BigbeatLIVE 2021.02.04 凹んだ経験が、私の背中を押した「原点」【Bigbeat LIVE 2020 ~Day5~<前編>】

8月3日(月)~8月7日(金)の5日間、オンラインにて開催された『Bigbeat LIVE 2020』。
白熱した5日間の模様を、コピーライター小笠原の視点でお届けします!

『Bigbeat LIVE 2020』最終日となる5日目は、ライフ&ワーク セッションと題して、個人のキャリアや生き方について焦点を当てるセッションが行われました。『Re:社会人生 ~固定観念をぶっ壊し、「らしさ」で踏み出す生き方改革~』のセッションでは、それぞれの人生チャートをもとに、今に至るまでの様々なStruggleが語られ、波乱万丈な生き様のリアルが垣間見える内容となりました。

【登壇者】
kipples 代表 日比谷 尚武 さん(★)
株式会社Asobica CCO / Sansan株式会社 Eightコミュニティマネージャー 小父内 信也 さん
こそだてサポート株式会社 代表取締役 / FunTre株式会社 保育教育事業部 部長 赤松 卓人 さん
Chatwork株式会社 事業推進本部 事業企画部 カスタマーサクセスチーム 藤井 香苗 さん
(★はモデレーターを担当)
(※8月7日時点のプロフィール)



 

「どうあるべきか」より「どうしたいか」

4名の様々な人生観を伺う中で、比較的年齢も近く同じ女性という共通点から、Chatwork株式会社の藤井 香苗 さんのお話は、特に自分と重ね合わせながら聞くことができました。


Chatwork株式会社 藤井 香苗 さん。「やりたいことが多すぎるんです!」とキラキラした表情でお話しされました。

藤井さんは幼い頃から「働かざるもの食うべからず」という家訓を聞かされ、手に職をつけるために理系に進学。経済的に安定した社会人生活を送るべく、新卒で外資系大手製薬会社のMR職に就かれました。順調にキャリアアップしていけると考えていた矢先、中国の工場で火災が発生し、経営の雲行きが怪しくなってきたことを肌で感じ、今のままでよいのかを悩むようになりました。それから自発的にセミナーや勉強会などに参加するようになったことで、現職のChatworkの代表と出会い、「この人のもとで働きたい!」と強く感じて、その日のうちに転職したい意志を伝えたそうです。
幼い頃からの家族からの教えは、自分自身の常識や考え方のベースにもなるものだと思います。その教えに則って「こうあるべき」という生き方を選択してきた藤井さんが、ある出会いをきっかけに「こうしたい!」と自分が思う方へ舵を切ったという事実に、大きな驚きがありました。自分が「どうしたいか」という判断軸で働く場所を考えるという点では、前回のレポートに登場した皆さんとも共通点があると思います。

また、藤井さんは今、特にキャリアの面での自身のやりたいことと、大切にしたい家庭・育児とのバランスをどうとっていくかに悩まれていました。転職をきっかけに様々な人と出会うようになり、周りにいるキラキラした人たちに刺激を受けたことで、自身のやりたいことが目の前にたくさん広がっているそうです。そして悩みながらも、お子さんが成長してある程度うまく自分の時間が確保できるようになったら、副業を再開しようとの思いもありました。
ここにもやはり、藤井さんの「こうしたい」という思いが中心にあることがわかります。そして、悩みながらも自分のやりたいことをあきらめず、どうしたら実現できるかを考え続けている姿に憧れを感じました。藤井さんと比べて、今の私には自分自身のためだけに使える時間があります。いずれは結婚や出産というライフプランも経験していきたいので、この今の時間がとても貴重なものなのだとあらためて感じました。やりたいことは、「いつか」ではなく、「今」叶えること。私には「今」という選択肢があることを忘れず、自分自身に投資できる時間をどう使うのか、より真剣に考えるべきだと気づきました。


 

踏ん張った先の選択肢

株式会社AsobicaとSansan株式会社で活躍されている小父内 信也 さん、こそだてサポート株式会社とFunTre株式会社の事業に携わる赤松 卓人 さんは、自らの「どうしたいか」を軸として、つらい経験から学び、自分自身の手で「今」の選択肢を切り開いていました。

小父内さんは、25歳の頃に「40歳でセミリタイアをする」と決意して、それまでの自分から生まれ変わるほどの行動を起こしてきました。


株式会社Asobica / Sansan株式会社 小父内 信也 さん。セミリタイアを実現し、さらにパワーを増して活躍の幅を広げています。

「大学を中退し、昼間は工事現場、夜はクラブという生活に明け暮れ、いつしか自分は何をやっているんだと絶望のような気持ちが生まれていました。25歳で結婚したことをきっかけに、家族・自分自身・世の中の3つをきちんと幸せにする生き方をしたいと、生まれ変わる決意をしたんです。40歳でセミリタイアをすると決めたのもその時で、これは自分の中で選択肢を得たいという意味で、『好きなときに、好きなところで、好きな人と、好きなことを、好きなだけやる』、それを実現するために期限を決め、今何をすべきかを考えて、徹底的にやってやろうと思いました。」(小父内さん)

働き方はもちろん、20代後半の頃には3年間に1000冊以上の本を読んでインプットを増やすなど、時間の使い方を徹底的に変えた小父内さん。ちょうど節目の2020年よりセミリタイアを実現し、今は独立して複数の企業に籍を置きながら、新たなスタートを踏み出しています。

赤松さんの場合は、システムエンジニアからキャリアをスタートし、イベント制作や介護の仕事など、様々な職種に携わってきました。働きすぎて家庭を失うという大きな出来事がきっかけで、家族の大切さをあらためて認識し、今は家族に対して何ができるかを考えることが増えたそうです。息子さんが待機児童になったから保育園の事業を立ち上げたり、エンジニアの経験から自分にできることとして子供向けプログラミング教室を開設したりと、今の赤松さんは家族をベースに自分の働き方・生き方を広げています。


こそだてサポート株式会社 / FunTre株式会社 赤松 卓人 さん。「こういった場で話すのは初めて」とのことでしたが、赤裸々に語っていただきました。

「つらい経験もたくさんありましたが、それがあったから今を生きているのだと本当に思いますね。つらかったことも、何かを見て思い返せないと頭から抜けてしまっていることもありました。今でも不安を感じることがありますが、それを乗り越えた先に次があると実感するので、前向きに考えられます。」(赤松さん)

お二人はそれぞれに深く沈んだ時期があったことで、大切なものや目標が明らかになり、とにかく踏ん張って乗り越える経験をされていました。そしてその経験が今の働き方・生き方の選択肢を広げています。つらいときにこそ自分が動く、自分が何かを周りに与えるという行動の結果だと感じます。
『Bigbeat LIVE 2020』のエンディングでは、代表の濱口からも「大変なときにこそ、自分がGiveできることは何かを考え、Giveし続けなければならない」と話がありました。Giveを続けた先に、自分の得たい結果やハッピーを感じる瞬間があるのだと、私たちビッグビートは信じています。Bigbeat LIVEの場を作り上げることも、あの時に私たちができた一つのGiveの形でした。今しばらく私たちの得意とするイベントの領域を中心に、これからのGiveを形にし続けていきたいと思います。


 

多様性の中でのアイデンティティ

小父内さん・赤松さんのように複数の肩書を持つ方も増えた昨今。kipplesの日比谷 尚武 さんもまさに多くのコミュニティに属し、たくさんの肩書を持つ一人なのですが、日比谷さんからは多様性を煽りすぎることの危機感について話が出ました。


kipples 日比谷 尚武 さん。素晴らしいモデレートで、和気あいあいと本音を話せる空気をつくっていただけました。

「多様性があることが素晴らしいと言われる一方で、自分には選択肢がないと感じたり、自分の選択が良かったのか不安になることも増え、結果的にアンハッピーな状態になることもあると思っています。また、私自身も『○○の日比谷さんですよね!』と声をかけられる、その○○に入る肩書が増えたことで、自分自身でも何をやっている人だったか…と自分自身のアイデンティティが揺らぐ経験もありました。多様性を煽りすぎることも良くないと、最近感じています。」(日比谷さん)

日比谷さんの考えは、Bigbeat LIVEのあとに、より詳しくCOMEMOの記事としても掲載されました。

様々なコミュニティに所属すること、副業もしながら自分だけのキャリアを形成していくこと、それ自体が正義ではないのだと、日比谷さんのお話には説得力がありました。日比谷さんは「好奇心」に従っていろいろなことに挑戦するのが好きだというご自身の気持ちもあって、今のキャリアを選択されています。
働き方の選択肢も増え、自分の考えを発信できる場も増え、常時誰かとつながっている現代。だからこそ、自分がどうありたいのか、自分の居場所はどこか、というのが大切になっています。その居場所は、一つでも二つでも、自分が決めたところであればいいのだと、私は思います。誰かと比べるのではなく、自分と向き合い続けることに意味があり、自分の未来を自分で考えることが必要なのだと感じました。
長い社会人生活の中で、私の過ごしてきた時間はまだちっぽけなものです。これから先もたくさんの人と出会い、様々な生き方に触れ、自分自身を見つめていきたいと強く思いました。
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