Bigbeat 2021.07.16 コロナ禍での就活、学生はどう思っている? ー 企業のありのままを知り、「個」を見てほしい本音

この9月より27期目に突入するビッグビートでは、もう20年以上、新卒採用を継続しています。毎年4月に新しい仲間が増えることは、社員にとって楽しみの一つです。
今年も2名の新しいメンバーがビッグビートへやってきました。彼女らは、突然のコロナ禍で企業も学生も手探り状態で進んだ、2020年の春~秋にかけて就職活動をしていました。
それまでとは打って変わって、オンラインが中心になった2020年の就職活動はどのようなものだったのでしょうか。また、学生から選ばれる企業になるポイントはどこにあるのでしょうか。
この春入社した新入社員の鏡味・友田に話を伺いました。



この4月に新しく入社した 友田(左)と 鏡味(右)。

 

みんなとは違う、自分だけの道を考える時間に

コロナ禍による変化の一つが、リモートワークの普及。場所を問わず働けるようになったことで、自分の時間の使い方も変化したことと思います。オフィスを手放す会社や、地方に拠点を移す会社、拠点から離れて地方でリモートワークをする人たち。自分らしい働き方や生き方を、選びやすくなりました。
そんな社会人の私たち同様に、就職活動を行う学生の皆さんも、自分だけの働き方・生き方を考える時間になったといいます。

「良くも悪くも前例がなかったのと、オンラインで一人で行う時間も長かったので、私の場合は4月ごろから始めてマイペースな就職活動になりました。自分と対話できる時間が長く取れたので、みんなと同じじゃなくてもいいや、自分なりの進路があるのかも…と、いろんな考えが持てました。海外で働くことも選択肢の一つだったので、自分のルーツのあるフィリピンと、シンガポール、日本の3か国で情報収集をしていましたね。」(友田)

「友達の中には、卒業せずに留学しようという人や、アルバイトをしながらやりたいことに近づくための勉強をしよう、という人もいました。これまでは3月に新卒採用が解禁になったらすぐに、企業の説明会に参加して、たくさん面接に参加して…と、みんな同じフローでやるというのが一般的でしたが、一人ひとりが自分だけの道を選択しやすくなっていると感じます。」(鏡味) 

株式会社Grillの実施したインターネット調査(サンプル数:大学生 439人、人事採用担当者 662人)によれば、学生のエントリー数が減ったと答えた企業が3割を超えています。


引用元)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000050384.html


また、株式会社ディスコが運営する就活情報サイト「キャリタス就活」の学生モニター(1,305 人)を対象にした調査からも、2020年の春~秋に活動をしていた2021年卒の学生は、平均のエントリー数が減少した傾向が見て取れます。


引用元)https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/03/202103_gakuseichosa_soku.pdf


このような結果からも、必ずしも企業へ就職する選択だけではなく、自身のやりたいことを考え、起業・留学・進学・アルバイトをしながら研鑽を積むような、幅広い考え方をする学生が増えてきているのではないでしょうか。自身の生き方をより深く考える学生たちを企業側もきちんと理解し、その想いと自社のビジョンをすり合わせていく必要が今まで以上にありそうです。

 

知りたいのも、見てほしいのも、「ありのままの姿」

「お互いのリアルな姿が見えづらい」というのは、オンライン中心の就職活動で気になるポイントの一つです。ギャップが生まれることはなかったのでしょうか?
鏡味は「オンライン上である程度の情報収集はできるので、実際の雰囲気やどんな人が働いているのかをいちばん知りたかった」と語ります。

「就職活動に役立つツールはたくさんありました。主にはマイナビ・リクナビの大手情報サイトや、Wantedlyを使っていましたが、就活会議のような口コミサイトや、企業アカウントのSNSでの投稿を参考にしたことも。ただ、もう一歩踏み込みたいと思って、気になる企業の社員の方をSNSで見つけて個別に連絡を取ったり、選考フロー以外で企業の方とお話ができるマッチングサービスのようなものを使ってみたりと、どんな人が働いているのか理解を深めつつ、アプローチをしていました。」(鏡味)


就職活動に利用するツールも今や多種多様。学生はあらゆる接点からの情報を駆使して、企業の姿をとらえています。
引用元)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000046220.html



一方、友田は「オンラインでも対面でも、企業がありのままの姿を見せてくれているか判断するには、あまり関係なかった」といいます。

「企業は自社を良く見せようとすると思っていたので、説明会や面接で聞く内容も、本音や実態を話しているのか?と少し疑った目で見ていました。私が働きたいと思っていたのは、変に飾らず、正直にありのままの姿を見せてくれる企業でした。それは人と話して感じられることなので、オンラインでも対面でも、手段は関係なかったように感じます。」(友田)

この『ありのままの姿かどうか』には鏡味も「企業が見せてくれるかどうかとあわせて、学生一人ひとりのありのままの姿を見てくれることも重視していた」と話しました。
先ほども述べたように、自分だけの道を考える学生が増えた今、企業が一人ひとりの考え方を理解しているかも重視されています。「面接で企業が自社のことをたくさん話すのか、学生に質問をして引き出そうとしてくれているのかや、メール対応の中でもわからないことがないか細かくフォローを入れてくれる些細な気配りも、私からすると本当に自分のことを見てくれているかどうかを感じ取れるものだった」と鏡味は話します。ここからもわかるように、企業側も丁寧に「個」に向き合うことが求められているのではないでしょうか。もちろん、企業規模が大きくなるほど、学生からのエントリーも、採用にかかるパワーも増えると思います。どの企業も同じやり方で、というわけにはいきませんが、未来を担う学生から選ばれるための一つとして、考えるべきポイントになりそうです。

 

入社3か月でも「自分」に任されている実感

前例のない状況での就職活動を終え、この4月に入社した二人は、今ビッグビートでの仕事や働き方をどのように感じているのでしょうか。

鏡味・友田ともに、「 “新入社員だから” は関係なく、早くから任されて、自分の意見を求められる環境がある」といいました。
4月には基礎的なマナーや広告ビジネスへの理解を深めるための座学・課題に取り組んできた二人ですが、5月からは実務での学びを増やすため、仮配属のチームでクライアントやパートナーの皆様とかかわる経験を積んでいます。

「仮配属中でも仕事を任せてもらえ、チームの先輩たちは背中を押してくれています。責任感も増して、入社1か月だから…とは考えないようになり、もっと仕事ができるようになりたいとモチベーションが高まっています!」(友田)

「案件にかかわる中で、『鏡味さんはどう思う?』と自分の意見を求められることが多いです。少しずつ、自分で考えて動くことができるようになっている実感があります。」(鏡味)

取材中、いきいきと話す二人を見て、デジタル上にたくさんの情報が飛び交い、コロナ禍で手法は変化していますが、最後は「企業と学生がお互いに未来を向いてマッチングできているか」なのだと感じました。それぞれに目指す姿・未来があり、お互いに共感しあって成長していく。そのための就職活動・採用活動なのだと思います。


学生一人ひとりが自分の生き方を考え、意志をもって臨む就職活動。まだまだオンラインでコミュニケーションをとる機会は多く、学生はSNSや口コミサイトなど、様々な媒体を通して企業の姿をとらえ、自分の思い描いた未来を実現できそうか、見極めています。WEBサイトやSNSで企業が発信するメッセージ、学生と接する面接の場面、やり取りを重ねるメール1通でさえ、学生はそこから「どんな企業なのか」を感じ取っています。より多くの学生から選ばれ、成長し続ける企業になるためには、コミュニケーションの細部にまで目を向けて、学生一人ひとりに向き合う姿勢が求められていくことでしょう。通年採用を実施する企業、来年の採用活動に向けて夏季インターンを始める企業など、企業の採用活動も多様化する中で、こうした学生側の視点を今一度見つめなおすべきだと感じました。
 
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