マーケティング 2017.06.23 始動!Bigbeat LIVE マーケティングで経営を変える。
8月1日に「マーケティングで経営を変える」というテーマで行うカンファレンスイベント、それが『Bigbeat LIVE』。そこに講演者として登壇していただく3名と濱口で、座談会を行いました。日本企業のマーケティングに対して誰より熱く語る4人の想いが炸裂。ここには書けないNGトーク(?)や語りつくせなかった話の続きは、『Bigbeat LIVE』本番で!
ではトップバッターで! 僕はバブルがはじけた後の日本に住んでいたんですが、その頃はまだイノベーションがさかんでした。ソニーの「コクーン」やNTTドコモの「iモード」など、革新的で素晴らしいものがいっぱい出てきた時代。しかし僕がアメリカに帰国した2005年から2017年までの間に世の中は変わり、他国の製品がどんどん日本に追いついてきました。
これにはマーケティングの捉え方の違いが大きく影響してるんじゃないでしょうか。世の中がこれだけ変わっているのに日本だけ変わり切れていないのは、逆に日本らしくない。僕が覚えている、80~90年代のイノベーション・ジャパンにもう一度戻ってほしいです。
こんなに頑張って働いている国民もほかにないので、そのパワーを活かしてまた日本を元気にしてもらいたい。今回の『Bigbeat LIVE』では皆さんに勇気とネタを供給できれば、と思っています。
飯室
今や「品質大国 日本」ですけど、戦後は世界一の粗悪品を作っていると言われてたんですよね。そこからデミング博士指導のもと「世界中が欲しがるような日本製品を作れるよう、生まれ変わろう」と誓い、たった5年で品質大国になったんです。その歴史を持つ日本なら、5年でマーケティング大国になる可能性も持っているはず!
アメリカの経営者にできて、日本にできないことはないはずです。経営者が本気を出してほんのちょっと意識を変えるだけで、何かが違ってくるかもしれない。『Bigbeat LIVE』では、明日からでもすぐできること、みたいなお話をできたらいいなと思っています。希望を持ってもらいたいですね。
野水
僕は、一緒に変われる日本企業の仲間が欲しいなって思ってます。日本って、組織の内側は守るけど、外のことは無関係っていう会社が多い。これが非常にアライアンスを邪魔していると思うんです。大事なのはチームワーク。それも組織の枠を越えて、外部の組織や社会そのものとつながるようなチームワークを築くことができれば。皆さんと一緒に変わっていけたらいいなと思いますね。お互いが変われるような、勇気を与えられるお話ができればいいなと。
飯室さんは外資系企業にお勤めでいらっしゃいましたが、日本企業のマーケティングについてなにかお気づきの点はありますか?
飯室
よりお客様目線に立つべきだと思いますね。最近は「モノを売るんじゃなく、“こと”を売る」んだ、なんて言われていますが、もっと踏み込んで「お客様に成果を買っていただく」んだ、とよく話してるんですよ。お客様の成功のために何ができるのか、ということを考えなければなりません。「売りつける」という感覚でいる限り未来はない。「選ばれる」「見つけてもらう」という気持ちでなければ。マーケティングという言葉うんぬんじゃなく、「お客様のために何ができるか」という考えの人を増やすしかないんですよね。
また日本では「マーケティングは担当者がやるもの」とされることが多いけど、本来は経営者がすべきもの。まあ、役職はともかく、そういうことができるリーダーが必要ですよね。
野水
それを強く進めていくには、やっぱり人事権を持ったリーダーが必要なんですよね。
なんだか、だんだんマーケティングから話が逸れていきそうですが(笑)。でもそうなりますよね。
飯室
そう。マーケティングについて話すと、必ず経営の話になるんですよ、結局。経営を変える力やメカニズムがない限り、マーケティングは変わりませんしね。
濱口
僕もマーケティングとは経営そのものだ、と思っています。もっというと、経営をマネジメントつまり「会社の運営」と捉えるなら、マーケティングは経営の上位にあるといっても過言ではないかもしれない。ちょっと言い過ぎですかね(笑)?アメリカ人のニールさんは、日本企業で働いていて、何か違和感はありましたか?
ニール
日本で言うマーケティングは、アメリカのそれとは違う意味を成している気がしますね。アメリカのマーケティングは、「社会に必要とされ、社会に貢献する」というふうに定義されてます。
日本ではヒューマンリソースは人事部、セールスは営業部と訳されているのに、マーケティングだけが日本語訳がなくてそのまま部署名にも使われていますよね。それだけまだ日本においては定義がはっきりしていなくて、その役割も曖昧だということなんでしょうね。
野水
訳した部署ってことで言うと広告宣伝部とか販売促進部、営業企画部になるんでしょうね。
飯室
だいたい営業の下部組織としての捉えられ方ですよね。モノを作れば売れた時代は、営業マンの数が足りないから宣伝広告で売ろうということになった。クリエイティブ部門がCMを作って、マスで売るためのものが宣伝広告だったから、宣伝広告=マーケティングという定義になったんでしょうね。
濱口
そういう中でサイボウズという革新的な会社が生まれたのは、すごいことですね。サイボウズの根っこにあるものって何なんでしょう?
野水
「情報共有」っていう事業の根幹はずっと変わらないですね。情報を分かち合うことで世の中を豊かにする、というのが我々のコアです。情報共有を通して会社とか団体とか、社会までも世の中のありとあらゆるチームのチームワークをよくすること。それは社会をよくすることなんだ、という結論にたどり着きました。
さっき飯室さんは「お客様のために何ができるか」という話を、ニールさんは「世の中に貢献する」という話をそれぞれされていましたが、マーケティングの仕事って、市場を作ることだと思うんですよね。お客様や世の中に必要とされる企業であり続け、必要とされる商品やサービスをご提供する。市場を作れたということは、人の生活をより良く変えられたということですから。
濱口
日本を少しでも良い国に、と考えると結局、法律や政治の壁にぶち当たってしまうんですよね。その仕組み自体が変わらないと難しいんだろうなとは思いますが、そのせいにしていても何も変わらない。少しでも声を上げることで、自分のまわりだけでも変われば、と期待しています!
飯室
だって今の法律や政治の下でも、サイボウズさんは頑張ってますもんね!
野水
変わるということで言えば、弊社で以前、10年後の勝算に賭けて「2、3年赤字でも潰れはしないから、売り上げが一時的に下がっても構わない」と、目先よりも将来を取る決断を下したことがあったんです。そのときマネージャー総とっかえという大手術をしています。「我々のような小さな会社は、人の先を行かなければ絶対に負ける」ということで大勝負に出たんですが、こういう大英断をできるリーダーが必要ですよね。
飯室
素晴らしい! セルフ・ディスラプション(自己破壊)の決断は勇気が要りますよね。
ニール
もともと会社が持っている技術を捨てる勇気があるかどうかですよね。リーダーと優れたマーケッターが必要ですね。
野水
そもそもマーケティングって、プロダクトとプライスとプレイスとプロモーション。結局そこをどう変えるかなんですが、日本企業の多くはプレイス(=商流)を変えるのを嫌う傾向にありますね。
飯室
でも、商流ひとつで業界売上の1位と2位がゴロンと入れ替わったりしますよね。
野水
そうなんですよ。製品ではなく商流で負けたりするんです。そうなってくると、社長がいかにCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)的なものの見方を身につけているかが大切。
まずはライトな感覚でもいいので「うちの会社にもCMOがいたらかっこいいな」と思ってもらえたら(笑)。
飯室
CMOのいる会社、日本ではまだ1%くらいしかないですからね(笑)!
濱口
一生懸命変えようと頑張っている若い経営者もいて、けっこう熱いんですよね。
飯室
そういう人たちが伸びていく、健全な社会になるといいですよね。
ニール
まずは今度の『Bigbeat LIVE』で、マーケティングについての見方や会社の組織について考えてみるきっかけになれば。そして僕の大好きなイノベーション・ジャパンが世界をリードしてくれたら嬉しいですね。
濱口
そんな場づくりと情報の提供が我々の役目だと思っていますので、皆さんよろしくお願いします!
マーケティングで経営を変える。
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日時:2017年8月1日(火)13:00-19:30(ネットワーキングパーティ含む)
詳細は>> https://www.bigbeat.live/
プロフィール
サイボウズ株式会社
社長室フェロー 野水 克也さん
創業直後、20人足らずのベンチャー企業だったサイボウズへ入社。広告宣伝を経て、営業部マネージャー、販売戦略担当、製品責任者、マーケティング部長を経て現在はフェロー。エバンジェリストとしてクラウドや働き方改革を啓蒙する他、地方創生やIoT について総務省、内閣官房の委員を歴任。創業時から徹底したプル型営業で成長してきたサイボウズ。常にその中心にいたキーパーソンが、『Bigbeat LIVE』で彼らのユニークなマーケティングポリシーを語っていただきます。
ニール社長室フェロー 野水 克也さん
創業直後、20人足らずのベンチャー企業だったサイボウズへ入社。広告宣伝を経て、営業部マネージャー、販売戦略担当、製品責任者、マーケティング部長を経て現在はフェロー。エバンジェリストとしてクラウドや働き方改革を啓蒙する他、地方創生やIoT について総務省、内閣官房の委員を歴任。創業時から徹底したプル型営業で成長してきたサイボウズ。常にその中心にいたキーパーソンが、『Bigbeat LIVE』で彼らのユニークなマーケティングポリシーを語っていただきます。
PDCAソーシャル代表
ニール・シェーファーさん
キャリアのスタートは日本のBtoB企業。米国に帰国するまでの15年間、日本でセールス・マーケティングの経験と実績を積むという日本通。2010年に独立して以来、日本企業の英語圏におけるソーシャルメディア活用支援を行い、『Forbes』誌が選ぶ「Top 50 Social Media Power Influencers」にも選出されているデジタルコミュニケーションの世界的な先駆者。『Bigbeat LIVE』では、日本のBtoB企業がどうデジタルと向き合うべきかを指南してくれます。
濱口
このたびは『Bigbeat LIVE』へのご賛同、そしてご出演をどうもありがとうございます!
ニール・シェーファーさん
キャリアのスタートは日本のBtoB企業。米国に帰国するまでの15年間、日本でセールス・マーケティングの経験と実績を積むという日本通。2010年に独立して以来、日本企業の英語圏におけるソーシャルメディア活用支援を行い、『Forbes』誌が選ぶ「Top 50 Social Media Power Influencers」にも選出されているデジタルコミュニケーションの世界的な先駆者。『Bigbeat LIVE』では、日本のBtoB企業がどうデジタルと向き合うべきかを指南してくれます。
B2Bhack.com主宰
飯室 淳史さん
GEヘルスケア・ライフサイエンス社で、営業とマーケティング両方のトップマネジメントから執行役員までを経験。マーケティングやセールスのデジタルツールを活用し、チーフデジタルマーケティング グローバルリーダー(digital-CMO)として、全世界における同社のデジタルマーケティング戦略を日本から統括する。2016年に独立、「B2Bファシリテータ」として、様々な企業にビジネスファシリテーション活動を行っている。「日本のB2B企業をマーケティング会社に変貌させる」を旨とする異例のマーケティング実務経験者が、『Bigbeat LIVE』でもマーケティングの本質に鋭く切り込みます。
飯室 淳史さん
GEヘルスケア・ライフサイエンス社で、営業とマーケティング両方のトップマネジメントから執行役員までを経験。マーケティングやセールスのデジタルツールを活用し、チーフデジタルマーケティング グローバルリーダー(digital-CMO)として、全世界における同社のデジタルマーケティング戦略を日本から統括する。2016年に独立、「B2Bファシリテータ」として、様々な企業にビジネスファシリテーション活動を行っている。「日本のB2B企業をマーケティング会社に変貌させる」を旨とする異例のマーケティング実務経験者が、『Bigbeat LIVE』でもマーケティングの本質に鋭く切り込みます。
講演者全員でセッションする音楽ライブのようなカンファレンスを!
濱口
このたびは『Bigbeat LIVE』へのご賛同、そしてご出演をどうもありがとうございます!
会社を興して20余年。自分があと何年やれるのかと考えたとき、脳裏に浮かんだのは「ビッグビートがないと困るよ」と言ってもらえる会社にしたい、ということでした。そのためには社会に役立つことに取り組んでいかなければ! そんなふうに思うようになりました。
そんな想いで「ニシタイ!」というWebマガジンで皆様にメッセージを発信してきました。そしてやっぱりイベントをやりたい!ということで今回『Bigbeat LIVE』を企画したわけです。僕が音楽好きだということもあり、タイトルも「ビッグビートセミナー」とか「ビッグビートカンファレンス」というより「ライブ」がしっくりくるなぁと。当日は講演いただく4名(座談会参加の3名+株式会社イマジナ・関野社長)と僕とで、ひとつの音楽をつくるセッションのように、イベント全体を通してひとつのメッセージを形作っていけたら!という思いを込めて名付けました。
第一回となる今回のテーマは「マーケティングで、経営を変える」。我々のような広告会社がお客様の社長をお呼びして「経営を変える」だなんて、お叱りを受けそうですが、強力なメンバーにサポートしていただけるので、恐れず今後も継続していきたいと思っています。ゴールではなくて、これがスタート。ここから自分たちも変わりたいし、自社の仲間たちへのメッセージにもなればと思っています。
じゃ、皆さんにも『Bigbeat LIVE』での抱負を語っていただければ。張り切ってお願いします(笑)!
そんな想いで「ニシタイ!」というWebマガジンで皆様にメッセージを発信してきました。そしてやっぱりイベントをやりたい!ということで今回『Bigbeat LIVE』を企画したわけです。僕が音楽好きだということもあり、タイトルも「ビッグビートセミナー」とか「ビッグビートカンファレンス」というより「ライブ」がしっくりくるなぁと。当日は講演いただく4名(座談会参加の3名+株式会社イマジナ・関野社長)と僕とで、ひとつの音楽をつくるセッションのように、イベント全体を通してひとつのメッセージを形作っていけたら!という思いを込めて名付けました。
第一回となる今回のテーマは「マーケティングで、経営を変える」。我々のような広告会社がお客様の社長をお呼びして「経営を変える」だなんて、お叱りを受けそうですが、強力なメンバーにサポートしていただけるので、恐れず今後も継続していきたいと思っています。ゴールではなくて、これがスタート。ここから自分たちも変わりたいし、自社の仲間たちへのメッセージにもなればと思っています。
じゃ、皆さんにも『Bigbeat LIVE』での抱負を語っていただければ。張り切ってお願いします(笑)!
ではトップバッターで! 僕はバブルがはじけた後の日本に住んでいたんですが、その頃はまだイノベーションがさかんでした。ソニーの「コクーン」やNTTドコモの「iモード」など、革新的で素晴らしいものがいっぱい出てきた時代。しかし僕がアメリカに帰国した2005年から2017年までの間に世の中は変わり、他国の製品がどんどん日本に追いついてきました。
これにはマーケティングの捉え方の違いが大きく影響してるんじゃないでしょうか。世の中がこれだけ変わっているのに日本だけ変わり切れていないのは、逆に日本らしくない。僕が覚えている、80~90年代のイノベーション・ジャパンにもう一度戻ってほしいです。
こんなに頑張って働いている国民もほかにないので、そのパワーを活かしてまた日本を元気にしてもらいたい。今回の『Bigbeat LIVE』では皆さんに勇気とネタを供給できれば、と思っています。
飯室
今や「品質大国 日本」ですけど、戦後は世界一の粗悪品を作っていると言われてたんですよね。そこからデミング博士指導のもと「世界中が欲しがるような日本製品を作れるよう、生まれ変わろう」と誓い、たった5年で品質大国になったんです。その歴史を持つ日本なら、5年でマーケティング大国になる可能性も持っているはず!
アメリカの経営者にできて、日本にできないことはないはずです。経営者が本気を出してほんのちょっと意識を変えるだけで、何かが違ってくるかもしれない。『Bigbeat LIVE』では、明日からでもすぐできること、みたいなお話をできたらいいなと思っています。希望を持ってもらいたいですね。
野水
僕は、一緒に変われる日本企業の仲間が欲しいなって思ってます。日本って、組織の内側は守るけど、外のことは無関係っていう会社が多い。これが非常にアライアンスを邪魔していると思うんです。大事なのはチームワーク。それも組織の枠を越えて、外部の組織や社会そのものとつながるようなチームワークを築くことができれば。皆さんと一緒に変わっていけたらいいなと思いますね。お互いが変われるような、勇気を与えられるお話ができればいいなと。
マーケティングとは経営そのもの。切っても切れない!
濱口飯室さんは外資系企業にお勤めでいらっしゃいましたが、日本企業のマーケティングについてなにかお気づきの点はありますか?
飯室
よりお客様目線に立つべきだと思いますね。最近は「モノを売るんじゃなく、“こと”を売る」んだ、なんて言われていますが、もっと踏み込んで「お客様に成果を買っていただく」んだ、とよく話してるんですよ。お客様の成功のために何ができるのか、ということを考えなければなりません。「売りつける」という感覚でいる限り未来はない。「選ばれる」「見つけてもらう」という気持ちでなければ。マーケティングという言葉うんぬんじゃなく、「お客様のために何ができるか」という考えの人を増やすしかないんですよね。
また日本では「マーケティングは担当者がやるもの」とされることが多いけど、本来は経営者がすべきもの。まあ、役職はともかく、そういうことができるリーダーが必要ですよね。
野水
それを強く進めていくには、やっぱり人事権を持ったリーダーが必要なんですよね。
なんだか、だんだんマーケティングから話が逸れていきそうですが(笑)。でもそうなりますよね。
飯室
そう。マーケティングについて話すと、必ず経営の話になるんですよ、結局。経営を変える力やメカニズムがない限り、マーケティングは変わりませんしね。
濱口
僕もマーケティングとは経営そのものだ、と思っています。もっというと、経営をマネジメントつまり「会社の運営」と捉えるなら、マーケティングは経営の上位にあるといっても過言ではないかもしれない。ちょっと言い過ぎですかね(笑)?アメリカ人のニールさんは、日本企業で働いていて、何か違和感はありましたか?
ニール
日本で言うマーケティングは、アメリカのそれとは違う意味を成している気がしますね。アメリカのマーケティングは、「社会に必要とされ、社会に貢献する」というふうに定義されてます。
日本ではヒューマンリソースは人事部、セールスは営業部と訳されているのに、マーケティングだけが日本語訳がなくてそのまま部署名にも使われていますよね。それだけまだ日本においては定義がはっきりしていなくて、その役割も曖昧だということなんでしょうね。
野水
訳した部署ってことで言うと広告宣伝部とか販売促進部、営業企画部になるんでしょうね。
飯室
だいたい営業の下部組織としての捉えられ方ですよね。モノを作れば売れた時代は、営業マンの数が足りないから宣伝広告で売ろうということになった。クリエイティブ部門がCMを作って、マスで売るためのものが宣伝広告だったから、宣伝広告=マーケティングという定義になったんでしょうね。
社会のために何ができるか。それもまたマーケティング
濱口
そういう中でサイボウズという革新的な会社が生まれたのは、すごいことですね。サイボウズの根っこにあるものって何なんでしょう?
野水
「情報共有」っていう事業の根幹はずっと変わらないですね。情報を分かち合うことで世の中を豊かにする、というのが我々のコアです。情報共有を通して会社とか団体とか、社会までも世の中のありとあらゆるチームのチームワークをよくすること。それは社会をよくすることなんだ、という結論にたどり着きました。
さっき飯室さんは「お客様のために何ができるか」という話を、ニールさんは「世の中に貢献する」という話をそれぞれされていましたが、マーケティングの仕事って、市場を作ることだと思うんですよね。お客様や世の中に必要とされる企業であり続け、必要とされる商品やサービスをご提供する。市場を作れたということは、人の生活をより良く変えられたということですから。
濱口
日本を少しでも良い国に、と考えると結局、法律や政治の壁にぶち当たってしまうんですよね。その仕組み自体が変わらないと難しいんだろうなとは思いますが、そのせいにしていても何も変わらない。少しでも声を上げることで、自分のまわりだけでも変われば、と期待しています!
飯室
だって今の法律や政治の下でも、サイボウズさんは頑張ってますもんね!
野水
変わるということで言えば、弊社で以前、10年後の勝算に賭けて「2、3年赤字でも潰れはしないから、売り上げが一時的に下がっても構わない」と、目先よりも将来を取る決断を下したことがあったんです。そのときマネージャー総とっかえという大手術をしています。「我々のような小さな会社は、人の先を行かなければ絶対に負ける」ということで大勝負に出たんですが、こういう大英断をできるリーダーが必要ですよね。
飯室
素晴らしい! セルフ・ディスラプション(自己破壊)の決断は勇気が要りますよね。
ニール
もともと会社が持っている技術を捨てる勇気があるかどうかですよね。リーダーと優れたマーケッターが必要ですね。
野水
そもそもマーケティングって、プロダクトとプライスとプレイスとプロモーション。結局そこをどう変えるかなんですが、日本企業の多くはプレイス(=商流)を変えるのを嫌う傾向にありますね。
飯室
でも、商流ひとつで業界売上の1位と2位がゴロンと入れ替わったりしますよね。
野水
そうなんですよ。製品ではなく商流で負けたりするんです。そうなってくると、社長がいかにCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)的なものの見方を身につけているかが大切。
まずはライトな感覚でもいいので「うちの会社にもCMOがいたらかっこいいな」と思ってもらえたら(笑)。
飯室
CMOのいる会社、日本ではまだ1%くらいしかないですからね(笑)!
濱口
一生懸命変えようと頑張っている若い経営者もいて、けっこう熱いんですよね。
飯室
そういう人たちが伸びていく、健全な社会になるといいですよね。
ニール
まずは今度の『Bigbeat LIVE』で、マーケティングについての見方や会社の組織について考えてみるきっかけになれば。そして僕の大好きなイノベーション・ジャパンが世界をリードしてくれたら嬉しいですね。
濱口
そんな場づくりと情報の提供が我々の役目だと思っていますので、皆さんよろしくお願いします!
マーケティングで経営を変える。
Bigbeat LIVE ~「らしさ」で未来はグッとよくなる~
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日時:2017年8月1日(火)13:00-19:30(ネットワーキングパーティ含む)
会場:紀尾井カンファレンス 永田町駅直結・赤坂見附駅より徒歩1分
主催:株式会社ビッグビート
費用:無料
協力:一般財団法人 高知県地産外商公社
メディアスポンサー: 株式会社日本ビジネスプレス
詳細は>> https://www.bigbeat.live/
※本イベントはおかげさまで大変盛況のうちに終えることができました。
サポートいただきました皆さま、ご来場いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
当日の様子は開催レポートをご覧ください。