地域 2020.12.01 オフィス分散の先駆者に聞く!企業文化を醸成するための工夫

新型コロナウイルスの影響でリモートワークやオンライン会議など、今までとは異なる働き方が迫られる中、株式会社コムニコでは2017年12月に高知オフィス「ソーシャルメディアマネジメントセンター高知」を2名で立ち上げ、3年足らずで20名以上の規模にまで拡大してきました。なぜ、高知県を選んだのか? 急速な規模拡大の中で、東京本社との連携や社内の企業文化をどのように共有してきたのか? 高知オフィス設立のメンバーのお一人である神部公佑さんにお話を聞きました。




 
●神部公佑さんプロフィール

2016年4月株式会社コムニコ入社。入社2年目に「ソーシャルメディアマネジメントセンター高知」(高知オフィス)のリーダーに抜擢、立ち上げに携わる。東京本社との相互コミュニケーション改善のために、オフィス間交流制度「コムニコーカン留学」を提案するなど、働き方の可能性を拡張しつづけてきた。2020年10月からはSNSマーケティングラボに所属し、新たな事業・サービス開発をはじめている。


 

お互いを知り、カルチャーを共有する「M.R.P.」制度

――まず御社の事業内容についてお知らせください。

神部さん:
SNSマーケティングの専門エージェンシーとして、企業のSNSアカウント開設、戦略策定に加えて、投稿、キャンペーン、広告などの運用支援、レポート作成から効果検証まで一気通貫で行っています。

また、SNSの投稿管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」や SNSキャンペーンツール「ATELU(アテル)」などの自社開発ツールも提供しています。

――「ソーシャルメディアマネジメントセンター高知」(高知オフィス)はどのような機能を?

神部さん:
主に広告運用やレポート作成、監視業務といった受注後のオペレーション機能が中心ですが、受注前のコンテンツ設計に関する提案やブレストの段階から関わることも少なくありません。

また、昨年度からは高知県観光コンベンション協会さまの「リョーマの休日~自然&体験キャンペーン~」公式SNSアカウントの運用をご支援させていただくなど、県内からの受注も増えてきています。


――東京本社と連携しつつ、高知チームとしての役割があるのですね。

神部さん:

東京本社と距離は離れていても「同じ部署にいる同じチーム」という連携感があります。

コムニコにはコミュニケーション活性化や成長支援などの制度がいくつもあります。その一つに「M.R.P.(Most Remarkable Person)」という投票式の表彰制度があり、ここで多くの票を獲得する高知メンバーが出てきています。


――「M.R.P.」制度とは?

神部さん:

弊社では、チームメンバーが大切にすべき価値観・考え方をまとめたcomni;code(コムニコード)があり、自社のカルチャーをPromise(社会に対する約束)、Philosophy(チームとしての哲学)、Value(コムニコパーソンとしての5つの行動指針)で表しています。

 


「M.R.P.」とは、このうちの5つの行動指針を表すValueとPhilosophyである「one comnico, all leaders」を加えた 6つの切り口に沿って毎月最も頑張ったメンバーを投票する制度です。


――サンクスカードのような仕組みですね。

神部さん:
「M.R.P.」の表彰は毎月ありますが、単にモチベーションをあげるだけでなく、メンバーの活躍をお互いに知ることができる機会という意味合いも大きいです。

こうした制度によって、離れていても高知オフィスメンバーの貢献が社内に伝わっていると強く感じます。


――コムニコの価値観や文化だけでなく、メンバーの活躍も共有できる仕組みになっているのですね。

 

手厚い支援、人材のマッチが決め手で高知へ

――高知オフィス立ち上げと、リーダー抜擢のきっかけは?

神部さん:
立ち上げは2017年12月ですから、3年になります。

私は2016年4月に新卒入社だったのですが、2017年の4月に取締役の長谷川から「高知にオフィスつくるけどいく?」と打診があり、「いきます!」と即答していました。新規事業や新しいことに挑戦したいという意識は入社当時からあったので嬉しかったです。

すぐに準備をすすめて、8月の現地調査などを経て11月末にオフィス開設を進めていきました。




――数ある場所の中から「高知」を選んだ決め手は?

神部さん:
一つは「高知県の行政のサポートや立地企業とのつながり」です。

高知県は企業誘致制度が充実しており、立地企業同士の連携や交流の多さも魅力に感じました。
オフィス視察の際も、高知県産業創造課の方が車の用意からテナントとの調整など全てコーディネートしてくださいました。


――「なかま」や「おきゃく」文化のある高知県らしいサポートですね。

神部さん:
おせっかい気質なのかもしれないですけれど、これ食べなよ、飲みなよという、まさにシェアする文化があり、県外から来た私たちも安心しますよね。お酒の席でも高知の方は熱く語る印象があり、そこから新しい連携や事業展開の話につながることも珍しくありません。

立地企業間で交流する機会も非常に多く、全プロセスを通じて一貫して馴染みやすい環境を整えてくださり、本当にありがたかったです。


――高知県の企業誘致の体制が決め手の一つだったのですね。

神部さん:
もう一つは「人材」です。

ここでも県が中心となり人材育成を推進しており、弊社のようなSNSマーケティング業界で求められるクリエイティブな人材の発掘や育成ができる土壌があるという点も決め手になりました。

高知メンバーの中には、アクセサリーを作ったり、趣味で絵をpixivにアップしたりしている者もいて、採用活動を行う中でもクリエイターが多いなと感じました。

 

カルチャーの明文化と社内制度で「価値観の共有」を

――立ち上げから急速な規模拡大の中でマネジメントの苦労もあったのでは?

神部さん:
立ち上げから半年ほどでしょうか。約10名のチームになった頃からミスが多発するようになりました。私一人のチェック体制ではもう限界で、把握できない部分が出てきました。

今振り返ると、当時は全部自分でやらなければいけないという気持ちが強かったのかもしれません。その頃から、積極的にメンバーにお願いしたり、アドバイスをもらったりするようになり、メンバーが能力を最大限発揮できるような体制づくりをはじめました。

例えば、それまでの2チームから、役割によって4チームに分けました。さらに、4チームを統括するマネージャーと各チームを統括するチームリーダーを設け、マネジメントをするための体制を整備しました。チームリーダーを設置した時期から、改善を実感しました。

なお採用は、開設当初から人柄を重視しました。弊社はカルチャーコードにもあるようにチームワークを大切にしていますが、特に高知オフィスでは東京本社との連携が不可欠です。

一次選考は私と高知の採用担当とメンバー1人、二次選考は東京本社の人事、最終はゼネラルマネージャーと取締役がそれぞれ担当するのですが、一次面接後に人事に懸念点や聞き漏れたことを伝えたり、東京での面接後に人事や取締役と、全員が一致するまで話し合いました。ギャップやズレがなくなるようコミュニケーションを取り、社内で納得した状態で採用を決定することを心がけていました。

――社内文化に根ざした「チームプレイ」を徹底されたのですね。高知と東京間ではどのような工夫を?

神部さん:
現在は新型コロナウイルスの影響で行けませんが、以前は半年に一回のキックオフミーティングでは高知メンバー全員が東京本社に出向いていました。

また、月に一度、一週間ほど高知オフィスと東京本社メンバーがお互いのオフィスに出向く「コムニコーカン留学」制度をつくりました。制度整備や東京本社で毎月呼びかけを行う等、上司の協力もあり活発に利用される制度になりました。

留学期間中はメンバー間の交流を促すべく、懇親会やランチの全額補助などのサポートを行っています。


東京本社と高知オフィスを巨大なディスプレイで繋ぎ、1つのオフィスのように双方のコミュニケーションを実現(写真は2019年撮影)

――カルチャーを明文化するだけなく、表彰やコミュニケーション活性化の制度が両輪として機能することで、物理的に距離が離れた環境でも自社の価値観や文化が醸成できる。

神部さん:
オンラインミーティングでは基本顔出しをしていますが、やはりオフラインで会うのが一番コミュニケーションしやすいです。会社の文化としても、密なコミュニケーションに対する理解やコスト面のサポートが手厚く、ありがたいですね。


――新型コロナパンデミックの影響は?

神部さん:
影響は大きかったです。

2月、3月、4月とひとりずつメンバーが入社しましたが、今までのように東京に出向くことはできません。そこでチームリーダーが率先して紹介をしたり、案件実施のタイミングで都度コミュニケーションを重ねたりなど、少しでも高知メンバーに馴染みを持ってもらえるようにしています。

弊社には、新人にメンターがついて面談や食事を共にする「メンター制度」がありますが、まず一週間は基本出社をしてもらいコミュニケーションを取りつつ、次は月金のみ出社、慣れたらリモートといったように、段階的にリモートへ移行するようにしています。

新型コロナウイルスの状況下でも、消毒や検温、出社記録などを徹底した上で、限られた中でもリアルに交わす場を設けるように心がけました。そこはメンバーにもうまくフィットしたのかなと思います。


――これもチームワークを重視する文化のあらわれですね。

神部さん:
チームワークのある組織作りにおいては、信頼関係を築くことが非常に大切です。

できればテキストではなく電話をする。オンラインミーティングでちょっとした異変を感じるメンバーがいたら、終了後に五分ほどアフターミーティングでフォローする。細かなことですが、コミュニケーションの積み重ねを重視しています。

 

高知オフィス発の愛されるサービスづくりへ

――他に東京にはない高知ならではの魅力とは?

 

神部さん:
立地企業と深く関われることです。

先日も、高知県に進出されている企業の方と勉強会に参加したり、県内企業の社長にオンラインで講演会をしていただいたりと、一つのコミュニティのような形で交流が盛んです。企業数は東京と比較すると少ないのですが、距離感が近く、スピード感をもって関係づくりができます。

何より高知でなければ今のメンバーには出会えませんでした。この規模の人数や人材を東京で採用するのは難しいですし、コムニコの事業拡大に関して、高知オフィスのメンバーの貢献は大きいのではと感じています。


――個人間だけでなく、企業間でもコミュニケーションが生まれているのですね。これからの展望について教えてください。

神部さん:
10月から新規事業やサービスをつくる「SNSマーケティングラボ」に所属しており、課題先進県と言われる高知県で新しいサービスをつくりたいと思っています。

SNSは無料でスタートができるプラットフォームで、one to oneのコミュニケーションや様々な広告・キャンペーン展開の可能性がある一方で、効果的に用いるにはプロの知識も必要ですし、24時間365日ユーザーとつながっているため常にコミュニケーションが取れる体制づくりが重要です。リスクマネジメントの面でも、たとえば炎上した際など誠実な対応が求められる場面も出てくるでしょう。

これまで、大手企業やブランドを中心にSNSマーケティング支援を行ってきましたが、今は、中小企業や小規模の事業者の方へ向けたサポートをしたいと考えています。
代理店やクライアントに本当に「愛される」サービスづくりにチャレンジしていきたいです。


――社内外を問わない徹底したコミュニケーションや、お客様に愛され、選ばれる姿勢が御社のマーケティングの軸になっているのですね。ありがとうございました。
 
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