Bigbeat 2017.07.06 「マーケティング担当者はブルースマンである」
あるマーケティング担当者との会話である。
「展示会で営業リードを5000件も取ったのに、営業がすぐに動かないんだよね」
「ウチは名刺獲得単価は●●●●円以上は出せないからね」
「結局MAに入れても、来場御礼メール送って終わりになっちゃう」
そして営業現場からはこんな声があがってくるそうだ。
「MQLに連絡しても全然アポに繋がらない」
「そもそもリードが多すぎて手が回らない」
「この製品を買うと分かっているリードだけが欲しい」
ちなみにこの会社はグローバルでも屈指のIT企業である。
恐らく多くの会社が同様の悩みを抱えているのではないだろうか。
今や日本の展示会は、名刺獲得装置となっている。
なぜ、そんなことになってしまったのか?
前述のご担当者に伺ってみると、
「名刺獲得数よりも成約数が重要なことは分かっている。でも、名刺獲得数がKPIになっているし、それが自分の評価になるんだよね」
例えば、案件として確度の高い見込み顧客のキーマンを50人集めたセミナーをやって、受注が10件あったとしても、
展示会で1000人の名刺情報を集める方が評価されてしまうのだそうだ(驚!!)
つまり評価されないことはやれないわけだ。
そりゃそうなんだろうが、なんかヘンだ。
これはもう会社(経営トップ)がマーケティング部門に求める機能や役割や評価を変えないといけない。
日本のマーケティング部門は、単なるイベントプロモーション部門になってしまっているという声もある。
私は、展示会での名刺獲得数の拡大自体は間違っていないと思っている(見込み顧客を数を増やすことだから)
その獲得の意味と、そこまでで終わるのでなく、案件を創りだす数、ブランド形成にまで着目した展示会出展にしないとならないのではないか?と思うのです。
マーケティング部門は、顧客の数(リード)を作るだけでなく、案件を創るまでの役割と責任を持ったらどうなるだろう?
経営トップは、マーケティング部門をもっと活かそう。
マーケティングから経営を変えていこう。
だってマーケティングは経営戦略なんだから。
(・・・と、かのMBAの科目でも定義付けているではないか!?)
そして、さらに前述のご担当者の興味深い話として、展示会アンケートで取れたホットリードと、そうでないリードとでは、その後の成約率はどちらも変わらなかったそうだ。
「ひょっとして展示会でアンケートって、取る意味ないのかもしれないね」とつぶやいていた。
マーケティング担当者の苦悩はどこまでも深い…
今日も時間はすでにテッペンを過ぎている…
ジャラ~ン 「深夜1時のマーケッター・ブルース」