社長コラム 2024.11.26 今はまだまだ人生を語らず

『これこそはと信じれるものが この世にあるだろうか?』
と歌い始めるフォークソング『イメージの詩』は吉田拓郎さんのデビュー曲です。

初めて聴いたのは小学生の頃、おそらく4歳年上の姉やさらに上の年代の従兄弟たちの影響ですが、その歌詞が意味するところは理解できるわけもないのに、今でもこの長い詩を空で歌えるほど繰り返しも聞きました。

つい先日、同じく拓郎さんの『人生を語らず』というという曲が聴きたくなり、古いアナログレコードを手に入れてターンテーブルに針を落としてみました。

『朝日が昇るから起きるんじゃなくて 目覚める時だから旅をする』で始まり、
『越えて行け そこを 今はまだ人生を語らず』と歌います。

『今はまだ人生を語らず』というLPアルバムは『ペニーレインでバーボン』で始まり、『シンシア』や『襟裳岬』といったヒット曲も収録されたアルバムで、当時はそれこそ「針が擦り切れるまで」繰り返し聴いたものです。バーボンが何かも知らない14歳、高知の中学2年生の頃だったと思います。

『イメージの詩』や『人生を語らず』を懸命に聴いていた10代前半に、この歌や歌詞のどこに惹かれたのかは全く不明です。おそらく、背伸びして、いきがって聴いていたのかもしれません。時代は1970年代前半のこと。曲を創り、歌っている拓郎さん自身もまだ20代。

戦争や学生運動、そして高度経済成長とめまぐるしい時代の変化の中、いきがって生きていかないと自分自身がどこか望まないところへ流されてしまいそうな危機感を感じる人が多かったのではないかと想像します。

還暦を過ぎて改めてこれらの曲を聴いてみると、驚くほどにすっと心に入ってきました。

古い船に居座り続け、変化を阻む古い水夫ではなく、新しい水夫たちが新しい海へ出るチャレンジを後押しする、そんな古い水夫になりたい。
長い長い坂を登る途中に振り返るのではなく、坂を降りる途中で上にいる仲間に手を振りながら「今はまだ人生を語らず!」と呟く、いきがったジジイを楽しみたいと感じるこの頃です。

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イメージの詩
歌  : 吉田拓郎
作詞 : 吉田拓郎
作曲 : 吉田拓郎
 
これこそは と 信じれるものが
この世に あるだろうか
信じるものが あったとしても
信じない そぶり

悲しい涙を 流している人は
きれいな ものでしょうね
涙を こらえて 笑っている人は
きれいな ものでしょうね

男は どうして 女を求めて
さまよって いるんだろう
女は どうして 男を求めて
着飾って いるんだろう

いいかげんな 奴らと 口を あわして
俺は 歩いて いたい
いいかげんな 奴らも 口を あわして
俺と 歩く だろう
 
たたかい続ける 人の 心を
誰もが わかってるなら
たたかい続ける 人の 心は
あんなには 燃えないだろう

傷つけあうのが こわかった 昔は
遠い 過去のこと
人には人を 傷つける力が あったんだろう
 
吹きぬける 風の ような
俺の住む世界へ 一度は おいでよ
荒れはてた大地に チッポケな花を 一つ
咲かせて おこう
 
俺も きっと 君のいる 太陽のあるところへ
行ってみるよ
そして きっと言うだろう
来てみて良かった 君がいるから
 
長い 長い 坂を 登って 後を 見てごらん
誰も いないだろう
長い 長い 坂を 下りて 後を みてごらん
皆が 上で 手を ふるさ

きどった仕草が したかった あんた
鏡を みて ごらん
きどった あんたが 映ってるじゃないか
あんたは 立派な 人さ

空を 飛ぶのは 鳥に 羽があるから
ただ それだけのこと
足が あるのに 歩かない俺には
羽も 生えや しない
 
激しい 激しい 恋を している俺は
いったい 誰のもの
自分じゃ 言いたいのさ
君だけの俺だと 君だけのもの なんだよと
 
裏切りの 恋の中で
俺は 一人 もがいている
はじめから だます つもりで いたのかい
僕の 恋人よ

人の命が 絶える時が来て
人は 何を 思う
人の命が 生まれる時には
人は ただ 笑うだけ
 
古い船には 新しい水夫が
乗り込んで 行くだろう
古い船を 今 動かせるのは
古い水夫じゃ ないだろう
 
なぜなら 古い船も 新しい船のように
新しい海へ でる
古い水夫は 知っているのさ
新しい海の こわさを

いったい
俺たちの 魂の ふるさとってのは
どこに あるんだろうか
自然に 帰れって 言うことは
どう言うこと なんだろうか

誰かが 言ってたぜ
俺は人間として 自然に生きているのさ
自然に生きるって わかるなんて
なんて 不自然なんだろう

孤独を いつの間にか
さびしがりや と 感違いして
キザな セリフ を ならべたてる
そんな 自分を みた

悲しい男と 悲しい女の
いつも ひとりごと
それでも いつかは
いつものように 慰めあっている 

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