マーケティング 2021.03.04 「ノウハウも挑戦も悩みも交わえる場を」ー “オンラインイベント”を考えるイベントを企画した理由

2020年4月の緊急事態宣言以降、オフラインイベントは延期・中止を余儀なくされ、各社がオンラインへの移行を強いられた。それから約1年が経過し、オンラインイベントにも少しずつ慣れてきた一方で、次の一手や課題解決の方法が見出せずに悩むイベント担当者やマーケターからの相談も増えてきた。
このタイミングで企画されたのが、オンラインイベント『Play Now !』だ。登壇者や参加者がこれまで得たオンラインイベントの知見やノウハウを集結させ、これからのイベントのあり方を語り尽くす一日となる。
今回は、イベントの変化を最前線で追い続けているアカウントチームの瀬川と、『Play Now !』企画担当の小笠原に話を聞いた。
 
 

きっかけは、イベント担当者やマーケターが抱える悩みから

――今回のオンラインイベント『Play Now !』のきっかけは?


 
小笠原:
お客様をサポートしていく中で、イベントに関わる方の多くが、オンラインイベントについて何かしらの悩みを抱え込んでいることを知りました。ところが、企業をまたいでノウハウを共有したり、葛藤を交わし合うような機会はなかなかありません。
 
そこで、悩めるイベント担当者やマーケターが集まって、オンラインイベントに関する気づきや挑戦を共有し、自社イベントの次の一歩のきっかけとなる場をつくりたい。そうした思いから『Play Now !』を企画をしました。
 
――この一年で、イベントの現場ではどのような変化があった?
 
瀬川:
2020年の2月頃から新型コロナウイルスの影響で、オフラインを予定していた展示会やカンファレンスイベントが相次いで中止となりました。その際に、「オフラインのように熱量のあるFace to Faceのコミュニケーションを、果たしてオンラインできるのか」という疑問から、オンライン開催自体を見送る会社も少なくありませんでした。4月頃までは、他社のイベント活動を様子見する企業が多かったですね。
 
5月に入ると、そろそろ「自分たちもオンラインでやってみよう」とZOOMやWebexなどのWebinarツールを試し「意外とやれる!」という感覚がもててきた企業が増えはじめます。9月以降は、本格的なオンラインイベントが充実してきました。
 
――オンラインイベントを開催されてからのお客様からの反応は?
 
瀬川:
「何か新しい知見はないのか。違うやり方はないのか」という声が共通して届きました。「課題は見えてきたが、次にどうすればいいのかの正解がわからない」というのが、多くのイベント担当者の実感だと思います。 

 

心を動かし、共感や熱量をうむイベントの「ストーリー設計」とは

――そもそも理想的なイベントとは、お二人にとってどのようなもの?
 
小笠原:
「主催者と参加者のお互いの思いと思いが混ざり合い、その熱量が新たなエネルギーとなる場」でしょうか。
 
瀬川:
イベントの楽しさって、「サプライズパーティ」のようなもので、誰かを喜ばせたいと思って企画をすると相手も喜ぶし、喜ばせた本人もめちゃくちゃ楽しい。これがイベントのあるべき姿でしょうし、マーケティングの根本もここにあると思っています。オンラインイベントも誕生日会も、まず相手が決まり、相手の好みなどを知ってはじめて、相手を喜ばせたり要望にこたえるやり方がわかってくる点で同じです。
 
――今回の「Play Now !」では、オンラインイベントをより良くするために5つのセッションが設定されています。それぞれどのような意図があるのでしょうか。
 
小笠原:
午前の2つのセッションはどんなオンラインイベントでも考えたいポイントで、心を動かすイベントづくりに欠かせない「ストーリー設計」と、イベントでの「顧客体験とデータ活用」の最前線に迫ります。
午後は「オンライン展示会」と「コンテンツづくり」に特にスポットを当てた2つのセッションを経て、最後はオンライン・オフライン・ハイブリッドを含めた「イベントの未来」のあり方を徹底討論します。
 
――瀬川さんが担当している最初のセッション(心を動かすストーリー設計とは?)について詳しく教えてください。
 
瀬川:
弊社では、タグラインに「ビジネスに物語を」とあるように、どんな企画においても「ストーリー」を大切にしています。
 
イベントにおいても、経営の言いたいことや伝えたいことをマーケティングが理解してイベントにデザインすることが重要で、ウイングアーク1stさんの『updataNOW 20』は、15,000人を超える登録者数、20,000を超えるセッションの視聴回数という記録にも裏打ちされているように、みんなが興味をもつ、期待値をもたせるようなコンテンツ設計が徹底されていました。
 


――具体的には?
 
瀬川:
オフラインでは、箱の数やキャパシティからコンテンツの制限がかかりますが、オンラインでは制限がない。そこを逆手にとって、オフラインでは実施できないようなニッチなコンテンツをテストをしたり、その反応を視聴データやアーカイブ情報から評価できるような設計をされていました。アーカイブ配信で想像以上の視聴回数を記録したニッチコンテンツもあったようです。
 
こうしたイベントが実現できた背景には、ウイングアーク1stさんが3年前からつくられていたイベントの今後のあり方についてのストーリーがありました。経営などと同じく、ストーリーがあるからこそ、ブレずに多くの共感や熱量をうむイベントが生み出せる。このセッションは、『updataNOW 20』がどのようなストーリーに基づいてコンテンツ設計をされたかを掘りさげたいと考えています。
 
 ――心を動かす根本の「ストーリー設計」に迫るセッションになりそうですね。
  
瀬川:
登壇者の松久さんは、『updataNOW 20』の開催が迫る8月の『Bigbeat LIVE 2020』にも登壇くださっていてます。実際にイベントを実施されての手応えをうかがえるのが楽しみです。40分のセッションで語り尽くせなければ、番外編もやってみたいですね。

 

このイベントの挑戦が、新たなオンラインの一歩となることを目指して

―『Play Now !』には他にどのような特徴が?
 
小笠原:
『Play Now !』では5つのセッションを行う「ライブスクエア」以外に、共感や熱量を共有できる場を3つ用意しています。


 
1つ目は、セッションだけでは伝えきれないノウハウ・ヒントや、ビッグビートが体当たりで実践・調査したコンテンツを、動画にまとめてご紹介する、「サイドプラザ」です。サクッと見られる動画にまとめているので、休憩時間・スキマ時間などでもご視聴いただけます。
 
​​2つ目は、「アイデアスタジオ」という場所で、弊社とともにイベントのサポートを行うパートナーの皆様が集まり、イベントに役立つTips・アイデアを持ち寄りました!意外と見落としがちなポイントから、知らなかったサービスまで、幅広く情報をご用意しています。

そして3つ目は、「プレイラウンジ」というところで、12:00~と16:00~の「みんなでゆるトーク!」の会場となる場所です。
​​講演者や参加者、パートナーの皆様が直接対話できるオンライン上の仮想空間で、質問・雑談から趣味の話まで、気軽にご参加いただいて、思い思いに語り合っていただきたいと考えています。
 
――このイベントの設計や試み自体が、新たなオンラインイベントの次の一歩になりそうです。
 
瀬川:
イベントがオンライン化するにつれて、企業の文化やストーリー、経営のメッセージを企画する側が理解し、デザインすることがよりいっそう重要になってきました。
オフラインイベントであれば、伝えたいストーリーをイベント会場の空間、装飾など五感で伝え来場者にその体験価値を与えることが可能です。しかしオンラインは、PCやモバイルデバイスの画面と聴覚が中心になるので、ストーリーの伝え方が全く変わってきます。ストーリーが弱ければイベントのメッセージの伝わり方も弱くなるわけで、その意味で、オンライン化によってイベントにストーリーの質がますます求められるようになってきました。
 
『Play Now !』を通じて、ノウハウやTipsだけでなく、オンラインイベントを様々な視点でとらえることで、経営やイベントのストーリーを問い直すきっかけにもなればと考えています。
 
小笠原:
弊社代表の濱口は、昨年末の『BACKSTAGE 2020』で「”リードを刈り取るではなくリードが集まる場をつくる”ことがこれからのテーマになり、それは進化にも深堀にもなる」と語っています。イベントは、参加者がワクワクしながら自発的に集ってこそ、熱量や共感が生まれるもの。
 
この『Play Now !』も、誰かが一方的に成功体験を発信するのではなく、葛藤や挑戦、うまくいかなかったことも含めて、そこに集うみなさんと対話する場となり、参加者のみなさんにとって、自分たちのイベントをアップデートして、次のチャレンジに向かう機会となれば嬉しいです!




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