社長コラム 2017.03.23 マーケ予算は経費or投資?

CPAは「Cost Per Acquisition」の略で、顧客獲得のために何らかの施策を行った際に、その施策にかかったコストを、獲得できた成果件数で割って算出します。

ROIは「Return On Investment」の略で投資に対しての見返り、成果ですね。

投資の主目的は『資産』の形成です。マーケティング関係の投資、わかりやすい例でいえば、広告宣伝活動を投資であると考えれば、その結果形成される資産のカウントは大きく2つです。(BtoBの場合)

①案件化して成約をとるためのマーケティングリード数(名刺データなど)

②顧客(&候補も)の認知、理解、好意の形成数 (エンゲージメント、ブランド、アドボカシー)

リーマンショックとデジタルマーケティングの台頭がちょうど同じくらいの時期だったこともあり、この7、8年間はとにかくCPA重視、極端にいえば対象顧客の名刺データをより安価に獲得することにマーケティング活動が注力されてきました。コンバージョンなんていう広告業界では聞きなれなかった言葉も流行りました。

例えば展示会出展におけるKPI、さらにはその主目的が来場者の名刺データ獲得になるケースも一般的になりました。

笑い話ではなく事実ですが、大きなコマで出展されている企業さんが、ブース周辺での積極的名刺獲得活動により(それ自体は悪いことではないですが)肝心のブース内はガラガラ。でも会期後の終礼では『目標達成!』のシュプレヒコール……

顧客もしくは顧客候補が満足したかどうかの指標はどこへ?

これでは、コンテンツとしての展示会の効果はドンドン低下していきます。

そりゃそうですね、
『来場者は展示会に名刺取られにくるのではない』 のですから。

「名刺獲得コスト一枚いくら」みたいなコンバージョンレート的考えで展示会やイベントをプランすると、投資対効果どころかお金をドブに捨てるばかりではなく、ハッスルコンパニオンさんによるアタックでお客さんを不愉快にさせてしまったら、逆コンバージョンになりかねません。

私は展示会などライブイベントは対象顧客と直接触れ合える場、そのシーンをまじかに見られる場であり、最高のコンテンツ形成の場である、と考えています。

名刺データを獲得するための『経費』と考えるか、顧客からの支持という得難い資産を構築するための『投資』と考えるか、でそのプランは変わってきます。
もちろん獲得した名刺データは重要な資産ではありますが、経費として考えた際のCPAはあまり高くないことが多いです。


ニューヨーク タイムズスクエアにて。
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