社長コラム 2017.10.19 デジタルとライブ(LIVE)

クライアントさんのカンファレンスイベントの基調講演で、ANA (全日空さん)のデジタルへの取り組みについてのお話を拝聴しました。
 
大変興味深く、素晴らしい講演でした。
そちらの内容と感想を少々書かせていただきます。


アマゾンの日本国内での売上が1兆円を超えた、というニュースは昨年のことでしたが、ANAのウェブによる予約販売金額は既に7千億円を突破しているとのこと。ANAの総売上(約1兆七千億)のうち、航空券扱いのかなりの割合がウェブ経由ではないでしょうか。
そう言えば、有楽町とか街中にあったANAのカウンターも見ないなぁと思ったら、そのような販売カウンターは数年前に全廃したそうです。おそらくJALも同じような状況でしょう。カウンターで予約して紙の航空券を発券する、なんていうのは黒いダイヤル式電話か、カチャカチャ回すTVチャンネル以上の速度で消え去っていってます。
 
航空会社のデジタルへの対応はまさに経営の生命線を握っています。航空産業およびデジタルにおいての先頭ランナー、米国の航空会社の企業規模はANAの倍以上(約4兆円)が普通です。また中東の航空会社はその圧倒的な資本力と、おそらくはかなり格安の燃料でドンドン拡大しています。そんな圧倒的な規模に対抗するための施策の一つとして、デジタルとリアルの融合によるサービスの向上を掲げておられました。日本の航空会社はおもてなしにより、機内サービスでは一日の長があります。ただリアルのサービスだけを現場に強いると、この圧倒的に強いライバル達とは戦えません。現場が疲弊します。
一つの打ち手として、デジタルで集めた情報を徹底的に分析してリアルのサービスに活かしていくこと、先回りしたサービスをリアルの場で行うこと、などを伺いました。


そう言えばANAでニューヨークに行った際のサービスで驚いた事がありました。
長距離フライトに備えてジャージというか機内用ウエアに着替えようと洗面所に行った際、CAさんが足置の台を持って来てくれました。
まさに先回りして、です。
 
航空会社のみならず世界で戦う企業は、培ってきたテクノロジーにデジタルによる革新を融合させ、それだけではなくその企業独自の何か独自の強さやユニークさをもたなければ、アッとという間に世界の強豪(競合)にとって変わられる、それがデジタル時代のグローバルビジネスであるのだなぁ、とこの講演を聞いて改めて感じた次第です。



余談ですが、デジタル革新の大部分はインターネットです。繋がったことでそこにあたかも別の空間、次元ができたのです。デジタルがいくら進化しても、もしこれが繋がらなければこのような革新はおきないでしょう。インターネットは大変なインパクトのある発明です。おそらくは人が創ったモノの中で、言語や宗教、電気などのエネルギーに匹敵する発明であり、その進化はそれらの何倍、いや何百倍ものスピードで進化しています。
 
デジタルの対義語としてアナログがよく使われます。ANAさんの講演では『デジタルとリアル』と言う表現をされていました。
アナログだと、デジタルより劣るとか古いような語感だし、そもそもアナログという意味がよくわからない。リアルというとその対義語はバーチャルになってしまいます。
私はデジタルの対義語は『ライブ(LIVE)』が適していると考えます。対義語と言うより、より良いライブのためのデジタルと考えれば、デジタルにより私たちの毎日が、そして未来が、よりハッピーになると思いませんか?



おまけ
JALの2レターは『JL』、これは解りやすい、しかしANAは『NH』ですね。NH??
元々ヘリコプターの会社で旧社名の日本ヘリコプターの略だそうです、へー!
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