マーケティング 2021.07.21 オンラインイベントの当たり前を疑う 【第4回EventMarketingカンファレンス レポート】
7月13日(火)の午後、「オンラインイベントの可能性を考えよう!」をテーマに、総勢8社のプラットフォーマーが集まって、様々な知見や事例が語られた「第4回EventMarketingカンファレンス」。弊社からはマーケティング部の野北が登壇し、KODOUのピッチプレゼンや座談会に参加させていただきました。
ともすれば、競合となり得るプラットフォーマーが集うようなイベントは、これまでなかなか例を見ませんでした。様々なイベントの在り方が模索されたこのイベントから、いくつかのエピソードや登壇者の想いをご紹介します。
ビッグビートからは野北が登壇し、「KODOU」のピッチ紹介や座談会に参加させていただきました。
ピッチではオンラインイベントの「お・す・し・も」を紹介しました。(気になる方はぜひご連絡を!野北がプレゼンいたします(笑))
(左上)株式会社EventHub 竹森 敬祐さん / (右上) bravesoft株式会社 岡 慶彦さん
(左下)株式会社スプラシア 中島 優太さん / (右下)株式会社スペースマーケット 岩崎 亜美さん
「今のオンラインイベントをどう見ている?」という質問に対し、株式会社EventHubの竹森 敬祐さんはまず、「企業が『オンラインとオフライン開催をどのように使い分けていくのか?』を考えるようになるのではないでしょうか。」と語りました。
『eventos』というイベント管理プラットフォームを開発しているbravesoft株式会社の岡 慶彦さんは「弊社のサービスでいうと、企業の社内向けの表彰式や社員総会で使われるケースも増えています。この動きは日本だけではなく世界でも見られますね。こうしたエンゲージメントを高めるようなイベントで、昨年やってみたものの、内容・質ともにどう改善していこうか模索しているような声を聞きます。」
「オンラインイベントだと交流が難しい…と思っているのは、実は大人たちだけかもしれません」と語ったのは、イベントのプロデュース全般を請け負われている株式会社スペースマーケットの岩崎 亜美さん。大学のイベントを担当した際、運営側からの事前の説明がなくても、学生たちは本編開始前からプラットフォーム上にあるSNSのような機能で、自発的に交流を始めたといいます。
「企業のイベントだと、開催日の当日、しかも直前にイベントの参加ページがオープンすることが多いと思います。しかし、例えば開催日の少し前からオープンして、参加者を巻き込んで一緒に盛り上げていきましょう!という空気と期間をつくっていけると、ある程度使い慣れて、交流のための機能を使うハードルが下がりやすくなったと感じます。実際に、先ほど岡さんが言っていた社員総会のようなイベントでは取り入れて、事前からイベントを盛り上げる空気づくりができました。今企画を進めているイベントでも、少し早くオープンしてこんなキャンペーンをやっています!とお知らせをしたり、Twitterと連動するようなアナウンスをしたり、工夫の一つに取り入れていますね。」(岩崎さん)
昨年12月に行われたBACKSTAGEのイベントも、まさに本番の2か月前からオープンし、順次コンテンツを投下していくことで、本番に向けて熱を高めていく工夫が盛り込まれていました。(その取り組みについては、Play Now!のレポート⑤で月刊イベントマーケティングの樋口さんが語っています。)企業のユーザー向けのイベントではまだ実践例が多くはありませんが、だからこそ新しい視点として取り入れられるポイントなのかもしれません。
「商談化しやすくするための工夫としては、プラットフォームに機能を付け加えるというよりは、どう運用するかに注目してもいいかと思っています。例えば、営業がお客様に対して自社のオンラインイベントに登録してください!とお願いするのも一つですが、見てほしいコンテンツの流れる時間帯にアポイントを取っておいて、画面共有をしながら一緒にそのコンテンツを見る、という使い方もあるのではないでしょうか。」(中島さん)
オンラインイベントの活用の仕方については、竹森さんからも「マーケティング戦略の中で、オンラインイベントは時間・場所にとらわれず、多くの人に情報を届けられることが特徴なので、一つのチャネルとして捉えられるようになると思います。例えば、展示会に出展する企業であれば、リアルな会場に誘致するために、事前にイベントで接点を持つことで興味を高めてもらう、という使い方もあるのかもしれません。どう使い分けていくかは、これからまだまだ可能性の広がるところだと思います。」と意見が出ました。
このセッションとは別の時間帯のセッションでも、オンラインイベントの使い方については事例が出ており、イベント内に自社のサービスにかかわる様々なコンテンツが集約されていることから、営業が会社紹介のために活用し、常設展示のように運用をしている企業もあるようです。
「イベントにどうやって人を集めるか?」という考え方から、「情報を届けるためにイベントをどう活用するか?」という視点に切り替えてみることも、イベントの新たな価値を見つけるヒントではないでしょうか。
(左上)スマートキャンプ株式会社 高橋 洸平さん / (右上) 株式会社アペルザ 下宮 慎平さん
(下段)モード・マーケティング株式会社 森田 光一さん
「昨年初めてオンラインイベントを実施して、結果がよかったからと期待して2回目を行ったら、思うような結果が出なかったという他の主催者からの声を聞きます」と語ったのは、『未来のクルマ Technology ONLINE』というイベントを2社で共催している、株式会社アペルザの下宮 慎平さん。
「同じリストに対して、似たようなコンテンツを当て続けていても、当然ながら参加者は離れていきます。2回目の挑戦にあたって、いかに今までと違う人たちを呼び込み続けられるか、呼び込むための新しいコンテンツをどのように用意していくか、という課題に直面される方が増えていますよね。」
『BOXIL EXPO』を主催し、Play Now!後夜祭のセッションにも登場いただいたスマートキャンプ株式会社の高橋 洸平さんもこれには同意して、「BOXIL EXPOでもそうだったのですが、1回目はまさにオンラインイベントが目新しい時期の開催だったので、参加者の期待値もかなり高い状態でした。CPAもかなり低く抑えられましたね。」と実体験を語りました。
高橋さんは続けて、「2回目のイベントに挑戦される主催者は『何のためにイベントをやるのか』の軸をあらためてきちんと定めておくことが重要」だと話しました。
「BOXIL EXPOは参加者と出展者がマッチングするための展示会ですが、イベントによってはブランディング目的だったり、営業先のリストを作ることが目的というイベントもあると思います。集客への不安から、1回目は登壇者の人選にもこだわって自分たちの持てる人脈を最大限に発揮する企業が多いと思うのですが、2回目となるとなぜかコンテンツがぶれ始めることもあるんですよね。何のためにイベントをやるのか、どんな方向性のイベントにしたいのか、もう一度軸をきちんと定めておくことが重要です。1回目の結果や反省からあれもこれもやろうとすると、結局どんなイベントだったのかわからなくなり、参加者との期待値のズレが起こりやすくなります。
また集客でも、特にオンラインイベントが目新しい時期にやったイベントでは、前回と同じCPAを達成できるかは懐疑的になったほうがいいですね。前回の集客人数を上回らなかったからそのイベントは成功しなかったと判断するのが正しいのか。参加者の内訳で新規ユーザーをどれだけ獲得できたのかなど、KPIの設定の仕方も考える必要があると思います。」(高橋さん)
一方、このセッションとは別の時間帯のセッションでは、違う視点での意見も出ていました。
イベントの結果として、集客人数の数値を追うのも一つだろうという考え方です。それまでの過程はどうであれ、イベントで得られる数値はすべてを隠す。特にイベントの規模や興味・共感した人数を示す集客人数はインパクトが大きく、そこで数字的な結果が出れば、その他のうまくいかなかったことも隠れることがあるでしょう。ビジネスイベントである以上、主催者としてはつい逃げたくなる数値の結果も向き合い、徹底的にこだわるのも一つの選択肢なのかもしれません。
「アペルザの場合は、製造業に特化してサービスを提供しているので、イベントの開催にしても製造業ならではの技術や専門知識など、比較的ニッチな内容に踏み込んでいきます。そのため、自分たちの人脈だけではどうしてもコンテンツの内容や、どこかで聞いたことある話に偏ってしまう。それを打破するために、最近こんなトレンドあるんだというのを業界内の交流会の中で学んだり、社外の第三者の意見を取り入れていくと、見えてくるものがありました。」(下宮さん)
基本的に、企業のイベントでは自社の中だけで企画チームを立ち上げることがほとんどかと思います。しかし、例えばそのイベントの思いに強く共感をいただけている講演者や、講演はしないけれどともに業界を盛り上げようという思いのある関係者など、周りを見てみれば一緒になって何かをつくろうとしてくれる味方・仲間は、気づかないうちに近くにいるのかもしれません。
本イベントで設けられた展示コーナー。オンラインでの展示会も数多く催されるようになりました。
また、このセッションに飛び入り参加をしたbravesoftの岡さんからも、面白い事例が紹介されました。
bravesoftのお客様で、製造業、中でも食品加工業の会社に置くような機械をつくっている企業があります。それまで展示会などリアルな場所で機械を実際に見て、良さを体感してもらうようなアプローチばかりだったので、オンラインになったことでそれができなくなってしまい、企業にとってあまり喜ばしくない状況になったのではないか、と岡さんは感じていたそうですが、実はオンラインのほうがうまく情報を届けられそうだ、とお客さんから言われたそうです。それまで、リアルな展示会では周りの気温・環境の影響によって、機械がうまく動かないことがあり、オンラインになってその課題が解消できるメリットが出てきました。一般的に、実機を持つような製造業はオンラインと親和性がないと思いがちですが、意外とそうではない側面もありそうです。
ここまでご紹介してきたどのエピソードにも、「オンラインイベントってこういうものだから…」「前回こうだったから…」というような、ある意味自分の中の「当たり前」とは違う視点があったのではないでしょうか。ハイブリッド型イベントにも注目が集まる昨今。イベントの形も、オンラインイベントの活用の仕方も、まだまだ様々な可能性があると感じています。
私たちビッグビートも、より熱量が高まり、成果につながるイベントの在り方を模索し続ける企業の一つとして、これからも新しい視点からの情報提供・ご提案を続けてまいりたいと思います。
ともすれば、競合となり得るプラットフォーマーが集うようなイベントは、これまでなかなか例を見ませんでした。様々なイベントの在り方が模索されたこのイベントから、いくつかのエピソードや登壇者の想いをご紹介します。
ビッグビートからは野北が登壇し、「KODOU」のピッチ紹介や座談会に参加させていただきました。
ピッチではオンラインイベントの「お・す・し・も」を紹介しました。(気になる方はぜひご連絡を!野北がプレゼンいたします(笑))
事前から交流しやすい空気をつくるイベント設計
セッションタイトルを「オンラインイベントの可能性を考える」と題し、まさにこのイベントの肝になるテーマを4名の登壇者が語りました。(左上)株式会社EventHub 竹森 敬祐さん / (右上) bravesoft株式会社 岡 慶彦さん
(左下)株式会社スプラシア 中島 優太さん / (右下)株式会社スペースマーケット 岩崎 亜美さん
「今のオンラインイベントをどう見ている?」という質問に対し、株式会社EventHubの竹森 敬祐さんはまず、「企業が『オンラインとオフライン開催をどのように使い分けていくのか?』を考えるようになるのではないでしょうか。」と語りました。
『eventos』というイベント管理プラットフォームを開発しているbravesoft株式会社の岡 慶彦さんは「弊社のサービスでいうと、企業の社内向けの表彰式や社員総会で使われるケースも増えています。この動きは日本だけではなく世界でも見られますね。こうしたエンゲージメントを高めるようなイベントで、昨年やってみたものの、内容・質ともにどう改善していこうか模索しているような声を聞きます。」
「オンラインイベントだと交流が難しい…と思っているのは、実は大人たちだけかもしれません」と語ったのは、イベントのプロデュース全般を請け負われている株式会社スペースマーケットの岩崎 亜美さん。大学のイベントを担当した際、運営側からの事前の説明がなくても、学生たちは本編開始前からプラットフォーム上にあるSNSのような機能で、自発的に交流を始めたといいます。
「企業のイベントだと、開催日の当日、しかも直前にイベントの参加ページがオープンすることが多いと思います。しかし、例えば開催日の少し前からオープンして、参加者を巻き込んで一緒に盛り上げていきましょう!という空気と期間をつくっていけると、ある程度使い慣れて、交流のための機能を使うハードルが下がりやすくなったと感じます。実際に、先ほど岡さんが言っていた社員総会のようなイベントでは取り入れて、事前からイベントを盛り上げる空気づくりができました。今企画を進めているイベントでも、少し早くオープンしてこんなキャンペーンをやっています!とお知らせをしたり、Twitterと連動するようなアナウンスをしたり、工夫の一つに取り入れていますね。」(岩崎さん)
昨年12月に行われたBACKSTAGEのイベントも、まさに本番の2か月前からオープンし、順次コンテンツを投下していくことで、本番に向けて熱を高めていく工夫が盛り込まれていました。(その取り組みについては、Play Now!のレポート⑤で月刊イベントマーケティングの樋口さんが語っています。)企業のユーザー向けのイベントではまだ実践例が多くはありませんが、だからこそ新しい視点として取り入れられるポイントなのかもしれません。
オンラインイベントの使い方をどう考える?
引き続き、先ほどのセッションでの「今のオンラインイベントをどう見ている?」という質問に対して、『EXPOLINE』というサービスを提供している株式会社スプラシアの中島 優太さんは、「プラットフォームに求められていることが高度化・多岐にわたるようになってきた」といいます。「商談化しやすくするための工夫としては、プラットフォームに機能を付け加えるというよりは、どう運用するかに注目してもいいかと思っています。例えば、営業がお客様に対して自社のオンラインイベントに登録してください!とお願いするのも一つですが、見てほしいコンテンツの流れる時間帯にアポイントを取っておいて、画面共有をしながら一緒にそのコンテンツを見る、という使い方もあるのではないでしょうか。」(中島さん)
オンラインイベントの活用の仕方については、竹森さんからも「マーケティング戦略の中で、オンラインイベントは時間・場所にとらわれず、多くの人に情報を届けられることが特徴なので、一つのチャネルとして捉えられるようになると思います。例えば、展示会に出展する企業であれば、リアルな会場に誘致するために、事前にイベントで接点を持つことで興味を高めてもらう、という使い方もあるのかもしれません。どう使い分けていくかは、これからまだまだ可能性の広がるところだと思います。」と意見が出ました。
このセッションとは別の時間帯のセッションでも、オンラインイベントの使い方については事例が出ており、イベント内に自社のサービスにかかわる様々なコンテンツが集約されていることから、営業が会社紹介のために活用し、常設展示のように運用をしている企業もあるようです。
「イベントにどうやって人を集めるか?」という考え方から、「情報を届けるためにイベントをどう活用するか?」という視点に切り替えてみることも、イベントの新たな価値を見つけるヒントではないでしょうか。
2回目以降のイベントにある落とし穴
先ほどまでの、オンラインイベントのプラットフォーマーやプロデュース事業を行う、いわばオンラインイベントの協力会社の視点とは変わって、イベントの主催者側の視点に立ったセッション、「主催社に質問!オンラインイベント今の課題と期待」の中でも、主催者ならではの興味深い意見が飛び出しました。(左上)スマートキャンプ株式会社 高橋 洸平さん / (右上) 株式会社アペルザ 下宮 慎平さん
(下段)モード・マーケティング株式会社 森田 光一さん
「昨年初めてオンラインイベントを実施して、結果がよかったからと期待して2回目を行ったら、思うような結果が出なかったという他の主催者からの声を聞きます」と語ったのは、『未来のクルマ Technology ONLINE』というイベントを2社で共催している、株式会社アペルザの下宮 慎平さん。
「同じリストに対して、似たようなコンテンツを当て続けていても、当然ながら参加者は離れていきます。2回目の挑戦にあたって、いかに今までと違う人たちを呼び込み続けられるか、呼び込むための新しいコンテンツをどのように用意していくか、という課題に直面される方が増えていますよね。」
『BOXIL EXPO』を主催し、Play Now!後夜祭のセッションにも登場いただいたスマートキャンプ株式会社の高橋 洸平さんもこれには同意して、「BOXIL EXPOでもそうだったのですが、1回目はまさにオンラインイベントが目新しい時期の開催だったので、参加者の期待値もかなり高い状態でした。CPAもかなり低く抑えられましたね。」と実体験を語りました。
高橋さんは続けて、「2回目のイベントに挑戦される主催者は『何のためにイベントをやるのか』の軸をあらためてきちんと定めておくことが重要」だと話しました。
「BOXIL EXPOは参加者と出展者がマッチングするための展示会ですが、イベントによってはブランディング目的だったり、営業先のリストを作ることが目的というイベントもあると思います。集客への不安から、1回目は登壇者の人選にもこだわって自分たちの持てる人脈を最大限に発揮する企業が多いと思うのですが、2回目となるとなぜかコンテンツがぶれ始めることもあるんですよね。何のためにイベントをやるのか、どんな方向性のイベントにしたいのか、もう一度軸をきちんと定めておくことが重要です。1回目の結果や反省からあれもこれもやろうとすると、結局どんなイベントだったのかわからなくなり、参加者との期待値のズレが起こりやすくなります。
また集客でも、特にオンラインイベントが目新しい時期にやったイベントでは、前回と同じCPAを達成できるかは懐疑的になったほうがいいですね。前回の集客人数を上回らなかったからそのイベントは成功しなかったと判断するのが正しいのか。参加者の内訳で新規ユーザーをどれだけ獲得できたのかなど、KPIの設定の仕方も考える必要があると思います。」(高橋さん)
一方、このセッションとは別の時間帯のセッションでは、違う視点での意見も出ていました。
イベントの結果として、集客人数の数値を追うのも一つだろうという考え方です。それまでの過程はどうであれ、イベントで得られる数値はすべてを隠す。特にイベントの規模や興味・共感した人数を示す集客人数はインパクトが大きく、そこで数字的な結果が出れば、その他のうまくいかなかったことも隠れることがあるでしょう。ビジネスイベントである以上、主催者としてはつい逃げたくなる数値の結果も向き合い、徹底的にこだわるのも一つの選択肢なのかもしれません。
いつもと違う見方・やり方がアップデートにつながる
イベントのコンテンツを考えるにあたって、アペルザの下宮さんは「イベントの実行委員会に社外の人に参画してもらうチャレンジをして、とてもいい結果が出ています」と話しました。「アペルザの場合は、製造業に特化してサービスを提供しているので、イベントの開催にしても製造業ならではの技術や専門知識など、比較的ニッチな内容に踏み込んでいきます。そのため、自分たちの人脈だけではどうしてもコンテンツの内容や、どこかで聞いたことある話に偏ってしまう。それを打破するために、最近こんなトレンドあるんだというのを業界内の交流会の中で学んだり、社外の第三者の意見を取り入れていくと、見えてくるものがありました。」(下宮さん)
基本的に、企業のイベントでは自社の中だけで企画チームを立ち上げることがほとんどかと思います。しかし、例えばそのイベントの思いに強く共感をいただけている講演者や、講演はしないけれどともに業界を盛り上げようという思いのある関係者など、周りを見てみれば一緒になって何かをつくろうとしてくれる味方・仲間は、気づかないうちに近くにいるのかもしれません。
本イベントで設けられた展示コーナー。オンラインでの展示会も数多く催されるようになりました。
また、このセッションに飛び入り参加をしたbravesoftの岡さんからも、面白い事例が紹介されました。
bravesoftのお客様で、製造業、中でも食品加工業の会社に置くような機械をつくっている企業があります。それまで展示会などリアルな場所で機械を実際に見て、良さを体感してもらうようなアプローチばかりだったので、オンラインになったことでそれができなくなってしまい、企業にとってあまり喜ばしくない状況になったのではないか、と岡さんは感じていたそうですが、実はオンラインのほうがうまく情報を届けられそうだ、とお客さんから言われたそうです。それまで、リアルな展示会では周りの気温・環境の影響によって、機械がうまく動かないことがあり、オンラインになってその課題が解消できるメリットが出てきました。一般的に、実機を持つような製造業はオンラインと親和性がないと思いがちですが、意外とそうではない側面もありそうです。
ここまでご紹介してきたどのエピソードにも、「オンラインイベントってこういうものだから…」「前回こうだったから…」というような、ある意味自分の中の「当たり前」とは違う視点があったのではないでしょうか。ハイブリッド型イベントにも注目が集まる昨今。イベントの形も、オンラインイベントの活用の仕方も、まだまだ様々な可能性があると感じています。
私たちビッグビートも、より熱量が高まり、成果につながるイベントの在り方を模索し続ける企業の一つとして、これからも新しい視点からの情報提供・ご提案を続けてまいりたいと思います。