか——私もオクトーバーフェストのようなハッピーな時間を全力で楽しめるように、メリハリと目的を強く意識して、仕事でパワーを発揮していきたいなと思います。
今回の出張での発見、感じたことをこれからの日々の仕事や生活に活かしながら、また別の国のビジネスにも触れてみたいです。
世の中まだまだ知らないことだらけ、未来へのワクワクが止まらない刺激だらけの初ドイツ出張となりました!
最後までお読みいただきありがとうございました。
ダンケシェーン!
執筆:柳舘
関連記事:
自分の五感で味わう「おそと」の醍醐味(アメリカイベント視察レポート)
https://nishitai.bigbeat.co.jp/detail/0000001543
ビックリビート!アジア最大級の産業オートメーション展示会 in ムンバイ(インドイベントレポート)
https://nishitai.bigbeat.co.jp/detail/0000001445








