マーケティング 2019.07.22 社会人2年目が13時間密着してわかった、小島英揮さんが選ばれ続ける理由

昨年のBigbeat LIVEに引き続き、今年のBigbeat LIVE第1ステージにご登壇いただく小島英揮さん。コミュニティマーケティングの本も出し、パラレルマーケターとしての活躍を広げ続けています。

そんな小島さんの活躍の秘密を伺ったインタビュー記事を見ながら、ニシタイ編集部員は思った。
「小島さんが選ばれる理由はわかったが、
実際どんな人に、どんな理由で選ばれ続けているのだろうか?」「自分のような新人はそこから何を参考にすればいいのか?」この記事はそんな疑問に答えるべく社会人2年目の二シタイ編集部員が、はた迷惑にも小島さんに13時間密着取材を通して調査してきた、その報告書である。。。

AM 10:00-AM 11:00


                                          イケてるAI会社のエントランスに興奮するAM 10:00

小島さんに集合場所に指定されたのは、白金高輪にあるABEJAさんのオフィス。こちらのABEJAさんは小島さんがお持ちの名刺のうちの1つの企業である。早速、10:00からミーティングということで二シタイ編集部員も同行した。そして、二シタイ編集部員はいきなりパラレルマーケターの洗礼を受けることになる。

なんとABEJAさんのオフィスで、同じく伴走先の企業であるAuth0さんの方とのテレカンが始まったのである。小島さん曰く「オフィスの一角を借りて、別の伴走先とのテレカンはよく行っている」とのこと。複数企業に勤めると時間と場所の制約が起きるため、ある企業のオフィスで別の所属先のオフィスとテレカンする光景はパラレルマーケターにとっては当たり前なのかもしれない。


                      複数の伴走先と「パラレルに」仕事を進める上で、場所にとらわれないコミュニケ―ションはむしろ合理的と言える

今回、特別にミーティングのお相手であるAuth0の徳永さんに、今回のミーティング内容と小島さんの魅力を聞かせていただいた。

-どのようなミーティングだったのですか?

徳永さん
「Auth0の今後のマーケティング戦略について、小島さんに相談していました。今は戦略の立ち上げ期なので、今回確認してもらった計画を定期的に小島さんに報告して、フィードバックをもらうような形になっています。」

-小島さんの魅力とは?

徳永さん
「やはりAWSの日本での市場を立ち上げ、日本市場を米国に次ぐ第2位の市場に成長させた実績ですね。もちろんその要因であるコミュニティーマーケティンングの知見にも期待をしていることはありますが、日本には大きな市場規模がありながら、ビジネスをなかなか広げられない外資系企業が多い中、この実績はすごいですよね。」

このように小島さんといえば「コミュニティマーケティング」についてフォーカスされがちだが、AWSでの実績をみると「コミュニティマーケティング」だけでなくオールラウンダーのマーケターであることがわかる。

AM 11:00ーPM 13:00

その後、30分ほど資料作成を行ったのち、”ABEJA社内のミーティング”を立て続けに2本行った。
1本目は「経営、事業、営業、マーケティング、それぞれの視点から見た自社カンファレンスの立ち位置について」、2本目は「直近のPR施策の壁打ち」といった内容であった。


                                                    ついにABEJAさんのオフィスでABEJAさんのミーティングが…!

1本目の会議に参加された、外木さん、足立さんからは「組織間の様々な立場の主張から、AかBのニ項対立ではなく、お互いの利害を満たすようなCを提案してくれる点」、2本目の会議に参加された一ノ宮さんからは「多様な立場の人の考えを言語化する能力」といった点で小島さんを推薦するような声を聴くことができた。

成長の段階でおこる組織の細分化によって、組織間のギャップが起きやすいベンチャー企業にとっては多様な視点から意見をもらいながら、ゴールをぶらさずにアドバイスをくれる小島さんの存在は非常に助かるようだ。

PM 13:00ーPM 15:30

引き続きABEJA内で仕事をしたのち、昼食はカロリーメイトで済ませ、足早に次の目的地へと移動した。ちなみに小島さんといえば”ラーメン”と思っている読者の方もいるかもしれないが、ラーメンショットは深夜がおおいので、この記事ではラーメンショットは掲載されないことを先にお伝えしておきたい。
次は「INEVITABLE ja night 」の YouTubeの番組「INEVITABLE TV」 の収録のため六本木にあるGoogleさんのオフィスへと向かった。



                                                             行けばテンションの上がるオフィスNo.1のGoogleである

PM 15:30ーPM 17:00 

YouTube番組「INEVITABLE TV」の収録の様子は事情により撮影ができなかったため写真はないが、当日収録した内容は以下から視聴可能の予定だ。あまりその技術の詳細を知らなくても、技術やそれによる人の行動の変化に関心があれば楽しめるような番組構成になっているので、ぜひ参照いただきたい。



打ち合わせの最中、「この表現、事例は伝わるのか」「番組の中でどこにおもしろさのピークを持っていくか」と常に主語が受け手の会話が繰り広げられていた。一緒に番組を製作しているGoogleのスタッフの方は「多様な企業にかかわりマーケティングをサポートしていらっしゃるので、その経験はコンテンツを作る際に新しい見方の発見にも繋がっています。」とパラレルキャリアならではの視点を評価していた。

PM 17:00ーPM 22:00

Youtube番組の収録後、続けて同じく「INEVITABLE ja night」の第9回目のオフラインイベントの打ち合わせを社内カフェで行い。イベント会場へと向かった。


                                   #inevitableja で検索すればイベントの様子がわかるので、ぜひ検索してみてください!

今回のテーマは「デベロッパーカンファレンスから読み解くテクノロジーの不可避な流れ」ということで、小島さんが先日アメリカで見てきたAmazon初のカンファレンスイベント「Re:MARS」を踏まえた、技術トレンドについて議論をされていた。

もちろん、このイベントでも参加者にアウトプットを呼びかけ、500件近いツイートを生み出している。小島さん自身も、密着の一日を通してSNSのタイムラインを眺めて終わりという時間は全くなく、SNSを開くときは必ずなにかしらのアウトプット(投稿、ツイート、コメント)を行っていた。

PM 22:00ーPM 23:00

                                     10月に開催されるCLS_高知の詳細についてのミーティング、いつ休まれるんだ。。。

イベントが盛況のうちに終了したのを見届けた後、すぐにタクシーを捕まえて自宅へと向かってしまった。時間も午後10時である、さすがに車内で一息つくのかと…思いきやおもむろにイヤホンを取り出し、なんとテレカンを始めてしまったのである。結局、目的地に到着するまでの移動時間50分全てテレカンで終わってしまった。


                                                  もはや小島さんがどうか、わからないが恐らく帰宅する小島さん

こうして、自宅近くについた小島さんは23:00に悠々としながらご自宅のある住宅街へ消えていってしまった。。。

 

小島さんはなぜ、選ばれ続けるのか?

13時間密着し、また関わっている方々へのインタビューの中で感じた小島さんが選ばれ続ける理由、それは「圧倒的な行動量」「伝えることへのこだわり」である。

13時間の密着の中で小島さんは休む間もなく、ずっと何かしらの仕事を進めていた。
しかし、小島さん曰く外から見れば絶え間なく働いている印象のある今より「AWS時代のほうが働いていた」という。

Auth0の徳永さんが「AWS時代の実績」を選ばれる1つの要素と紹介したように、確かにAWSでの実績は小島さんを最初に「選ぶ理由」としては間違いなく機能している。しかし、一方で「選ばれ続けている理由」としては現在の圧倒的な行動量ではないだろうか。過去の小島さんの努力や行動量が今の圧倒的な行動量を支え、選ばれ続ける結果を生み出している。
もちろん時間がすべてではないし、時間をかけるにしても「選択と集中をした」という前提条件があってこそである。しかし望むような実績を出すためには泥臭く、粛々と実行してきた過去の努力が今の小島さんの行動力を支えているのではないだろうか。

そして、もう1つの「伝えることへのこだわり」である。
相手に理解してもらうために「どのような相手に」「何を」「どう伝えるか」を徹底して考えているということ。
打ち合わせの場面では受け手の反応を想像し、普段の会話の中では常に自分自身の言葉で言いかえ、相手と自身の理解を促すことを常に意識しながら話す。これは特別なことではないが、どこか相手が理解してくれるという期待をもって接してしまうと、相手の本当の理解につなげることは難しい。

小島さんに何かを伝える時に意識していることはあるか質問したところ、以下のように返ってきた。

「話す前に相手にどう見えているか、どう考えているか、まずはそこから考えます。その上で相手にあった内容、表現や言い換えを行うことは常に意識しています。でもそれはパラレルマーケターに関係なく、色々な人と出会う方なら相手が理解しているかどうかを常に気遣っているはずです。もしその点で自分自身が評価してもらえているのであれば、もしかしたら多くの人はあまり普段意識していないのかもしれませんね。」

「マーケの基本である”相手に動いてもらう”ということで言えば、相手にとって何かわからないものは動こうとは思いませんよね。
わからないのに動かしているのはだましているか、脅している時ぐらいです。なんでこうなるかを説明したほうが相手も気持ちよく動ける。相手に理解してもらってから動いてもらった方が結果的にいいんです。」

相手が行動しないと意味がない、という考えは小島さんが進行するイベントでの参加者が発するツイート数にも見て取れる。同行取材日のイベント、「INEVITABLE ja night」では、500件近いツイートがあったし、前日の「CMC_Meetup」では、800件を超えるツイートこうした小島さん起点のアウトプットの連鎖は東京の大規模イベントだけでなく、地方都市での小規模なミートアップでも同様だ。取材翌日の水曜日に京都で行ったミートアップや、金曜日に福岡で参加した座談会でも、それぞれ100件を超えるツイートが生まれている。

 

3つの行動原則

「圧倒的な行動量」と「伝えることへのこだわり」、書いてしまえばどちらも当たり前のことである。
一方で”当たり前と感じることをどれだけ当たり前にできるか”、それは”才能”であったり、”恵まれた環境”よりも結果を大きく左右する。そうした当たり前のことを実行するための原理原則、仕組みこそがコミュニティ運営の原則として小島さんがよく紹介している「オフラインファースト」「アウトプットファースト」「コンテキストファースト」の3つだと感じた。

知りたい、聞きたいことはその分野の第1人者に直接会いに行く「オフラインファースト」、オンラインであればタイムラインを眺めず積極的に情報を発信し、オフラインであれば話の最後に自分自身の言葉で言いかえ自身の理解を深める「アウトプットファースト」、同時に相手の立場やモノの見方に即した表現に言い換えることで相手の理解を促す「コンテキストファースト」。

密着の1日を通して小島さんの行動は、この「オフラインファースト」「アウトプットファースト」「コンテキストファースト」の3つに徹底されていた。

小島さんに関わる人の中で、「小島さんのようにパラレルマーケターになりたい」「小島さんのような視野、視点を持ちたい」という人は少なからずいらっしゃるかもしれない。それは数日や数カ月でなれるものではないが、新卒から今までマーケティングという場所で戦い続けてきた小島さんの経験則が凝縮された3つの原則を参考にすることは無駄にはならないとは思う。
結局のところ、原則を意識しながら人が想像する以上に行動し、挑戦し、当たり前だと思われるようなことを徹底して行う、その積み重ねこそが小島さんのように広く深い視野を持つための1番の近道かもしれない。

そして、その小島さんが執筆されたコミュニティマーケティングを購入し、8/2(金)のBigbeat LIVEに参加して行動を始めることがもっと近道かもしれないので、ぜひ登録して参加してみよう。(ダイレクトマーケティング)


最後に密着というはた迷惑な企画にお付き合いいただいた、小島さん、ご協力いただいたAuth0の徳永さん、ABEJAの外木さん、足立さん、一ノ宮さん、Googleの関係者の皆さん、ありがとうございました。

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