Bigbeat 2023.10.31 コロナ禍を経て強くなった『シン・ビッグビート』、その進化とは?
2023年8月期の決算を発表したビッグビート。売上高、営業利益とも過去最高の結果となりました。
ニュースリリース:2023年8月期決算報告:売上高、営業利益とも過去最高を達成
コロナ禍の大ピンチを経てより強いチームとなったいま、ビッグビート新取締役 アカウントディビジョン部長大滝氏にその背景やこれからについてお聴きしました。
(聞き手:パイン多田)
はい、おかげさまで創業以来最高の売上高、営業利益となりました。クライアント、パートナー、社員のみなさんと一丸となって歩んできた結果です。
株式会社ビッグビート 取締役 アカウントディビジョン部長 大滝 達郎
―その背景や要因は?
まずは、企業が展示会やカンファレンスイベントなどフィジカルイベントを再び開催できるようになってきたことです。さらにコロナ前と比べて、オンラインも交えたハイブリッド型のイベントや事後コンテンツ制作と発信を合わせた複合的なプロジェクトの依頼が増えていることが大きいと言えます。
みなさんご存じの通り、コロナ禍にはあらゆるフィジカルイベントが中止となりました。
2020年1月に横浜の船上でざわつき始めてからほどなくして、当社でも2月末に開催を予定していたあるクライアントのカンファレンスイベントが急遽キャンセルとなりました。これを皮切りに受注していた仕事の予定が毎日のように消えていくのを目の当たりに。最初の緊急事態宣言までの間、呆然とする日々でしたね。
ビッグサイトの展示会場にパンチカーペットしかない異様な光景は、今でも忘れられません。
―当時は大変でしたね(ティッシュを差し出す)
思い出しますね。これからどうなるんだろうと考え始めたらもう……何より気がかりだったのが若手、特に、コロナ禍に入社することになった新入社員のみなさんのことでした。
それこそ2020年は、みんな戸惑う中で新入社員を迎えることになりました。コミュニケーションはカメラ越しでしか取れなかったし、研修もオンラインに切り替えて、まさに手探りです。思うようにケアできていないように感じていました。もう本当に心配で心配でたまらなかったですね。
―そんな矢先、突然オフィスの内装工事が始まりました
急激に変わっていく状況にのまれて、つい社内のことや目先のことばかりに目が向いてしまっていましたが、その時ハマロは「自分たちのことだけを考えていてはいけない、しんどい時こそTakeではなくGiveを考えよう」と言ったのです。
イベントを中止せざるを得なくなって、クライアントのみなさんはコミュニケーションの場がなくなり困っているでしょう、自分たちにできることを考えよう、と。そこですぐにオンライン配信や収録ができる「スタジオ」を当社オフィスの一角につくろうと動き出したのです。
ー決断から実行まで早かったですよね
本当に早かったです。日頃からお世話になっている施工会社さんに相談して、すぐに工事に入りました。
ちなみに当時すでにいろいろとオンライン配信サービスはあって、それらを活用すればオンラインイベントはできました。それでも、私たちは自分たちでつくり出すことにしたんです。
その根底には「関わった全ての人がHappyを感じる」という企業理念があるから。当時苦しかったのは我々もそうですが、イベント関連の事業者も同じだったと思います。困ったときはお互いさま、自分たちで仕事をつくり出せばいいのだ、と考えたわけですね。
それから、並行してB-square(ビッグビートのイベント事務局システム)の、オンラインイベント向け機能の開発を始めました。やるべきことができて忙しくなっていくと、どんよりしていた社内の空気も次第に変わっていきましたね。
―2020年8月にはビッグビート初のオンラインイベントも開催しました
困っているマーケッターがいま知りたがっていることを発信しよう、とコンテンツを企画しました。しかも、いきなり5日間連続です。今思えば狂気の沙汰ですよね(笑)。とにかく自ら実践して、盛り上げていこうという思いでした。
そう、あのときは本当に若手のみんなのおかげで、初めての運営を乗り切ることができたんですよ。オンライン対応は、20代のみんなのほうが私なんかよりも全然得意だったんです。先輩後輩とかベテラン若手、といった壁が取り払われた瞬間でしたね。
ーデジタルネイティブ世代が活躍しましたね。他にも様々な取り組みが行われました
社員向けにオンラインプログラムを用意する会社はたくさんあったと思いますが、当社は、社員もクライアントもパートナーさんも、通りすがりの方も一緒にどうぞ、というマインドでヨガやネットラジオなんかもやりました。
役に立つかもしれないし、しょうもないかもしれないけど、少しでもHappyにつながるならやってみよう、という考えですね。
軸があったからだと思います。当社はコロナ前の2016年頃から、マーケティングで経営を変える、ということをスローガンのように掲げ始めました。この頃、改めて経営理念を見つめながら、自分たちのwill can must を見直したのです。
そこで改めて、私達のどまんなかはBtoB企業のマーケティングコミュニケーション領域であり、クライアントのオモイをアツいまま届ける仕事をしよう、関わった全ての人がHappyを感じているかを大事にしよう、ということを再確認しました。
これらを大事にしながら自分たちを変えてきたからこそ、ピンチのときもブレずにやるべきことに集中できたのだと思っています。
ー「自分たちを変えた」とはどんなことを変えたのですか?
これまでセールス中心でやってきたところを、マーケティングで「選ばれる私たち」になろうと行動を変えたのです。
その一つとして実行したのが、初めての自社主催イベント「Bigbeat LIVE」です。日頃は裏方に徹する広告屋である私たちですが、私たち自身の考えやオモイを知っていただくために、自ら発信していこうと企画したイベントです。
ビッグビートは、クライアントのマーケティングコミュニケーションをサポートする部分ではプロですが、自分たちで考えて発信をする、というのはとんでもなく大変だというのを体感しましたね。
ー具体的にどんな難しさが?
行動を変えるために考え方も変えることになります。
私はゴリゴリの営業出身で、入社間もないころから「営業とはな」というのを叩き込まれてきましたからね。入社すぐはテレアポ、飛び込み営業で社会人のいろはを学んだりもしました。世間では「名刺がなくなるまで帰って来てはいけない」なんて研修が行われることもあった時代。いわゆる体育会系のノリです。
相手に売り込む、自ら飛び込むことしか知らない自分が、「選ばれる」という頭に切り替えるには相当な時間が必要でした。戸惑いもあるし、苦しかったですね(笑)。
選んでもらう、知ってもらうにはまず自分たちのことを語ることが必要ですが、私は不特定多数に向かって発信するのは特に苦手。いまでも苦手ではありますが、自社のことを伝えるコンテンツの重要性は、改めて身にしみています。
ー発信を初めてからビッグビートにはどんな変化がありましたか?
発信を続けることで、少しずつですが当社を「見つけていただける」機会が増え、徐々に「選んでいただける」ようになったと感じています。その結果が、この数字にもつながっているのだと。このあたりについては改めて全社的に振り返って、きちんとお伝えしたいと考えています。
ー大滝さんご自身の変化はいかがでしょうか?
これまで培った営業の流儀やマインドを大切にしながら、マーケティング発想でものごとを考えるようになりました。
あとは得意なこと苦手なことを仲間にオープンにして、得意なところは過信せずに冷静にやっていこうと思うようになったことでしょうか。苦手を隠してかっこつけてもうまくいかないことをイヤというほど痛感してきましたし、まだまだできていないなあ、と感じることばかりですが。
新しい体制になり、これから次のフェーズに向けて歩み始める段階です。
これまでは、創業社長であるハマロの大きなカリスマ性と推進力でものごとが進むことも多かったですが、これからはよりチームでコトを成していきたい、そんな組織を目指しています。
例えば得意を生かしたチームづくりです。みんなが得意を活かしてチームとしてクライアントの役に立てるよう、さまざまな面で仕組み化をしていきたいと思っています。
いま、ありがたいことに、クライアントのみなさんからもたくさんお声がけいただいていますが、リソースが十分でない状況でご迷惑をおかけしてしまっているところもあります。
よりよいサービスを提供していけるように、そのための採用や教育面なども含めて仕組みを整備しながら、ビッグビートで力を発揮できる仲間を増やして、全体的にパフォーマンスを上げていきたいですね。
当社は「(クライアントの)商売繁盛の熊手になる!」というビジョンを掲げてます。つまりお客さんの経営のお役に立って、未来をハッピーにしていく、そのために働こう、ということ。この本質的な部分はいままでもこれからも変わりません。
ー次のフェーズに向けて、創業社長の濱口氏に伝えたいことは?
「DNAはちゃんと受け継ぎましたよ、大丈夫です、そのときは安心してひっこんでください」ということですかね(笑)。
私にとってハマロ(濱口氏の愛称)は、いつまでもこのまま先を走り続ける人です。追いつき追い越す、という考えはありません。
経営の側面では、すでにいま託して頂いている部分も大きいですが、ハマロもまだやりたいことがたくさんあるようで、遠くで見守りながらうずうずしているのを感じることもあります(笑)。
これからも、やりたいようにやってください(笑)どうせやるんだろうし!
とにかく、ハマロがよく言う「カネならある」というセリフを代々100年言い続けられるように、関わった人をHappyにし続けられるビッグビートを続けたいですね。
ニュースリリース:2023年8月期決算報告:売上高、営業利益とも過去最高を達成
コロナ禍の大ピンチを経てより強いチームとなったいま、ビッグビート新取締役 アカウントディビジョン部長大滝氏にその背景やこれからについてお聴きしました。
(聞き手:パイン多田)
コロナ禍、ビッグビートに何が起きたのか
―ニシタイ特派員、パイン多田です。今日はよろしくお願いします。さてビッグビート、過去最高の決算を発表されましたねはい、おかげさまで創業以来最高の売上高、営業利益となりました。クライアント、パートナー、社員のみなさんと一丸となって歩んできた結果です。
株式会社ビッグビート 取締役 アカウントディビジョン部長 大滝 達郎
―その背景や要因は?
まずは、企業が展示会やカンファレンスイベントなどフィジカルイベントを再び開催できるようになってきたことです。さらにコロナ前と比べて、オンラインも交えたハイブリッド型のイベントや事後コンテンツ制作と発信を合わせた複合的なプロジェクトの依頼が増えていることが大きいと言えます。
みなさんご存じの通り、コロナ禍にはあらゆるフィジカルイベントが中止となりました。
2020年1月に横浜の船上でざわつき始めてからほどなくして、当社でも2月末に開催を予定していたあるクライアントのカンファレンスイベントが急遽キャンセルとなりました。これを皮切りに受注していた仕事の予定が毎日のように消えていくのを目の当たりに。最初の緊急事態宣言までの間、呆然とする日々でしたね。
ビッグサイトの展示会場にパンチカーペットしかない異様な光景は、今でも忘れられません。
―当時は大変でしたね(ティッシュを差し出す)
思い出しますね。これからどうなるんだろうと考え始めたらもう……何より気がかりだったのが若手、特に、コロナ禍に入社することになった新入社員のみなさんのことでした。
それこそ2020年は、みんな戸惑う中で新入社員を迎えることになりました。コミュニケーションはカメラ越しでしか取れなかったし、研修もオンラインに切り替えて、まさに手探りです。思うようにケアできていないように感じていました。もう本当に心配で心配でたまらなかったですね。
―そんな矢先、突然オフィスの内装工事が始まりました
急激に変わっていく状況にのまれて、つい社内のことや目先のことばかりに目が向いてしまっていましたが、その時ハマロは「自分たちのことだけを考えていてはいけない、しんどい時こそTakeではなくGiveを考えよう」と言ったのです。
イベントを中止せざるを得なくなって、クライアントのみなさんはコミュニケーションの場がなくなり困っているでしょう、自分たちにできることを考えよう、と。そこですぐにオンライン配信や収録ができる「スタジオ」を当社オフィスの一角につくろうと動き出したのです。
ー決断から実行まで早かったですよね
本当に早かったです。日頃からお世話になっている施工会社さんに相談して、すぐに工事に入りました。
ちなみに当時すでにいろいろとオンライン配信サービスはあって、それらを活用すればオンラインイベントはできました。それでも、私たちは自分たちでつくり出すことにしたんです。
その根底には「関わった全ての人がHappyを感じる」という企業理念があるから。当時苦しかったのは我々もそうですが、イベント関連の事業者も同じだったと思います。困ったときはお互いさま、自分たちで仕事をつくり出せばいいのだ、と考えたわけですね。
それから、並行してB-square(ビッグビートのイベント事務局システム)の、オンラインイベント向け機能の開発を始めました。やるべきことができて忙しくなっていくと、どんよりしていた社内の空気も次第に変わっていきましたね。
―2020年8月にはビッグビート初のオンラインイベントも開催しました
困っているマーケッターがいま知りたがっていることを発信しよう、とコンテンツを企画しました。しかも、いきなり5日間連続です。今思えば狂気の沙汰ですよね(笑)。とにかく自ら実践して、盛り上げていこうという思いでした。
そう、あのときは本当に若手のみんなのおかげで、初めての運営を乗り切ることができたんですよ。オンライン対応は、20代のみんなのほうが私なんかよりも全然得意だったんです。先輩後輩とかベテラン若手、といった壁が取り払われた瞬間でしたね。
ーデジタルネイティブ世代が活躍しましたね。他にも様々な取り組みが行われました
社員向けにオンラインプログラムを用意する会社はたくさんあったと思いますが、当社は、社員もクライアントもパートナーさんも、通りすがりの方も一緒にどうぞ、というマインドでヨガやネットラジオなんかもやりました。
役に立つかもしれないし、しょうもないかもしれないけど、少しでもHappyにつながるならやってみよう、という考えですね。
自らを変えるためにやったこと
―絶望の淵からすぐに新しい挑戦ができたのはなぜですか?軸があったからだと思います。当社はコロナ前の2016年頃から、マーケティングで経営を変える、ということをスローガンのように掲げ始めました。この頃、改めて経営理念を見つめながら、自分たちのwill can must を見直したのです。
そこで改めて、私達のどまんなかはBtoB企業のマーケティングコミュニケーション領域であり、クライアントのオモイをアツいまま届ける仕事をしよう、関わった全ての人がHappyを感じているかを大事にしよう、ということを再確認しました。
これらを大事にしながら自分たちを変えてきたからこそ、ピンチのときもブレずにやるべきことに集中できたのだと思っています。
ー「自分たちを変えた」とはどんなことを変えたのですか?
これまでセールス中心でやってきたところを、マーケティングで「選ばれる私たち」になろうと行動を変えたのです。
その一つとして実行したのが、初めての自社主催イベント「Bigbeat LIVE」です。日頃は裏方に徹する広告屋である私たちですが、私たち自身の考えやオモイを知っていただくために、自ら発信していこうと企画したイベントです。
ビッグビートは、クライアントのマーケティングコミュニケーションをサポートする部分ではプロですが、自分たちで考えて発信をする、というのはとんでもなく大変だというのを体感しましたね。
ー具体的にどんな難しさが?
行動を変えるために考え方も変えることになります。
私はゴリゴリの営業出身で、入社間もないころから「営業とはな」というのを叩き込まれてきましたからね。入社すぐはテレアポ、飛び込み営業で社会人のいろはを学んだりもしました。世間では「名刺がなくなるまで帰って来てはいけない」なんて研修が行われることもあった時代。いわゆる体育会系のノリです。
相手に売り込む、自ら飛び込むことしか知らない自分が、「選ばれる」という頭に切り替えるには相当な時間が必要でした。戸惑いもあるし、苦しかったですね(笑)。
選んでもらう、知ってもらうにはまず自分たちのことを語ることが必要ですが、私は不特定多数に向かって発信するのは特に苦手。いまでも苦手ではありますが、自社のことを伝えるコンテンツの重要性は、改めて身にしみています。
ー発信を初めてからビッグビートにはどんな変化がありましたか?
発信を続けることで、少しずつですが当社を「見つけていただける」機会が増え、徐々に「選んでいただける」ようになったと感じています。その結果が、この数字にもつながっているのだと。このあたりについては改めて全社的に振り返って、きちんとお伝えしたいと考えています。
ー大滝さんご自身の変化はいかがでしょうか?
これまで培った営業の流儀やマインドを大切にしながら、マーケティング発想でものごとを考えるようになりました。
あとは得意なこと苦手なことを仲間にオープンにして、得意なところは過信せずに冷静にやっていこうと思うようになったことでしょうか。苦手を隠してかっこつけてもうまくいかないことをイヤというほど痛感してきましたし、まだまだできていないなあ、と感じることばかりですが。
これから目指すもの
ー新体制として、これから目指すことは?新しい体制になり、これから次のフェーズに向けて歩み始める段階です。
これまでは、創業社長であるハマロの大きなカリスマ性と推進力でものごとが進むことも多かったですが、これからはよりチームでコトを成していきたい、そんな組織を目指しています。
例えば得意を生かしたチームづくりです。みんなが得意を活かしてチームとしてクライアントの役に立てるよう、さまざまな面で仕組み化をしていきたいと思っています。
いま、ありがたいことに、クライアントのみなさんからもたくさんお声がけいただいていますが、リソースが十分でない状況でご迷惑をおかけしてしまっているところもあります。
よりよいサービスを提供していけるように、そのための採用や教育面なども含めて仕組みを整備しながら、ビッグビートで力を発揮できる仲間を増やして、全体的にパフォーマンスを上げていきたいですね。
当社は「(クライアントの)商売繁盛の熊手になる!」というビジョンを掲げてます。つまりお客さんの経営のお役に立って、未来をハッピーにしていく、そのために働こう、ということ。この本質的な部分はいままでもこれからも変わりません。
ー次のフェーズに向けて、創業社長の濱口氏に伝えたいことは?
「DNAはちゃんと受け継ぎましたよ、大丈夫です、そのときは安心してひっこんでください」ということですかね(笑)。
私にとってハマロ(濱口氏の愛称)は、いつまでもこのまま先を走り続ける人です。追いつき追い越す、という考えはありません。
経営の側面では、すでにいま託して頂いている部分も大きいですが、ハマロもまだやりたいことがたくさんあるようで、遠くで見守りながらうずうずしているのを感じることもあります(笑)。
これからも、やりたいようにやってください(笑)どうせやるんだろうし!
とにかく、ハマロがよく言う「カネならある」というセリフを代々100年言い続けられるように、関わった人をHappyにし続けられるビッグビートを続けたいですね。