社長コラム 2017.03.13 社長、そこをなんとか!

テーマである「Think Local & Go Global」から少し横道に入ります。

アドマン、広告の仕事の面白さの一つとして、若くしてクライアント企業の経営者と会えるビジネスが出来ることもあります。
広告やプロモーションは大きな投資なので案件が大きいほど経営マターになる、つまり社長が出てくることになります。私も20代のペーペーにも関わらず、多くの経営者の方々とビジネスをご一緒させていただきました。当時はプレッシャーばかりでその経験の尊さに気づいていたかどうかは「??」ですが、今思えば経営者の考え方をライブで学ぶことができました。社長たちのビジネスに対する情熱や厳しさとともに、社長の職に就く人は実にユニークな人が多いなぁ、とも思います。

外資系IT企業の社長さんからは「こんな広告で売れるか!(大怒)」と広告掲載雑誌を投げつけられたことがあります。役員会議室の立派なテーブル上を雑誌が見事な回転とともにクライアントの担当者と私の間に飛んできました。今なら「ナイスコントロール!」と心で呟きつつ申し訳ない表情をつくることができそうですが、20代のその当時は蒼白になりました。

世界的な企業グループになった旅行会社の社長さんと、新オフィスに世界地図と支店場所のカッティングシートを2人で貼りました。今は世界中に店舗があるのですが、当時は確か香港とニューヨークの2店。「いつか支店を世界中につくる、そのためにいい広告を創ってね!」なんて社長の大きな夢を聞かせてもらいつつ「社長、Eが曲がってまっせ!」とかツッコミを入れながらの深夜作業でした。

また別の社長さんと出張帰りの機中でのこと(ちゃっかりビジネスクラスにご相伴にあずかり)少々お酒を召していたのですが
「ハマグチ君、この飛行機落ちへんかなぁ」
「え?なんでですか??」
「全部片付いて、色んなことが楽になるやろう」
「?????」
その会社は少し後に倒産してしまいました。
 
いつもお昼時に打ち合わせをする会長さんもユニークでした。ランチミーティング時のご飯は決まって「釜飯」。どこかお気に入りの料理屋さんから出前だったと思います。食べるのが私の3倍くらいのスピードで、私もウガンダのカレー芸の勢いで頑張ったのですが……
その会長さんとは腕相撲や腹筋競争もやりました。たぶんもう70歳前後の方でしたが、釜飯早食いも腕相撲も全敗でした。

マーケティングは経営の重要な機能であり、広告やイベントなどプロモーションはマーケティングの機能であり、企業の重要な投資であることを学びました。自分の仕事は広告を売る、いや買っていただくことではなく、クライアントの経営の一部を任されているのだと奮い立ちました。

「社長そこをなんとかお願いします!」なんていう漫画のセリフみたいな営業トークも自然に身につきましたが(笑)。
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