社長コラム 2020.04.27 「Rockup!」 工夫と笑顔でこの現状さえも楽しんでやる!

私どもBigbeatが行なっているコロナ対策を書き留めました。

私は2月の最初の週にタイとミャンマーに出張しておりました。
その頃は、コロナがここまでの規模になるとは想像もできず、中国を結ぶ国際線もまだ飛んでいました。
海外への渡航は少し気になるくらいで、取りやめるほどの危機感はありませんでした。
わずか2ヶ月前はまだそんな状況でした。

ただ、バンコクのホテルのTVニュースで観た武漢の様子に物凄い恐怖を感じました。
東京ではなく旅先、海外であったから自分自身のアンテナの感度が上がったのだと思います。
「これは上海も北京もダメだ!となると中国自体だいぶやばいぞ。。。」
とボンヤリと思いました。

高層ホテルの窓からバンコクの街並みを眺めながら、
「バンコク、これだけの都会が同じことになったらどうなるのだろう?
あれ? まてよ、東京が大丈夫って本当に大丈夫? なぜ大丈夫と俺は思ってるの?」
とウイスキーの酔いがまわってくるにつれてさらに怖くなりました。
 

バンコクの街並み

「これはある意味、戦争より怖い。病気としては未知なことが多い。
さらに、人と人、人と組織、組織と組織、国と国などあらゆる信頼関係を壊してしまう可能性がある。
拳を握りしめて踏ん張って!みたいな頑張り方、戦い方とは違うのでは?」
と感じました。
 
東京に帰り、2月10日より段階的に行った当社の取り組みを以下に書きました。

私どものような広告会社は、工場や何か特別な施設は持たないためテレワークには適しています。
以前より、クラウド上の社内データには持ち出し用パソコンにより外からアクセスできる体制でした。
親族の介護のために、短期間ではありますが四国の実家から就労した経験があるスタッフもおります。
ですが、全社員での取り組みにおいては、やってみてわかったことも多くあり、都度変更、改善が必要です。
 
2月中旬より、
『原則、テレワーク、在宅勤務を! 出社の必要がある場合は混雑した電車を避けて時間を調整する。
出社か否かについて、事前に上長の許可はいらないが、必ずサイボウズ(スケジューラ)に記載する。』
からスタートし、段階的に引き上げていきました。

この期間に出社している者は平均十数名ほどでしたが、この体制での業務支障はほとんど感じませんでした。
テレワークと言っても、「100%自宅」ではないので、おそらくは近所のカフェやスペースも活用していたと思います。
「空いてるカラオケボックスからプレゼンした!」という声も聞きました。
 
3月後半になると情勢はさらに悪くなり、イタリアやアメリカの惨状を知ります。
東京がニューヨークのようにならないと誰が言えるのか、いやなると思って対応しなくてはならないと思い、
出社も外での打ち合わせなども全面的に禁止することにしました。
「会社が禁止している」という説明が個々の現場においても必要です。
何よりまず、自分と自分の家族の身を守るために「お家にいよう!」しか選択肢はありません。
 


オフィス入り口に張られている張り紙

『LOCKDOWN 』ではなんか気分がダウンしそうなので、この戦いを『Rockup!』と命名。
意味は全くありません、気分です。
 
ここまでの方針について、社内では色んな意見がありました。
当初はやはり、

「新型コロナと言っても、インフルエンザ、風邪の類でありそれほど神経質にならなくても、、、」
「一種のサービス業なので、クライアントさんの意向があれば行かざるをえない」
「在宅勤務中のチームワークの維持や、仕事の分量など不公平が出ないようにしてほしい」
「うちは在宅でも、家族が勤務する会社はそうでないのでリスクを感じる」
「物理的に働けるスペース、椅子や机が自宅にはない!」
など様々です。
 
アメリカ人とイタリア人の仲間もおり、祖国がそれぞれ大変な状況です。
そんな中、日本という海外の地での不安はより大きいと思います。
 
何が正しいかわからず、準備も万全とは言えない中でしたがとにかくやってみよう、
適宜、状況を見て変更していこうで進めてきました。おそらく多くの企業も同じような状況であるでしょう。

Bigbeat Rockup作戦は本日4月27日で78日目になります。

オフィスがあるホテルニューオータニは、インバウンドのお客さん、政治家や企業のパーティで
超満員だった数ヶ月前と様変わりし、今はタワーを閉鎖、多くあるレストランもほとんど閉まっています。
この時期、ニューオータニの前の通り沿いには、八重桜がとても綺麗に咲きます。
内の状況と外の景観に凄まじいギャップがありました。
 
私は徒歩で数分の所に自宅がありますので、共に経営する妻と二人でオフィスでの留守番を続けております。
普段は60人近くの仲間と過ごすオフィスに、二人だけ。。。
家賃を考えると、チョー贅沢な環境ですが、寂しいです。
この最中でも電話による飛び込みセールスがかかってきます。
人材系の会社とM&A関係のセールスが多いようです。逞しいです、ある意味驚きです。
 
『お世話になります! 濱口社長さまの秘書の方いらっしゃいますか? M&Aについての情報が
ございますので、ぜひ濱口社長様に聞いていただきたくご面談の機会をいただきたのですが!』
 
「あ、ハマグチは秘書いないですよね」(と本人)
 
みたいなやり取りとか、この時期ならではの新入社員によるセールス研修的な電話もかかってきます。
「こんな最中大変だなぁ、、せめて優しく対応してやろうか、いや、それでは社会の厳しさが分からんかな、、」
などと思いつつ、暇なときは他社さんの新人セールス研修に少し付き合ってます(笑)
 
日課はこんな感じです。
8時半頃にオフィスに行き、サイボウズ掲示板に掲載するメッセージを書きます。
あまり危機感を感じるメッセージが続くのもよろしくないと思い、
時折は(いやかなりの頻度で)マヌケな内容ではありますが、何かのメッセージを送ることを
毎日やろうと決めました。実はネタ切れに困っている今日この頃です(笑)
 
9時半の始業時刻にはチームによっては独自に「おはよー!」と繋がっているようです。
 
10時からは、PEP TALK 的になれば、と思い原則全社員が集合して顔合わせします。
だいたい15分程度。締めは持ち回りのリレー方式です。
今日もガンバロー!オー!的なシュプレヒコールをする者もいれば、
全員参加ジャンケン、ピコ太郎を唄う者、社内で撮ったとっておきの動画で大爆笑、
昔話をして勇気付けるベテランなどそれぞれの個性が出て面白く続いています。
 
全員集合の後は、11時すぎくらいまで今年の新入社員たちと研修というか半分は世間話しが続きます。
これは例年4月から8月末まで、原則毎朝8時半から9時半まで1時間(時にはそれ以上)開催する
『DNA MEETING』と呼ばれる、ある意味当社名物の行事のオンラインバージョンです。

火曜の15時からと、木曜の19時からはオンラインでのヨガレッスンを開催しています。
当初は社内のみでしたが、お取引先の皆様にもお声がけし、多い時には40名ほどのご参加をいただいて
おります。呼吸法とストレッチを中心としたYOGAはこの状況での心身のリラックスと運動には
最も適しています。一人で黙々とやるのではなく、インストラクターと参加者がオンライン上で繋がった環境がすごく
良い感じですね。

https://www.facebook.com/bigbeatjapan/videos/225776571833182/


ヨガの〆の挨拶 

17時からは毎日役員会です。役員会と言っても、誰でも参加可能なスタイルです。
毎回10名ほどのメンバーが入ります。
私は参加してないですが、金曜の夜は最近はやりのオンライン飲み会も開催しているようです。
 
もちろん、全部オンラインはストレスもあります。
何より仲間が近くにいない、すぐ会えない寂しさもありますが、同時に大きな利点もあります。
オンラインを楽しめるようになれば、コロナ収束後もデジタルとライブをうまく活用していける気がします。
 
こんなコミュニケーションを、今は「ZOOM」というアプリケーションにお世話になっています。
セキュリティ面で色々問題も指摘されたようですが、どんどん改善しているようですね。
コストと性能を考えるとなかなか優れものです。
 
オンライン上のコミュニケーションにおいて気づいたことがあります。
それは、ディスプレイ上でどうやって感情や意見をうまく表現するか? ということですね。
当社の場合、当初はビデオオフでの参加者や、ビデオオンの場合でも暗ーい所に顔だけボーっと浮かんでいるような人もいました。
私は、それを「うしろの百太郎!」と命名したのですが、ほとんど通じなかったです。(そりゃそうだ)
逆光で顔が真っ黒、とかスクリーン機能でバック映像をいれたのはいいけど、顔が溶けて恐怖な感じの顔になる人も。。。
 
ビデオ機能のあるWEBミーティングを開催しているわけですから、顔を出して最大限のコミュニケーションを
実現しなくては意味がないと思うのですが、特に女性たちに意見を聞くと、お化粧とか、映り方とか、
何より自宅の模様を公開するのは嫌、という意見が多くありました。
部屋の中を見たいのではなく、その人の表情、笑顔を見たいことを伝え、オンラインをもっと楽しむよう呼びかけました。
どんなお部屋でも、壁が映るようセットすれば家の中は見れませんね。要は工夫であり、これも変化です。
 
今は、ほとんど(事情がある場合を除き)の人が笑顔を見せてくれるようになりました。お子さんやペットの同伴も楽しいものです。自作のハワイアンキルトを毎回バックに掛けて見せてくれたり、
世界各地の画像をグリーンバック上に綺麗に表現したりと、どう見えるか?を、楽しんでくれている人も増えました。

また、WEB会議中の参加者のリアクションについても、出来る限り大きくジェスチャーするのが良いですね。
リアルでやると『欧米か!』ってツッこまれるくらいオーバージェスチャーな感じが良いです。
日本人にはちょっと馴染まず、恥ずかしいけど。。。
 
サイズ的には画面の横半分に表情がわかるくらいの大きさで顔を出すくらいがちょうどです。
真ん中に顔がドーン!はちょっと怖い(人にもよるけど)。
あとは、太陽光の当たり方、やライトの向きにも気を配ることです。
私はディスプレイ(カメラの部分)を一拭きしたらクリアになりました、つまりレンズが汚れてた。。。
リアルにお会いする時に、身だしなみその他に気を配ると同じことです。
その方が楽しいです。
 
なんでもやってみる、楽しもうとする、が肝要ですね。
今は、初対面の人とZOOM面談の際の名刺交換について上手い方法がないか考えています。
 
強い者、大きな者が生き残るのではなく、環境に適応して変化できる者が生き残り、
未来へと成長していくことをZOOMの受け入れ方を見ていても感じるのです。
 
この状況を『楽しむ』というと誤解されるかもしれませんが、受け入れ、できるだけ笑顔が
作れるよう仲間たちとのつながりを心がけていくことが未来への変化に不可欠だと信じています。
物理的にはStay Home でも笑顔で繋がる仲間を持つこと、そして受け入れることが未来に繋がります。
 
Bigbeat Bangkok ではこんなVTRコンテンツを作成し配信しました。
海を渡っても我々のDNAは変わらぬようです(笑)

 

2020は人類の歴史でも語り継がれる年になりますね。
みなさまどうぞご自愛くださいませ。

Recommend
Ranking
  1. 旅する広告屋 Think Local & Go Global !
  2. 【ビッグビート流内定式】広告という仕事の入り口に立った日
  3. Excelの入力制限―原稿の文字数上限を設定する
  4. 【2019年版タイレポート】 実はバンコクってこんなところ!
  5. マーケティングとデザインで未来を変える〜25周年特別企画・第6章クリエイター平田さんとの対談〜
Mail magazine