マーケティング 2019.12.19 「来場者の熱を途切れさせない」 ー 紙媒体コンテンツを作り続ける理由
左:野北 瑞貴(マーケティングチーム)
右:小笠原 史織(Account チーム)
最近、増えてきたカンファレンス系のビジネスイベント。それらのイベントコンテンツをレポートという形で、オンライン記事にして掲載、配信する取り組みも、それに伴い増加している。
ビッグビートもBigbeat LIVEにまつわるコンテンツをニシタイにレポート形式で、毎年コンテンツとして制作している。それに加えて、過去2回の自社カンファレンスであるBigbeat LIVEは”本”、2019年度は”タブロイド”という形でわざわざ紙媒体として制作している。
なぜ、手間のかかる紙媒体のコンテンツ化を選んだのか。そこにはイベントやカンファレンスをコンテンツにする目的と密接に関係があるのかもしれない。
過去3年間のLIVEすべてに関わったマーケティングチーム 野北とタブロイド版BOOTLEGの制作者であるAccountチーム 小笠原に話を聞いた。
※ページ下部にBOOTLEG3のダウンロードボタンがありますので、ぜひご覧ください!
「熱量」を持続させるための設計
ーー今年もBigbeatLIVEの事後コンテンツとして、オンライン、オフライン含めて様々なコンテンツを作成したと聞きました。なぜ、イベント後のコンテンツを毎年制作しているのですか?野北:
BigbeatLIVEは8月に開催された自社カンファレンスです。今年で3回目になります。毎年、カンファレンス終了後に、オンラインではオウンドメディアで”開催レポート記事”を、オフラインでは”本”、今年は”タブロイド”を制作しました。
毎年、事後コンテンツを作成しているのには明確な目的があります。それは「来場者の熱量を途切れさせないため」です。カンファレンスやセミナーでは、基本的に自分たちのメッセージをストーリーをもって構築します。つまり企業側が理解してもらいたい流れで設計して、その通りに伝えることで「なるほど!」となってもらう、その後の行動変容に活かしていただくという狙いです。しかし、当日の熱量が高いながら、その熱は時間を追うごとに急激に冷めていきます。そこをもう一度、熱量を思い出してほしい、改めて感じてほしい、そう思っていました。そのためLIVEイベントで挙げたテーマに対して、事後コンテンツで深く掘ることで来場者がテーマやメッセージに対する熱量を持続しもらおうと考えました。
言い換えると、イベント当日は発火地点のようなもので、その現場でついた火を消すことなく持続してもらうかどうかが、重要になると考えています。あくまで、イベント当日はスタートであり、その後に提供するコンテンツで熱量を持続させて点と点をつなぎ線となるような活動をすることで、持続的に熱量を共有するような関係作りこそ目指すべきだと思っています。
一方で、こうした理想をマーケティング部でイベントに携わっている方は誰しも持っていながら、実際に実行しきれていないと見受けれる例もあります。私自身、今までに様々なカンファレンス・セミナーに参加してきましたが、1つのテーマを深く追求し続けているようなイベントには、あまり巡りあえてはいませんでした。
自分もBigbeatLIVEの企画責任者を経験してわかったのですが、LIVEイベントを中心に事後の企画まで社内だけで設計するのは、リソース的に非常に難しいなと思いました。
ーーそんな中で、3年間のイベント後のアフターコンテンツを仕上げてきましたが、正直なところ成果としてはいかがでした?
野北:
1年目は初めて本を作ったこともあり、いろんな方々に届けたいということで配り続けました。結果として、いい反響をいただくことも多く、時期も早めに作れたので、この本はいいね!といわれることも多くあり、一定の成果はあったと感じています。しかし、そこから何か数値的な成果につながったかと言われるとその点においては見えていませんでした。
そのため、2年目は逆に来場いただいた方を中心に関係各所にお配りするやり方を取りました。ほしいという方にのみお渡ししていった形を取りました。本の制作期間中にコミュニティを作りアフターイベントを繰り返して関係を保つ活動をしていたので、その方々には喜んでいただきましたし、少なからず前年度より効果はありました。しかし本の完成時期が3月頃になってしまったこともあり、前年よりも本をお渡ししての反響は得られておりません。
昨年の反省から、今回は特に時期を早めに作り上げられるようにしつつ、さらに届きやすいように手に入りやすいようにしていきたいと思っていました。また今振り返れば、登壇者の方々に本の完成の際にBigbeat LIVEの振り返りのコンテンツを企画することでもっと反響を得られるのではないかとも思います。
「イベントの追体験」が本の魅力
ーーなぜイベント後のコンテンツとして、手間のかかる紙媒体のコンテンツを毎年制作しているのですか?
野北:
来場者の熱量を持続してもらうために、本を選んだ理由は2つあります。
1つは、「ストーリーを追体験ができる」という点。ある部分を切り取ることができるデジタルと違い、本は冒頭から読み進める必要があります。あるストーリーの部分だけを切り取られづらいのです。そのおかげで、イベント当日の熱量をストーリーを追体験することで熱量が持続しやすくなると考えています。
実際のコンテンツでの工夫で言えば、レポートを書籍化するということではなく、編纂しなおしております。書籍の文体は濱口という1人の人間がセミナーに参加し、自分の考えかたとマッチした部分などを語る1人称の構成にしています。事実の羅列ではなく、1つの伝えたいメッセージに対して各登壇者のエッセンスで肉付けをすることで、読み手はよりシンプルにイベント当日を追体験をすることができるのです。
2つ目は、「伝えたいメッセージへの理解が深まる」という点です。本では1つの結論に対して繰り返しであったり、具体的な例も挙げながら、皆さんに理解してもらいやすくするために様々な要素を持ち込んでメッセージを補強していきます。1冊を読み進める中で多面的に繰り返し結論やメッセージまで、到達するプロセスを踏むことでデジタルに比べて、より深い理解に落ちていきます。
そのため、イベントを本や紙媒体にするにはLIVEイベントのストーリーが1つ軸が通ったものでないと、意味がないかもしれません。
ーーお客様の反応はいかがでした?
小笠原:
ひとつ特殊な例では、BOOTLEGを輪読しているクライアント企業もあると聞いています。Bigbeat LIVEのテーマを深く掘り下げ、共感していただいて、さらにお客様自身で深めてくださるのは嬉しいですね。実際にイベントに来られた方もそうでない方も、書籍を読んでいただき、イベントのメッセージを受け取っていただけたことで、少しずつ「自社に対する見方が変わってきた」という感触はあります。実際、読んでいただいたお客様が2回目、3回目のBigbeatLIVEにも足を運んでくださるというケースが多々ありました。
一方で、実際の営業の現場では本という形なので、その場で案内をすることは厳しく感じることがあります。どうしても書籍という形式上、しっかり読んで頂けるかどうかは関心があった方でないと難しいと思います。
BOOTLEG3のこだわり
ーータブロイドはどのような経緯で生まれたのですか??
小笠原:
今回のBigbeat LIVEは5つの異なるテーマのセッションを開催しました。個々のセッションが1つのストーリーとして成り立つほど中身の濃いものになっており、いろんなものをそぎ落として無理に1つにまとめてしまうと、かえって何も伝わらないと考えたため、書籍という形で制作することはやめました。
その代わり、多様なテーマが詰まっていても読みやすい「雑誌」のようなイメージで、それぞれのストーリーが引き立つ「タブロイド紙」という形にしました。
ーーニシタイにも開催レポートがあるなかで、タブロイドで意識したことは?
小笠原:
タブロイドの構成として、最初に代表である濱口の挨拶、それ以降は見開き2ページで1つのセッションをまとめる形にしました。
最初の濱口の挨拶のページは「これまでのBigbeat LIVEについて」「これからのBigbeat LIVEについて」の2つの構成になっています。執筆にあたっては濱口の話を聞き、本当に言いたいことを表現できているのかと自問自答しながら、自身の言葉に置き換えていきました。
濱口の挨拶以降は、まとめ方を工夫しました。すでにニシタイにイベントレポートが出ていますが、それとは違った形にしようという話になりました。イベントレポートはイベント当日の様子を事実ベースにバランスよく伝えている内容に対して、タブロイドでは見開きのページで1つのストーリーが完結するような構成で執筆し、最後にビッグビート自身の言葉や行動に置き換えて紹介しています。最後を自分たちの言葉にしたのは、登壇者の言葉はあくまでも私たちの伝えたいことを代弁したものであり、「じゃあビッグビートさんはどうなの?」という点を明確に伝えたいと考えたからです。
ーー「こんな人には、ぜひ読んで欲しい」といったイメージはありますか?
「転んだ分だけ、未来はころがる」のコピーに共感してくれる人です。共感してくれた方が目指している先へ向かうときに、BOOTLEG3がヒントになって、ほんの少しでも前に進むことに貢献できれば嬉しいですね。
もちろんBOOTLEG3以外でも、ビッグビートが貢献するので一声かけてください(笑)
2019年 Bigbeat LIVEの様子をおさめた「BOOTEG 3」をpdfでご覧いただけます。
また、冊子での閲覧希望の方はマーケティンググループへのご連絡をお願いいたします。
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