地域 2018.05.21 地域×コミュニティの可能性ーコミュニティリーダーズサミット in 高知 2018

2018年5月19日、高知県が主催する「コミュニティーリーダーズサミット in 高知」に参加してきました。

高知県は、代表濱口が生まれ育ったところ。日本で一番早く少子高齢化が進んでいる課題先進県だといいます。

そんな高知の「課題解決」につながる流れを創り出す場として、高知県庁と高知県出身の仕掛け人小島英揮さんが企んだのがこのイベント。


濱口と小島さん

小島さんは、元AWS(Amazon Web Services)のマーケティング本部長などを務め、「これからのビジネス人生もインプットし続けたい」という思いから、現在は複数の企業の「中のひと」としてマーケティングを実践する立場。パラレルマーケターとして活躍されています。

その長年のマーケティングの経験から小島さんが注目する「コミュニティ」のチカラを高知の活性化につなげていこうということで、県内外のコミュニティリーダーやコントリビューターが高知に集められたのでした。

※詳しくは小島さんのブログにて!
http://stilldayone.hatenablog.jp/entry/CLS_Kochi

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当日のプログラムはまさに大盛り、登壇者も20人!いきなり「クラウド時代に加速するコミュニティの力」というテーマで、パネルディスカッションからスタート。

まず初めにファシリテーターの小島さんより、
「コミュニティ」とは何か、というと元は「地域に根差した共同体」であったが、いまでは「目的・理念を共有した集まり」であるとお話がありました。



登壇したのはいずれもコミュニティ運営の実践者でありリーダー。

フジテック株式会社 常務執行役員 情報システム部長の友岡さんは「イノベーションは国家から個人が起こす時代。善意のコミュニティが世の中を動かしている。」と語ります。

アールスリーインスティテュート Chief Innovation Officerの金春さんは経営的視点では採用という面でも重要だと言います。数回面接しただけではわからない、同じ軸のコミュニティで話すと考えや人となりも見えやすい、というのは納得です。

また高知在住のウェブクリエイター、坂上さんは自分をガラパゴス化しないのがコミュニティであると話します。会社外に上司ができる、相談できる人ができるのがコミュニティ。「高知なら高知だけのパイでなく、外を見なければ」という言葉に激しくうなずきました。

また友岡さんは、外に出ることで「自分がすごいことをやっているんだ」と気づく、また「すごいことやれているひと」に刺激される、とも。部下たちを積極的に外部コミュニティへの参加を促しているそうです。

「いま就職は就社になってしまっている。これからはコミュニティが、職の中心軸になっていく。」という話も目から鱗でした。

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次は「コミュニティとITによる6次産業化と需給バランスの最適化」をテーマにしたパネルディスカッションです。

株式会社南国スタイル 代表取締役専務の中村さんは高知県で農業がしたい、とJAに入社。農業従事者の平均年収が高知平均年収の約半分であるなどの課題に「このままではあかん!」と、現在の関連会社を立ち上げてIT農業に取り組みます。

一平 代表取締役の村岡さんは宮崎を拠点に、九州全体の地域課題をビジネスで解決したいと活躍されています。

ブエナピンタ 代表取締役の大関さんは元々IT企業を経営していらっしゃいましたが、人の集まるところにITを活かしたいと飲食業を開始。その中でレストラン側のニーズと農家側のギャップを感じたと言います。それを解決するべく徳島県鳴門市で運営されているのが、6次産業を支援するTHE NARUTO BASEです。

農業の課題として、
・物流の問題があり鮮度を保って届けられない、販売先が見つからない状況で産地では量で勝負するしかない
・ノウハウが暗黙知化している
・農産物の金額が全盛期の1/3になっているにもかかわらず過去に成功した経験から危機感を持てない農家
などがあがりました。

中村さんは課題を解決する方法としてITツール kintoneを導入したり、全国の生産者に会いに行き、学び、地元に戻って農業に活かすなどを実践されています。

大関さんは「『いこうぜ!』という思いのある生産者を、東京のレストランにつなぐ」ことで、いい連鎖を生み出しているとのこと。

また、村岡さんは九州を島としてとらえて地域を面でとらえ「九州がそれぞれ自分の地域に誘客するのではなく、お互いに送客しあえばいいんじゃないか」と、いいます。
1県、1町村それぞれがぶつかるのではなく、九州をひとつのコミュニティとして強いブランドをつくり世界と戦っていく。それができるのがコミュニティのチカラなのか!と感じました。

それぞれの地域で、それぞれの地域課題にまさに取り組んでいる3人のお話は、会場の反応も大きかったような気がします。

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次の実践者はヤッホーブルーイング よなよなエール広め隊 ユニットディレクターの原さん。
ビール業界で唯一業績を上げつつあるのがクラフトビールの分野とのことで、企業としての取り組みについてお話されていました。

「ファンの力でビジネス拡大を実現するロ-カルメーカーの挑戦」というタイトルの通り、ファンを熱狂的ファンに、そして伝道師に変えていくことを実践されており、
ロイヤリティアップに重要なのは、スタッフとのリアルな接触が重要だと語ります。

また業績アップの要因として、原さんが挙げたのは
①経営理念の浸透
②ブランド開発のポリシー
③チームで働く組織づくり

講演の中で「社員とファンが同じ目線」というお話もありましたが、「従業員アドボカシー」がとてもうまくいっており、そのチームとしての強さがファンに伝わっているんだなあ、と感動しました。

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他にも全国でコミュニティを運営するリーダーやコントリビューターの10名の方が、各5分でそれぞれの取り組みを語りました。

コミュニティに参加したことで、就職につながった
教師になりたかったけど、教師になるのは手段でしかない、と気づいた
コミュニティに参加することで一人ではない、仲間がいることの強さ、よりよい働き方ができるように

など、コミュニティを活かして力を発揮している方の生の声は、とてもエネルギーに満ちていました。

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ちなみに、このイベントは登壇者による講演だけでなく、いくつかの仕掛けがありました。

ひとつはグループ討議の時間。

「学ぶ、とは聞いて帰るのではなく、聞いて考えて、対話して、気付いて帰ること」

そんなお話のあとに、実際にグループに分かれて討議します。



もうひとつはセッションの合間に5分、10分のコミュニケーション時間やおやつの時間が設けられていること。


よくあるビジネスセミナーではトイレ休憩だけになってしまう時間ですが、静かになることはなく参加者同士が積極的に交流していました。

自己紹介は苦手な私も、事前の自己紹介の仕方、コミュニケーションのコツのレクチャー(寸劇?)があり、不自然にならないようなコミュニケーションが取れました。

懇親会ではよなよなエールとカツオでテンションがあがり、ますます活発な交流が。





最近高知県に移住したという方と何名かお話をしたところ、みなさん高知の自然や、おいしいもの、豊かな資源を魅力に感じて住み着いたそう。

課題はあれど、高知の魅力がより広く知られて、コミュニティのチカラで熱い人が中心となってその熱が伝播していき、アイデアや行動が生まれていけば、まずは高知が元気になり、そして世界にがんがん出ていくようなエネルギーを感じました。

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ちなみに、私はビッグビート高知部には所属していたものの、今回初めての高知訪問。イベントの翌日に高知県主催の「大人の遠足」、桂浜などを巡るツアーにも参加させていただきました。(高知観光編はまた次回!)


桂浜


海の向こうはカリフォルニア!

桂浜に立つと、未来はとても明るくて、何でもできそうな気になるのでした。


執筆:オンダ

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ハマちゃんと高知城にて
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