社長コラム 2019.12.04 代表濱口、2019年の自分と広告業界を振り返る

2019年も12月、師走になりました。

「いやー、一年経つのはほんま早いねぇ!」とこの時期のご同輩たちとの定番会話です。
そんな友との宴席では、日本酒片手に「子供の頃は一年が延々続いたもんやけどなぁ!」みたいな昔話をひとしきりして、、
その後、人間ドックの成績やあそこの具合が悪いだの、どこの病院がいいかみたいな不健康自慢、そして定年制度への
嘆きや年金情報を交換しあい、最後は「で、お墓どうすんの?」みたなエンディングです。


※イメージです(写真中央:濱口)

10歳の1年は10分の1で、57歳の1年は57分の1なのでその割合通りのスピード感で時は進みます。ドッグイヤーではなくジジイタイムですね。このように自然の摂理?としても時が経つのは加速するのですが、社会の変化は確かに加速しているように感じます。

半世紀くらい前のSF小説や映画では、2020年あたりは車は普通に空を飛んでいるし、人間と区別のつかないロボットが活躍しているし、もちろん火星に移住だってしています。

しかし現実はまだそこまでには至ってないのですが、情報とコミュニケーションの技術の変化はおそらくSF的想像を大きく超えています。例えば2019年が舞台の映画「ブレードランナー」(1982年公開)で描かれているICT分野だけは現実の方が進化していました。

海外からのテレビ生中継は、ケネディ大統領暗殺の時代に始まりました。半世紀前です。
今、世界に向けてLIVE配信することはスマホのボタンを何回か操作することで誰にでも可能です。しかもその利用料はほとんどの場合、無料。0円で可能です。地球上のあらゆる情報を得ることも同様に、ほぼ0円です。

「タダより高いものはない!」とはよく言ったものですが、「なぜここまですごい技術がタダで使えるのか?」についてあまり考えない、というか、最初から自然に「そういうものだ!」という感覚になっています。NHKを除く民放放送をタダで見ても何も違和感がないのと同じですね。

子供の頃、プロレス中継を一緒に観ていたお祖父ちゃんは「なんでこんな宣伝ばっかりながあゃ!馬場をもっと観たいがぁやににゃあ」とボヤいておりました。

白黒テレビ

民放の場合、「広告に付き合う」という行為とエクスチェンジして大好きなドラマやプロ野球中継、歌番組が見られるわけです。テレビのコンテンツを楽しむ行為をスポンサー制度ではなく、つまり広告をなくしてコストを視聴者で頭割して請求されることになった場合の金額はいくらくらいになるのでしょう? 電気料金のようなシステムをテレビ放送が取り入れていたら、今とはずいぶん違う形になったでしょう。あんまり面白いコンテンツは生まれなかったのでは?と予想します。

良くも悪くも、この仕組みが発展する片棒を担いで来たのは広告会社です。
孫が広告会社で宣伝の仕事をやっていることを、TV広告の多さに嘆いていた祖父が天国でどう思っているかわかりませんが。。。

出来るだけ良質なコンテンツ(TV番組)の制作のためにスポンサーを集める。
できたら、より高い宣伝費が望ましい。
そのためにスポンサーにより信頼してもらえるよう、広告が効果を出せるよう、広告制作にも熱が入るわけです。

時に広告が世の中の空気を創ったり、大きなブームになることもあります。
メディアとスポンサーの間に入ってより良い情報を社会に提供していくことが広告会社の役割でしたが、このようなメディアと広告と社会の関係は激変し、終息を迎えようとしています。

検索やSNSも実はタダではなくて、気づかないうちに自分の何かとエクスチェンジしています。
今の主たるそれはデータですね。

何を検索したか、どこにいるか、誰とつながっているか、何をつぶやいたか、、などなど「私ってこんな感じ」っていうデータを差し出して、その見返りに最新テクノロジーをタダで使えるのです。

「片手のスマホはヨメより、上司より、下手したら自分よりも俺のことをよく知っている相棒かもな!」
「お前がどんな奴か、オレ様(スマホ)にはお見通しよ!」みたいな会話が酒席のネタになります。

先日も、検索データを企業などに提供するサービスが発表になりました(個人情報ではない)。
誰がいつどこで何を検索しているか?とか、自社がライバル会社と比べてどのようなワードを中心に検索されているかなどを分析できれば、極めて重要な経営の指標になることは間違いありません。

しかし、クルマ社会が事故や排気ガスなど環境問題と向き合い続けてきたように、社会がより良くなる技術の発展途中、時に大きな問題が起こります。
例えば、ある大手の就職情報企業が、Cookieを利用して学生から集めたデータから内定辞退の可能性を数値化したものを、学生の同意なくクライアント企業に販売し、大変な問題になりました。その会社はプライバシーマークを剥奪され、企業規模によっては経営基盤が揺らぐほど社会的信用が傷つきました。

そんな時代に憤るか、怖がるか、鎖国するか、はたまた活用し、楽しむか。。。

どんな時代になろうが、よりHappyな未来、社会になるための片棒をかつぐのが、広告会社の使命であり続けたいと思うのです。
私たちの役割も激変中ですが、それを楽しんでやっていきます。


さて、おかげさまで57分の1の今年もえらく楽しい一年でありました。
Bigbeat LIVEに、ニシタイ、生・おきゃく、ロックライブもやりました。

このようなコラムにもお付き合いいただきありがとうございます。
甚だお粗末様でありますが、来年も加速して参ります!
引き続き、お付き合いいただければ幸いです。


横浜元町にある老舗ダンスホール「クリフサイド」にて
 
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