社長コラム 2024.04.25 Bigbeatの口グセ

皆さんの会社には、社内でだけ使われるようなちょっと変わったモノの言い方や単語、口グセのようなものはありますか?

良くも時に悪くもあるかも知れませんが、このような言葉使いは企業文化の創造に大きく関係すると私は思います。

Bigbeatも30年近くの歴史で、多くの口グセや独特な単語が使われてきました。

例えば当社のメルマガは『のねまん通信』だったり、他にも『西タイ』『マカナイメシ』『焼きそばパン』『番付』『じゃんけんコンペ』『ROCK?』『ハンペン』『DNA』『LIVE』などなど。


(のねまん通信の『のねまん』についてはこちらの記事にて。その他ご興味ありましたら聞いてください笑)


今回は、その一つ『DNA』についてお話させてください。

当社には『DNA Meeting』と呼ばれる新卒社員向けの研修があります。いつの頃からか長く続けてきているもので、毎年4月から8月末まで原則朝に1時間ほど、新卒社員たちと私とだけで行う研修です。近年はキャリア入社の方向けにもやっています。

毎年春に入ってくるワケェのとのひと時は、私にとって何より楽しく重要な仕事だと思って向き合っていますが、受ける当人たちがどう感じたかは敢えて聞いていません(笑)。

以前は卒業試験があり、不合格な場合は『ともだちランド※送り』と言って補習&追試が行われていましたが、不評でしたね。
※編集部注 浦沢直樹「本格科学冒険漫画 20世紀少年」(小学館) に登場するテーマパーク

この研修(研修と言うより、どちらかと言えば朝のおしゃべり会の模様ですが)の一番の目的は「何を大切にする会社かを知ってもらうこと」です。あとは、私は意外と人見知りなので早く仲良くなりたいため、もう一つはアドマンとしての立ち振る舞いを教えるための時間です。

その大切にするものとは、企業理念を指します。

当社の企業理念は『私たちに関わる全ての人がHappyを感じる!』です。

Happyとは『未来がより豊かで自由になると思うキモチである』と定義しています。

私たちに関わる人とは、クライアントさんやパートナーさんはもちろんですが、ビルの警備の方、トイレを清掃をしてくださる方、荷物を届けてくれる運送会社の人も関わる人です。もちろん一番関わる人は社員、つまり仲間ですね。

自分自身の言動で、自分に関わる全ての人が「ああ、この人(会社)とまた仕事したいな。そうすれば次はもっと豊かに自由に、つまりHappyな想いを感じることができそう!」と感じて欲しいということです。

具体的な行動で言えば、例えば朝の出社時に、受付の方や警備員さんに笑顔で「おはようございます!」って自然に口に出来るかどうかみたいな、やろうと思えば小学生でも可能な企業理念を空より高く掲げて参りました。

この理念を掲げたのは創業から数年後の1999年頃、あるキッカケがありました。

米国CADベンダーさんのグローバルカンファレンスイベントがラスベガスで開催され、日本から100名近い参加者のアテンドを担当した時のことです。

スティーブン・R・コヴィーさんという方が基調講演をされ、私は日本語の同時通訳の手配などを担当しながら、その講演を聴きました。その中で、こんな言葉がとても印象に残ったのです。

「みなさん、ご自身のお葬式のシーンを想像してみてください!参加者はあなたの死を悼み、口々にあなたの生前の思い出を話しています。どんな会話がされていますか?」(コヴィーさん)

そう、この講演者であるスティーブン・R・コヴィーさんは、世界中で大ヒットした『7つの習慣』の著者でした。恥ずかしながら当時の私はその本のことを知らなかったのですが、知らなかっただけにお話がすっと入ってきたような気がします。

還暦をだいぶ過ぎた今なら少しは自身の最期の日のことも考えることができますが、当時は30代。人生で初めて自身のお葬式をイメージしてみました。

『あいつとのゴルフ楽しかったな、またやりたいよ!』
『あいつギター、下手くそやったけど一緒にプレイするのはオモロかった。もう一回ハイウエイスターを演りたいね!』
一番の趣味であるバンドやゴルフの仲間には、そう言ってもらいたい!

できたら一緒に仕事した仲間からは
『ハマちゃんと一緒にやったイベント、オモロかった!色々失敗したけど、打ち上げのビールは最高だった。もう一度あのビール飲みたい!』
とか言ってもらえたらサイコーです。

自分に関わった人に「楽しい時間だった!次はもっと楽しくなる気がする、だからまた会いたいね!」と言われる人生っていいな!とそれまでも思ってはいた気がしますが、「そうか。葬式でなんて言われたいか?って考えて行動すればいいのか!」と、遥かラスベガスのビッグなイベント会場で、インカムと同通機を付けた私に何かが降りてきました。イベントディレクター冥利につきますね(笑)

帰国後、早速その本『7つの習慣』を読んでみました。そしてその翌年ミレニアムと騒がれた2000年、この考えに基づき企業理念を明文化し、企業ロゴとスローガンを新しくしました。

以来20年以上、この理念を伝え強くしていくことを『DNA』と呼び、書面化したものが『DNA Book』、新入社員はじめ仲間たちへの伝承は私の一番大切な役割として『DNA Meeting』と言う形で今に至ります。


(DNA Book)

自分に関わった全ての人がHappyだと感じてくれたら、またその関わりをより強く持ちたいと思ってくれたら、自分自身の未来がよりHappyに、より豊かに自由になります。

『あの人、運がいいよね!』って言われる人がいますね。その多くは関わった人がHappyを感じています。

ビジネスに限らずいろんな分野で成功した人たちがその秘訣を聞かれ『自分はたまたま運が良かった!』というコメントを聞きます。それは謙遜ではなく本当にそう感じているはずです。

尊敬するある有名な社長さんも『経営にビジネスに一番大切なのは運だ!』と言い切ります。

運の良し悪しって言うのは確かにありますね。しかしそれは宝くじに当たる運、みたいなことではありません。

運とは自分を助けてくれる人と、チャンスを与えてくれる人の存在に左右されると思います。なぜかいい巡り合わせが回ってくる人、つまり運のいい人の大きな特徴です。

知らないところで助けてもらっている、チャンスを与えられている人と、逆に知らないところで足を引っ張られていたり、本来はそこにいるべきなのに違う人がそこにいる人では結果が大きく違ってくるのは言うまでもありません。

ビジネスもスポーツもエンターテイメントなども同様だと考えます。仕事だけではなく人生の運不運に一番影響するといっても過言ではありません。

ではどんな人の運は良くなるのか?関わった人がHappyを感じる人は?

思いっきりざっくり言うと、以下の3つだと確信しております。

●笑顔多めで明るく元気に接してくれる人
(例えば雨の月曜の朝も笑顔でおはよう!ってオフィスに登場する人)

●インプットとアウトプットの多い人
(例えばニュースや本をよく読んでいて、自身の想いをちゃんと言う人)

●勧められたものを試してみる人
(例えば「あそこのカレー美味しいよ」と教えられたらすぐに食べてみる人)

たったこの3つを言葉にして行動するだけで、自分に関わった人が、もう少し関わりたい、また会いたい、また仕事がしたい、ゴルフがしたい、お酒を飲みたい、と感じてくれるはずです。

運はどこかで拾って使い果たすものではなく、創るものです。
それは自分に関わった人の思いの集大成だと思うのです。

私たちBigbeatの理念はこのような考えによるもので、そのために不可欠なことを『DNA』と呼んでいます。広告会社の仕事は世の中のHappyを増やすことだからです。

今年もまた4人の新人、そして3人のキャリア入社の仲間たちとの『DNA Meeting』が始まりました。
みんながこの仕事を選んで良かったと振り返るHappyな未来になるよう願いつつ、夏までの研修を楽しみます。

「はて?ハマロさん、それであなたはどれだけHappyな人生送れそうですか?」
いましばらくもがき苦しんだ上で、振り返るその時を楽しみにしておきます。


(2024年、ワケェのと!)
Recommend
Ranking
  1. 青年エンジニアと哲人の物語 中編:7082-見えないものの意味を知る
  2. 2050年の仲間たちへービッグビート29歳、『はじまりの日』にルンさんと
  3. ノベルティにも、物語を。
  4. ”君は、どうしたい?” ~その身で語る2年目コンビの奮闘~
  5. ある若きリーダーの挑戦と苦悩 2024spring
Mail magazine