社長コラム 2023.01.26 クリエイター 堤章男のこと

60年ちょいと、まあまあ長く生きてきましたので、
両親を始め家族、友人や大好きな上司など
大切な人たちとのお別れも年相応に経験して参りました。

どんな人と出会うか、どんな関係で居られるか、そしてどんなお別れになるか。
それは、『どんな人生を送るか』とほぼ同じ意味であるように感じます。

1月が終わる頃になると、どうしても一人のクリエイターのことを思い出します。
いや、この時期だけに思い出すのではなく、いつも思い出しているのですが。



クリエイター、堤章男とは1990年頃バブル期の終わりに出会いました。

私は30チョイ前で、前職広告会社の営業マン。初めてチームリーダーとなり、少々イキっていた頃です。
彼は私よりもいくつか年上で、精鋭デザインオフィスでチームを率いるクリエイターでした。

ある時、彼の制作チームと私のチーム員の案件で少しトラブルがあり、
上長であった私はその制作チームを呼び出して、ここぞとばかり叱りました。

のちのち彼は『まあ、あの頃はブイブイ言わせてましたな(笑)』と言ってくれてましたが、
つまりは『なんだこの若僧!』が本音だったことでしょう。

そんな出会いから30年、彼とは多くの広告を創りました。
いくつかの広告賞もいただきました。

『広告とロックとお酒と家族が大好きな、クリエイターとアドマン』
と書けばなんとカッコいい響きのコンビでしょう!(笑)

彼は、デザインオフィスを自分で主宰しておりましたが、のちに当社の役員に就任してもらいました。

Bigbeat設立から20年が経ち
「これからの僕らの一番の仕事は、広告ビジネスの楽しさ、素晴らしさを若けえモンに伝えて、
もっともっとアドマンとクリエイターが活躍できるステージ(会社)にしていくことですね!」
なんて夢を語り、実際に活動し始めた頃、彼は急に旅立ってしまいました。

8年前の1月30日、東京に雪が舞った日のお別れでした。

どんな人に出会えるか、その人がどんな変化や機会を自分に与えてくれるか、時に助けてくれるか。

ビジネスを楽しめるかどうかだけではなく、幸せに生きられるかどうかは
そんな人との出会いと関係性がほとんど全てだと思います。

私はいつも誰かに助けられ、誰かに変化や成長の機会をもらいながら仕事をして暮らしてきました。
特に堤章男との出会いは宝物です。

『関わった全ての人がHappyを感じる!』

これは当社の経営理念でもあるのですが、
自分自身は関わった誰かを助けたり、チャンスを創ったりすることが少しでもできているだろうか?

と、本文を書きながら堤章男に問いかけてみました。

1月30日は若いのと一緒に、彼が大好きだったBARでウイスキーをやる予定です。


Bigbeat のガンマGTPバンド!
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