Bigbeat 2020.05.14 「デザイン」とは、歴史と想いを伝えること|アカウントチーム・長田

「ビッグビートの部屋~PEOPLE~」へようこそ
仕事もプライベートも楽しむビッグビート社員たちのウラ側(オモテ?)を、ちょっぴりお見せするコーナーです。
(注)時々マニアなネタも飛び出します

Today’s ~長田の部屋~

「アートではなくデザインをやりたかった」というアカウント(営業)チームの長田。そのルーツは古着にあった。

ビジネスにおけるデザインには「機能」が欠かせないという。
アートとデザインの違いとは? なぜデザインには機能が必要なのか?長田の視点に迫ります!

   

 

デザインと古着に共通するものは「ストーリー」



――ビッグビート での仕事は?

長田:
アカウントチームに所属して8年目になります。去年までは課長として、チーム全体の年間スケジュール管理をしていました。今年から体制を一新し、よりクライアントフォーカスで、イベントのほか、クリエイティブに携わっています。

――仕事以外で好きなこと、夢中になっていることは?
 
長田:
学生の頃から流行りものに関心があって、常にアンテナを張っています。具体的には、古着に音楽、90年代のアメリカのポップカルチャー、落語。最近はアンティーク時計も好きです。

――それぞれ色々語れそうですね。一番最初にハマったのは?

長田:
古着です。ベタですがキムタクの影響でアメカジに興味を持ちました。


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ただ、実家があったのは、98%が森林、居住区は2%だけという静岡のど田舎で、流行に関係するものは一切なかったんです。高校で磐田市に下宿してからは、部活終わりに浜松の古着屋へ遊びに行くようになりました。

アメカジからそのままアメリカの音楽やポップカルチャーへの関心が広がってきました。興味があるものにはとことん突き詰めていくタイプです。

――ひとつを深めることで新たな興味が広がって繋がっていったのですね。古着の魅力とは?

長田:
古着には必ずストーリーがあるところですね。たとえば「この服は何十年代のこういうタイミングできた」「今は一般人が着ているけど、実はアーミーが使っていた」といった物語がある。

古着屋さんの人たちって、アメリカまで買い付けにいくようなオタクばかり(笑)。
だから、初めての店でもひたすら話を聞くと、古着の歴史だけでなく想いがストーリーとなってあふれ出てくるんです。

――古着には歴史と想いが込められていると。

長田:
だから古着が好きなのかもしれません。

その「好き」の感覚は、今の広告代理店の仕事にも通じるものがあります。僕たちの携わっているデザインの仕事には、クライアントの歴史や想いが詰まっていますから。

 

アートとデザインの違い

長田:
僕は、広告代理店を題材にしたドラマの影響で大学でデザインを学んだのですが、当時からアートではなくデザインに惹かれていたんです。

ですから、レイモンド・ローウィ、アンディ・ウォーホルといった、アートといっても商業よりのデザイナーを中心に研究していました。

――長田さんの考えるアートとデザインの違いは?

長田:
色々な定義があると思うんですけど、アートは一人称の表現。基本的に自分の関心だけなんです。

デザインは、クライアントの想いやエンドユーザーの趣味嗜好、デザイナーのクリエイティビティなどがもっと多層に関わっています。第三者、第四者という見えない想いを引き出してデザインできることに惹かれています。

――クライアントとエンドユーザーの間の編集がデザイン。


長田:
ポスターひとつとっても、そこに会社のバックグラウンドや想いを伝えるための媒介としてデザインしていく。
僕の好きな “バックグラウンド” の部分を世に広めるためのデザインの方法が、広告代理店の仕事といえるかもしれません。

 

落語は優れた「デザイン」である


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――デザインや趣味(古着や時計など)関わる時に、特に大切にしていることは?


長田:
歴史とコンセプト(想い)です。

例えば時計のブランドでいうと、ロレックスは万人受けする高級路線で、チュードルはロレックスに手が出せないような一般人向け、IWCはもともとパイロット向け、というように、ブランドには歴史に根ざしたコンセプトがそれぞれあります。

――時計に限らずですが、単に見た目の格好よさだけに注目する人もいますよね?


長田:
格好よさにはトレンドがあります。時計の例を続けると、フランクミュラーは10年前、ガガミラノは本田圭佑の影響で5年くらい前、最近はウブロが芸能人がつけていて流行になっています。
でも、流行が去ると注目度は一気に下がります。それは歴史や想いの視点で買われていないから。

ヒストリーや想いという、流行に左右されない魅力やそれをデザインすることに興味があるんです。

――なかなか届きにくい価値を伝えるのもデザインの力。


長田:
コンセプトは歴史の奥にある普遍的なものを一言で伝えた想いですから、それをどうすれば効果的に伝えられるか。このブランディングもデザインの見せ所です。

そうしたブランディングというか伝え方という点では、落語のデザイン性の影響も大きいです。

――落語がデザイン?


長田:
能や狂言のような日本の伝統芸能の中でも、落語は一番観客に寄り添っている感じがします。お客さんの雰囲気を見ながら演目を変えたり枕を変えたりトーンを変えたり。時事的なものも入れたりと、常にお客さんの方を向いていますね。
これもデザインなんです。

 

デザインにはコンセプトを伝える「機能」が必要



――デザインするときに大切にしていることは?


長田:

うちの代表もよくいっていて、僕も同意していることの一つに「デザインには『機能』がなければならない」というのがあります。

――ここでの「機能」とは?

長田:
一言でいえば、機能とは「歴史とコンセプトを伝えるための一つの指針」です。

例えば、最近BtoBの企業でも芸能人を使ったCMや広告が増えてきていますよね。芸能人を使うことは認知度が上がりますし、一定の効果はあると思います。

ですが芸能人を使う、格好いいデザインで広告を作るということに気を取られ、何が伝えたいのかわからない広告があります。それって意味がないですよね?

格好いいコピーワークよりストレートに伝えるほうが伝わるのでは?文字の色や大きさは・・・?と、格好いい広告、話題性のある芸能人だけでなく、ターゲットへの伝わり方を考える。

こうした伝えるべき本質を伝わるようにすることが機能だと考えています。

 

型にはまらない、歴史と想いを伝えるデザインを

 

――デザインと、古着や時計に触れるプライベートは一貫している?それとも別々?


長田:
仕事とプライベートのオンオフという意味では、はっきり分かれています。もちろん、好きな服や時計ブランドのメーカーと仕事をやりたいとは思いますが、さほど重要ではありません。
ただ、「歴史」や「想い」を大切にしたい、という考え方は、仕事もプライベートも一貫しています。

――これからやってみたいことは?

長田:
企業の根幹のブランディングに関わりたいですね。
歴史や想いをデザインでアウトプットし、どう発信していくか。トータルな設計をお手伝いしたいです。

――今年から新しい役職ということで、デザインの幅も広がりそうですね。


長田:

はい。
慣習や型にとらわれず、これまでにないようなデザインにどんどん挑戦していきたいです。
 
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